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【NG例付き】EC・不動産・求人サイトなど、大規模サイトSEOの攻略ポイントを紹介!

Web上でビジネスをするうえで、サイトへの集客施策を万全にしておくことは最重要課題です。さまざまな施策があるなかでも特にSEOは、潜在層から顕在層まで幅広い見込み顧客を獲得できる施策です。

とはいえ、ECサイトや求人サイト、不動産情報サイト、旅行サイトなどのデータベース系サイトは、コーポレートサイトやブランドサイトと比較するとページ枚数が膨大で、システムの制限もあり、SEO施策が進めにくいのも事実です。一般的に言われているSEO施策を適用しようとしても、これら大規模サイトではうまくいかないことが多いです。

この記事ではそうした大規模サイトを対象に、どのようなSEO施策が有効か(またはやってはいけないか)、担当者としてどのようなスキルが求められるのかといったことについて、株式会社デジタルアイデンティティでの支援実績をもとに、実践的な情報も含めてご紹介します。
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データベース系サイトの定義

まずはじめに、いわゆる「データベース系サイト」「大規模サイト」の定義を認識合わせしたいと思います。
Google検索セントラルの「大規模なサイト所有者向けのクロールの割り当て管理ガイド」では、「大規模サイト」を以下のように定義しています。

  • 大規模なサイト(100 万ページ以上)で、コンテンツの更新頻度が中程度(1 週間に 1 回)の場合

  • 中規模以上のサイト(10,000 ページ以上)で、(日常的に)コンテンツがめまぐるしく変更される場合

この記事では、以下のように定義したいと思います。

  • 「site:自分のサイトのドメイン」で検索したときに、検索結果の件数が5万件を超えるサイト

  • データベースやUGC(User Generated Contets:ユーザー生成コンテンツ)により、ページ数が毎日どんどん増えていくサイト

業種ごとに起こりやすいSEO問題点

以下、データベース系サイトの代表的な業種・業態を例にあげながら、それぞれの業界に特有の問題点や課題をご紹介します。
弊社でも、このような業種・業界のお客さまの場合、通常のSEOとは異なるアプローチを取るケースが多いです。

大規模ECサイト

  • アパレル、BtoBなど業界は問わない

  • SKU数が1万点を超える程度

特に複数のブランドが1つのモールに乗っかっているECサイトの場合、商品点数が多くなり、SEO施策も複雑になりがちです。

求人サイト

  • 転職、アルバイトなど

求人情報は日々増えたり消えたりするため、インデックス周りの問題が起きがちです。

不動産情報サイト

  • 賃貸、中古マンション、新築マンション、一戸建て、土地

  • ウィークリーマンションや貸オフィスなど

求人サイト同様、物件情報は日々更新され続けるので、どのページをどのように評価してもらえるようにするかをルール決めする必要があります。

口コミサイト

  • 飲食店やグルメ

  • 美容室・サロン

  • コスメ

  • 映画・ドラマ・アニメのレビューを扱っているサイト

これらは一般に、UGC要素がサイトのなかで重要なコンテンツとして位置します。UGCはクオリティをコントロールしきれないので、どのようなルールを設けるかを丁寧に整備する必要があります。

旅行・ホテル

  • 航空券やホテル、飛行機や新幹線、またはそれらがセットになったツアーの検索サイト

予約システムと密接に連携している場合が多いほか、UXの観点とSEOの観点で意見が割れることも多いです。

比較サイト

  • 結婚式場などウェディング関連、葬儀、引越しなど

こちらもUGC要素があったり、UXや営業目線と意見が割れたりと、問題が起きやすい業種であるといえます。

ありがちだが、やってはいけないSEO施策NG例

ここまで、業種・業態ごとの課題や問題点をご紹介してきました。

こうした問題点を解消するためにいろいろな施策を打っていくと思うのですが、まずは「絶対やってはいけないけどありがちなNG例」から紹介します。
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NG例1:すべて読み物コンテンツで対策しようとしてしまう

