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英語学習のモチベーションを保つ秘訣

何度も挫折した英語学習

私は独学で英語学習をしていたとき、何度も挫折したことがある。
「何度も」である。

社会人になってから、経済英語を学ぶためにウォールストリート・ジャーナルを読み始めたが、1ヶ月足らずで興味を失い購読をやめた。

オンライン英会話を始めたが、話すことがなくなったので自然とやめてしまった。

他にも挫折経験は、数え切れないほどある。
当時は自分はなんて意志が弱いんだと凹んだものだ。


徐々に仕事も忙しくなり、英語学習から遠ざかっていたのだが、そんな私に転機が訪れる。

アメリカでマーケティングを学ぶことを決意したのだ。
自動化されるリスクが低く、ビジネスの仕組みを理解するのに役立つと考えたからだ。

自分が行きたかったマーケティングコースに入るには英語の要件を満たす必要があった。TOEFLやIELTSなどのアカデミック英語力を測るテストがその代表例だ。

そこで、フィリピンのセブ島で半年、アメリカのオクラホマ州でもう半年、アカデミック英語を学んだのだが、自分のキャリアを賭けた自費留学だったため、かなりのプレッシャーを感じながら勉強したことを覚えている。

なんとか英語の要件を突破し、アメリカでマーケティングを勉強することができたのだが、驚いたことに留学中、あまりモチベーションを保つ努力をする必要がなかった時期があった。

それはつまり、独学していた頃にはなかった何かがやる気を引き出してくれたのだと思う。


今回このnoteを執筆しようと思ったのは、以下にもある通り、自分のようにモチベーション管理に四苦八苦した人は多いのでは?と思ったからである。

ビズメイツ株式会社のインターネット調査によると、英語学習経験のある社会人の約8割が3ヶ月以内に英語学習を挫折しているという調査結果が出ている。
(参照:【英語学習の挫折に関する実態調査】英語学習経験のある社会人、約9割が「挫折したことがある」と回答。挫折までの期間「3ヵ月以内」が約8割の事実。)

この記事が英語学習者の参考になればうれしい。


トピックをとにかく絞る

学習範囲を狭くすることで、学習のモチベーションを高く維持することができる。

特定の分野で使われる表現はけっこう限られているので、短期間で同じような表現に出会いがちだ。するとその分野に限り、定着率が上がりやすくなる。

つまり幅広い分野を学ぶよりも、狭い範囲を集中して学ぶ方が成長する実感を得やすいのだ。


マーケティングコースで私が最初に取ったクラスは「市場調査」だった。
クラス初日、講師の話す話が断片的にしか聞き取れず、2時間の講義が終わる頃には、何も考えられない程に疲れていた。

「おいおいこんなんで大丈夫か?」と心配だったが、背景知識や専門用語の理解が進むにつれて、講義のスピードについていけるようになったのである。

この小さな成功体験が1~2ヶ月毎にあったおかげで、やる気を維持することができたのは間違いない。


したがって、学習のモチベーションを維持する方法その1は、勉強するトピックを絞ることだ。

海外旅行が目的ならば、最初の1ヶ月は空港の搭乗手続き、2ヶ月目はタクシーや電車などの交通機関の使い方というように、特定のトピックを集中して取り組むことをオススメする。


フィードバックをもらう

第3者(できれば先生)から課題に対する評価をもらうことで、モチベーションを維持しやすくなる。

ポジティブな評価をもらうと素直にうれしいし、次も褒められたくなる。
すると自分から努力するという好循環ができるのだ。

いい先生は褒めるのが上手い。課題を提出すると、いい点と改善点を絶妙なバランスで出してくれるのだ。

そして生徒に期待をかけてくれる。期待を裏切りたくない生徒は、さらに頑張るという寸法だ。

いい先生を見つけよう!見つかったらついて行けばいい。

フィリピンの語学学校で出会った先生のことを今でも良く覚えている。
大学で言語学を学んだそうで、エッセイの書き方をかなり具体的に教えてくれた。

例えば、

「使われている語彙は全体的に適切ですばらしい!ただエッセイの1行目はトピックの関連語を必ず入れるようにしよう。」

「議論の切り口はOK!ただ論理的に説明するためには、A=B、B=C、C=Aのように主張を鎖のようにつないでいく必要があるね。」

といった感じだ。

指示が具体的だからわかりやすいし、毎回良かったところを見つけてくれるので、素直にアドバイスを受け入れることができるのだ。

いつも学びがあり成長の実感もあったので、エッセイを書くのが楽しかったし、実際にライティングが一番最初に伸びた。


よって、学習のモチベーションを維持する方法その2は、課題に対するフィードバックをもらうこと。

英語はスポーツに似ており、結果が出るまでに時間がかかる
特にスピーキングやライティングの練習をしてると、自分が考えた英文が正しいかどうかもわからないし、成長を実感しづらいことがよくある。

だから英語を使って自分がやりたいことをやれる(新しいことを学ぶ、映画を観る、海外旅行に行く等)ようになるまでは、誰かから評価してもらうほうがやる気が維持しやすくなるのだ。


アウトプットする

アウトプット中心の勉強にすることでモチベーションを維持しやすくなる。

具体的には、
・プレゼン
・レポート作成
などが効果的だと思う。

適切な課題があると、英語学習が目的から手段に変わるからだ。

例えばレポート作成が目的になると、説得力のある主張にするために、情報を主体的に集めるようになるし、自分の言いたいことにピッタリあった英語表現を自分から調べるようになる。

やらされているのではなく、自発的にやっているというこの感覚がやる気を高めてくれるのだ。


アウトプットすることで実際にモチベーションが上がったと感じたのは、暗号通貨について調べるレポートを作成していたときだ。

レポートの構成は指定されていたが、集める情報や結論などは任されていた。
信頼性の高いレポートにするために、さまざまな調査結果を読み漁ったし、文法や英語表現に間違いがないか何度もチェックした。
そして提出期限ギリギリまでそれを続けた。

別にそこまでしなくても必要な評価点はもらえたと思うが、もっと情報はないかと調べているうちに、やる気が出てしまったのだ。

これが単に決められた記事を読むなどの課題だと、自発的にやっているわけではないので、そこまでやる気はわかなかっただろう。


つまり、学習のモチベーションを維持する方法その3は、アウトプット中心の学習をすること。

英語学習を目的にするのではなく、課題を通じて英語を使わなくてはならない状況をいかに作り出すかがカギになる。

そういう意味では生徒のレベルに応じた課題を設定してくれる学校はお金を払ってでも行く価値があると思う。



まとめ

本記事は、英語学習のモチベーションを維持するのが難しいと感じている私のような人向けに

・トピックをとにかく絞る
・フィードバックをもらう
・アウトプットする

という観点から問題を乗り越える方法について語ってみた。

独学でやる気を保つ方法が知りたいんだけど!という人の声が聞こえてきそうだが、正直それは並大抵のことではないと思う。英語自体が好きな人は別だが。

私にとって英語はツールであり目的ではなかったので、英語学習それ自体は面白いとは思わなかった。
むしろ英語を使って新しいことを学んだり、できることが増えることの方に達成感を感じることが多かったのだ。

目指す先が英語学習の先にあるなら、学校のカリキュラムにのっかってでも基礎編をサッと駆け抜けることをおすすめする。

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