効果がありそうなのに、一番やってはいけないのがこの施策です。大規模サイトでは、オウンドメディアやコラムを構築する前に、まずはそれ以外の部分の最適化を進めるべきだと考えます。

その一例として、実際のGoogle検索結果画面をもとに説明します。

こちらは①「梅田 ホテル(検索ボリューム33,100)」の検索結果です。


「梅田 ホテル」の検索結果画面

検索結果の1位~10位までを見てみると、とにかく梅田周辺のホテルが一覧で並んでいるページが高く評価されていることがわかります。

つづいてこちらは②「正社員 求人(検索ボリューム40,500)」の検索結果です。


「正社員 求人」の検索結果画面

同じように、正社員の求人情報がずらっと並んでいるサイトが高く評価されています。

一方、こちらは③「投資信託(検索ボリューム201,000)」の検索結果です。


「投資信託」の検索結果画面

https://drive.google.com/file/d/147r7Qj1Qq5IAfO-M8VzwU3kY041cxaM6/view?usp=sharing

1位は一般社団法人投資信託協会が提供している「そもそも投資信託とは?」というページですし、2位以下も、ブランドの投資信託トップページや、投資信託に関する情報を提供しているサイトが並んでいます。

このような状況で、①「梅田 ホテル(検索ボリューム33,100)」や②「正社員 求人(検索ボリューム40,500)」のキーワードで高く評価されるために読み物コンテンツをつくっても、おそらく上位表示は難しいといえます。
なぜなら、検索ユーザーの検索意図と異なっているからです。

①や②のキーワードで検索するとき、検索する人は以下のような意図をもって検索をしていると推測します。

①今度大阪旅行に行くから、梅田駅周辺のホテルを探さなきゃ。どんなホテルがあるんだろう。駅前だから高そうだけど、初めて行く場所だから相場がよくわからないなぁ。

②そろそろ正社員で就職したいなぁ。今働いている業種に未練はないから、特に業種に縛りはない。でも正社員の仕事ってどんなものがあるんだろう。お給料や待遇も気になるなぁ。

このような検索意図のときに、

  • 梅田駅周辺のホテルはどうやって選ぶの?探し方をご紹介

  • 正社員の求人とは?給料や気になる待遇をご紹介

のような読み物をつくっても、この人たちの検索意図は満たしきれないでしょう。

なぜならこの人たちは「たくさんある情報の中から、自分にあった条件に合わせてドリルダウンしながら探したい(でも「自分にあった条件」はまだ何なのかわからない)」という状態なので、とにかくたくさんの選択肢を提示してあげる必要があるからです。

もちろん③の例のように、いきなりソリューションを提示するのではなく、基礎からじっくり教えてあげる・情報を提供するといったアプローチのほうが検索意図を満たせる場合もあります。その場合、読み物ページは非常に有効な施策です。

なので、一律に「読み物はNG」「読み物が一番効果的」と決めつけるのではなく、検索意図に沿って適切なアプローチを取る必要があるのです。

NG例2:サイトのシステム仕様を理解せずに施策を進めようとしてしまう

検索意図に沿ったページを整備しよう!と決意して、検索結果やカテゴリページの強化をしようとしても、サイトのシステム仕様を理解していなければ、おそらくこちらも失敗してしまいます。

小〜中規模のサイトであれば、検索意図を満たすページをつくることはそこまで難しくありません。広告用のLPをつくるときのように、ページの構成要素を決めて、デザインしコーディングすれば完成します。

しかし大規模サイトの場合、ページの構成要素を決めても、そのページがすぐに実現できるとは限りません。
たいていのサイトがデータベースをもとにしてページが構成されているので、担当者が「こんな要素を出したい!」「こんな条件で出したい!」と願っても、システム仕様上難しいことがあります。

実際にあった事例をご紹介します。

海外のホテル予約サービスの日本版サイトにおいて、「{市区町村名(「大阪府大阪市中央区」など)}のホテル一覧」というページをつくりたいというご提案をしました。旅行業界において、きめ細やかなエリア区分で情報をカテゴライズすることは、サイトのパフォーマンスを高める非常に有効な方法だったからです。

しかし、システムが日本以外の地理事情にあわせて開発されているので、日本独特の「大阪市中央区心斎橋」のような区分を実現するのが難しかったのです。

特にパンくずリストを表示させる際、本来であれば

トップ > 大阪府のホテル > 大阪市のホテル > 大阪市中央区のホテル > 心斎橋のホテル

のようにしたかったのですが、実際には

トップ > 大阪府のホテル > 心斎橋のホテル

のような形になってしまいました。
本来であれば「大阪府中央区のホテル」の配下に「心斎橋」「千日前」といったページを設けたかったのですが、すべて一律で「大阪府」の配下に入ってしまいました。

このように、大規模サイトはシステム仕様との戦いの連続です。
いかに既存の仕様のなかで検索エンジンフレンドリーなサイト構造を形づくるかが、SEO担当者・SEOコンサルタントとしての腕の見せどころといっても過言ではありません。

NG例3:社内に協力者をつくらず施策を進めてしまう

大規模サイトのSEOにおいて、システム仕様を乗り越えながら施策を進めるためには、SEO担当者だけでなく他の部署の方の協力も必要です。

これは大規模サイト以外にも言えることですが、SEO施策を進行する際、多くの方とのやりとりが発生します。

例えば「検索結果ページにパンくずリストを設置したい!」という要望を出す場合は以下のようなやりとりが発生します。

  • パンくずリストの設置位置は、UX観点と干渉しないか?
    →UX担当者やデザイナーとすり合わせが必要

  • 思った通りの階層構造を出力できるか?
    →システム担当者との連携が必要

また「検索結果ページとは別に、特集コンテンツを作って販促したい!」という場合は、

  • そもそもそういう売り方をしていいのかどうか
    →商品担当への確認が必要

  • 訴求軸に問題はないか(よけいなお問い合わせが発生しないか)
    →営業担当や店舗担当、必要に応じてカスタマーサポートへの確認が必要

など、Web担当者だけでは決められない部分が出てきます。

そして大前提として、こうした施策の実行に自分のリソースを割いていいかどうかは、上長に確認する必要があります。



特に大規模サイトでは、そのサイトに数多くの関係者が関わっており、それぞれに重要視するポイントも違いますし、担当者が達成したい目標も異なります。
社内に仲間をつくって、協力してくれる人の数を増やすことが、SEOの成功につながるといっても過言ではありません。

こちらも、実際にあった事例をご紹介します。

毎週決まった曜日・時間に開催される勉強会制度をつかって、定期的にSEOの勉強会をされているご担当者さまがいらっしゃいました。私もその勉強会資料の作成をお手伝いさせていただいたり、ゲストとしてお呼びいただいたこともありました。

この会社ではもともと、SEOに対する理解が不足していて、SEO担当の知らないところで施策が進んでいたり、その施策が検索エンジンフレンドリーな形になっていないことが多く困っていたそうです。

勉強会を複数回重ねることで、SEOに対する理解が進み、新規事業立ち上げの際にSEO担当をアサインしてくれたり、キャンペーンを打つ際のSEO観点についての助言を求められるようになったりしたそうです。

このような環境であれば、SEO施策のためにこういうことをやりたいです、と伝達しても、スムーズに検討してくれそうですよね。

大規模データベース系サイトだからこそ重視したいSEOポイント

ここまで、起こりがちなNG施策とその打ち手についてご紹介しました。

ここからは、大規模データベース系サイトだからこそ気をつけるべきSEOポイントをご紹介します。
実践的な情報でご紹介しますので、自分のサイトでできているかどうかをぜひ確かめてみてください。

以下5つについてご紹介しています。

  • カテゴライズ

  • サイト構造・内部リンク構造

  • 正規URLルール

  • ページ内要素

  • インデックス制御・低品質コンテンツの扱い

適切なカテゴライズをおこなう

先述のとおり、大規模サイトの場合はカテゴリページや検索結果ページが主な対策ページとなります。そのため、数多くあるデータベース情報をいかにきれいにカテゴライズできるかが、成功の決め手となります。

不動産・物件検索サイトなど地域情報が検索ニーズの中心にある場合は「都道府県」や「駅名」などのエリア軸でカテゴライズするのが効果的です。

また、グルメサイトやおでかけ情報サイトなどはエリア軸に加えて「イタリアン」「中華」や「テーマパーク」「公園」などのジャンル軸もあると効果的です。

いっぽうでECサイトなど、カテゴライズの方向性が複数ある場合は

  • 検索条件はどこまでインデックス対象とするか?

  • ブランド・アイテムタイプなどどのような区切り方にするか?


検索エンジンにやさしいサイト構造・内部リンク導線を心がける

カテゴライズと同じくらい重要なのが、サイト内の構造です。サイト構造とはすなわち内部リンクの構造です。

検索エンジンはユーザーと同じように、サイト内のリンクをたどってページを評価付けしていきます。そのため、重要なページに内部リンクが集まっているかどうか、リンクがなく離れ小島になってしまっているページがないかどうかなど、戦略的に設計する必要があります。

特に大規模サイトの場合はページ数が膨大であるため、どのようなルールで他のページへのリンクを張り巡らせるかをしっかり設計することで、ページの評価に大きく影響します。


リンク構造を適切にするためのパーツとしてパンくずリストがあります。パンくずリストがあることで上層階層・下層階層へのリンクを確保することができます。

上下階層だけでなく、左右のページへのリンクも張り巡らせる必要があります。
例えば不動産のサイトでは、「渋谷区」と同じ階層である「新宿区」「品川区」といったページに、渋谷区ページから行けるようになっている必要があります。

正規URLルールを定める

カテゴリページを評価してもらううえで重要なのが正規URLの設定ルールです。

例えばECサイトの場合、1つのカテゴリページに対して「おすすめ順」「価格が高い順」「発売日順」など、複数の並び替え条件が発生します。
並び替えてもURLが変わらない場合はよいのですが、並び替えることで「?sort=high」のようなパラメータが付与されると、検索エンジンはURLごとに評価付けをしていくので、1つのページに対して複数のURLができてしまい、評価が分散してしまいます。


それ以外にも「色」「価格帯」「ブランド」「サイズ」など、1つの検索結果に対して複数のURLが出力されるケースは数多く存在します。
それらに対して、どのURLに評価を集中させるのかを設計させると、カテゴリページ・検索結果ページの評価が高まりやすくなります。

実際にあったケースでは、アパレルECサイトにおいて、同じ「赤いTシャツ」というカテゴリページに対して

  • /baby/t-shirt/red/

  • /baby/t-shirt/?color=red

という2つのURLができてしまったサイトがありました。
これは、システムで制御した「Tシャツ」というメインカテゴリの配下にある「赤色」というサブカテゴリが存在するのに加えて、「こだわり条件検索」のオプションの1つとして「色が赤である」にチェックを入れたURLも存在するため起こる現象でした。

このときは、「「?color=●●」のパラメータは一律でサブカテゴリのほうのURLに評価を統一する」というルールを設けていただくことで解決しました。

重複URLの統一に関しては、エラーが起こったりミスが生じると大幅な流入減少につながるリスクがあるため、まずはGoogleのガイドラインを一読いただくことをおすすめします。
>>重複した URL を統合する

自社のシステムがページ内にどんな要素を引っ張れるかを把握する

大量にページが出力されるからこそこだわりたいのが、ページ内の要素です。
大規模サイトの場合、システム的にどのような情報を引っ張ることができるのかを加味しながらページ内要素を決める必要があります。

実際にあった事例をご紹介します。

求人サイトにおいて、ページの<meta description>タグに「営業の求人を●●件ご紹介しています。」という文言を入れたいとご提案しました。具体的な数字が入っていたほうが検索結果画面でのCTRが高まりやすいとの考えからです。

しかし、このことをシステム側に相談したところ、件数を引っ張るためには<meta description>を出力する前にデータベースを参照する必要があり、その処理を挟むことでページの表示速度に悪影響が出ると逆に相談をいただきました。

このときは、

  • <meta description>に求人件数表示することにより得られるメリット

  • 表示速度が遅くなることにより失うデメリット

をてんびんにかけたうえで、求人件数を表示させることを見送りました。
また、<meta description>表示用に求人件数のキャッシュを持っておき、キャッシュは数日に一度深夜に更新する、といった方法も視野にいれましたが、開発工数が思ったよりもかさんでしまうので、泣く泣く見送りとなりました。

見送ったあと、データベースを参照する必要がないアピールポイントを<meta description>に記載するという代替案を提案しました。

インデックス制御・低品質コンテンツの扱いを決めておく

「カテゴライズ」のところと近い部分がありますが、検索条件の組み合わせによって大量の検索結果ページができる場合は、どの条件をインデックスさせる/させないのルール決めも非常に重要です。

全国に物件情報をもつ不動産情報サイトにおいて、「こだわり条件」を増やそうというご提案をしました。特に賃貸領域においては基本となる「{地域名}賃貸」に加えて、「オートロックがある」「駅から徒歩5分」などの条件を加えたキーワードのニーズが多く、それらを網羅しておきたいという意図がありました。

しかし、この検索条件追加を全国に適用するなかで、「●●県××郡▲▲町(人口わずか数十人の自然豊かな町)のオートロックがある賃貸物件」というページをどのように扱うかという課題が出ました。自然豊かな町なのでオートロックありの物件がそうそう出ることはありません。また鉄道も通っていない町なので「駅徒歩5分」の物件も、ここ数十年現れることはなさそうです。


賃貸物件

このとき社内では「検索結果が0件の検索条件ページは一律でnoindexを付与する」というルールを設けるのはどうか、という案が出ました。
こうすることで、検索結果が0件のページ(=検索ニーズを満たさない低品質なページ)は検索結果に出力されないので、クロールリソースを節約できると考えたのです。

しかしそのルールを適用すると、今度は「東京都千代田区の新築一戸建て」のような、検索結果件数が1件と0件をいったりきたりするような検索結果において不具合がでることが懸念されました。
過去に、一度検索エンジンからnoindexの存在を認識されたあと、再度noindexをはずした際、なかなかインデックスされないという事例があったため、検索結果画面にnoindexを付与することに慎重になっていました。
このケースの場合、0件検索結果でもnoindexは付与しないようにしました。また、0件検索結果のページがサイト内の導線に出現しないように改修をおこないました。

このように、どのページをインデックスさせるかどうかは、複数の可能性を加味したうえで検討する必要があるのです。

大規模データベース系サイトにおいて求められるSEOスキルセット

ここまで、大規模データベース系サイトにおいてありがちなNG例と、NG例をふまえたやるべきポイントを整理しました。

こんなにもたくさんやることがあるのか……という気持ちになってしまったかもしれませんが、まずは必要なスキルセットを整理し、今の現在地を把握することからはじめてみましょう。


方向性策定

まずは現在自社のサイトにおいてどのような問題が発生しているのか、また、市場・競合環境がどのような状況なのかを把握したうえで、それらを解決していくための戦略立案を担うパートです。

Google Analyticsなどの各種解析ツールのスキルだけでなく、そのデータから課題をあぶり出し、具体的な施策に落とし込んでいく分析力も必要です。
ツールの使い方は独学でもなんとかなりますが、分析力は場数を踏んで施策のレパートリーを増やしていくという観点が大きいため、座学やセミナーでインプットしていくというのは少し難しいかもしれません。

実行

策定した方向性に沿って、サイトに施策を反映していくパートです。
基本的なHTML・CSSの知識だけでなく、JavaScriptやPHPなどのフロントエンド系技術、自社で導入しているシステムの知識など、エンジニアリングが求められるパートでもあります。

また、施策が「特集ページの新設」「読み物コンテンツの企画・制作」であった場合は、コンテンツの企画力やライティング力といったスキルセットも必要です。

検証

実行した施策が思った通りの結果を残せているのかどうかを検証するパートです。いわゆる効果検証です。
「方向性策定」同様、各種解析ツールのスキルに加え、施策を打った結果どこのどのような数値がどうなっていればいいのかといった具体的なイメージをつかむスキルも必要です。

勉強・その他

毎年数回おこなわれるコアアップデートやGoogle検索アルゴリズムの仕様変更、新たな評価軸の導入など、SEOの分野は継続的な勉強が必要です。
書籍は体系的な知識が得られる反面、情報が古い可能性があるというリスクがありますが、Web上の情報は玉石混交で、もしかしたら間違っている情報が載っている可能性もあります。
こうした情報の取捨選択や正しいソースの選択も、スキルの一つです。もし判断に迷う場合は、Googleが公式で提供している以下のような情報ソースを活用しましょう。

また、先述のとおり、施策を進行するには一人だけの力では難しい部分もあるので、社内調整力や交渉力、いわゆる「コミュ力」といったものも、持ち合わせている必要があります。

すべてのスキルを一人で持つ必要があるのか

一人の担当者がこれらすべてのスキルを持っている必要はないと考えます。
「餅は餅屋」という言葉があるように、それぞれの領域にそれぞれのプロフェッショナルがいます。
専門性や情報取得難易度が高い領域はその道の専門家にまかせることで、全体が最適化されるメリットもあります。

Web担当者はSEOのことだけ考えていればいいわけではなく、たいていは他の領域と兼任していたり、SEOは他の目標を達成するための一つの手段でしかなく、ほかにも時間を割きたい場所があるというケースがほとんどです。

そのため、最後の「調整力・コミュ力」といったスキルだけを持ち、それ以外の領域は外部や社内の他の部署に依頼するという選択肢も十分考えられます。

特にSEO領域は以下のように専門性・情報取得難易度ともに高い分野だと思いますので、積極的に外部に依頼することをおすすめします。

  • Googleアルゴリズムの直近のトレンド

  • Googleアルゴリズ厶の仕様

  • 検索結果画面から検索意図を読み取る力

  • キーワード戦略

  • 分析結果からの戦略立案

  • 順位下落時のリカバー施策立案

外部のSEOコンサルタントに依頼するときに留意したいこと

専門性の高い分野を外部に依頼すべきということについてお話しましたが、外部のSEOコンサルタントに依頼するとどのようなことを提供してもらえるのでしょうか。

SEOコンサルティングにもいろいろなプランや支援パターンがあり、会社によっても得意領域は異なるため、一概には言えません。

そこで、先述したスキルセットのうち、社内でカバーできるスキルや能力とそうでないものを棚卸しするとよいでしょう。
自分たちが外部のSEOコンサルタントに期待したいポイントが明確になると、自分たちにあったパートナーを選びやすくなります。

例えば以下のようなパターンが考えられます。

  • そもそも何から手を付けていいのかわからないので、方向性策定からお願いしたい

  • SEO施策を実行するための人手が足りないので、人的リソースを提供してほしい

  • 効果検証のナレッジが足りないので、分析だけお願いしたい

弊社の場合、目標達成に必要な施策が何かを逆算して考え、一番最適な支援方法が何かを一緒に考えるところからスタートすることも可能です。
>>デジタルアイデンティティのSEOコンサルティング

実際に、「SEO事業部」という部署があるお客さまの支援実績もあります。

SEO事業部があるお客さまの支援実績


SEOのナレッジや経験・知識は豊富にあるものの、他業界でのトレンドや成功事例がなかなか組織に入ってこず、不安を抱えられていました。

定期的に最新情報を提供することに加え、現在進行中の施策を共有いただき、ほかにもこんな施策ができるのではないかといったディスカッションも重ねました。

ほかには、調査や分析など人海戦術が必要な場合の人的リソースの提供もおこなっておりました。

チームや施策に必要なソリューションをオーダーメイドでご提供可能です。
具体的な悩みになっていなくても大丈夫ですので、ぜひ壁打ち相手として我々にご相談いただければと思います。


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