「ディグディガ」元ネタ紹介:第2話
これは、漫画「ディグインザディガー」第2話公開に際して、原作者と漫画担当の2人が淡々と元ネタ紹介をしていくコーナーです。
前半:栄免建設(原作)
(※文中に出てくる「テクノ」は広義です)
◆µ-Ziq - Lunatic Harness
Planet Mu主催、Mike Paradinasのµ-Ziq名義4作目。IDM系Drum'n'Bass、所謂Drill 'n' Bassの名盤と名高く、特に 「Hasty Boom Alert」は名曲中の名曲だ。
今回は90年代テクノがメインなので個人的に好きな作品をチョイス。
µ-Ziqは5月に、新作をレーベル"AnalogicalForce"からリリース予定。
このレーベルは良質なBraindance/IDMをリリースしており、大きな注目を集めているので、併せて是非チェックしてみてほしい。
◆The Chemical Brothers - Block Rockin' Beats
ダンスミュージック界のトップデュオThe Chemical Brothersの代表し、
90年代に流行したジャンル、Big Beatの名曲。主なレコードの購買理由のひとつに、部屋に大きいジャケットを飾れるというのがある気がしているので、彼らの作品の中でアートワークが好きな一枚をチョイスした。
本楽曲は 「Dig Your Own Hole」に収録されているが、12-inchシングルに収録された「Block Rockin' Beats (The Micronauts remix)」 も過激なアレンジが最高なので、シングルもぜひ手に入れて欲しい。
ちなみにThe Chemical Brothersは先月に新曲 「The Darkness That You Fear」をリリースしている。90年代から活躍している彼らが現在もシーンの最先端をいっていることがわかる、素晴らしい楽曲だ。
◆Fatboy Slim - You've Come a Long Way, Baby
Big Beatの名盤と名高い Norman Cook の、"Fatboy Slim"名義2作目。パロディが一目でわかるアートワーク、ジャンルの繋がりからチョイス。「The Rockafeller Skank」は日本でもCMで使われていたので、聞いたことがある人も多いのでは?大ヒットしたものの、4曲サンプリングしているので25%ずつ使用料を払わなければならず、儲けはなかったらしい。
本作収録の代表曲 「Right Here, Right Now」は James Gang「Ashes, the Rain and I」をサンプリングしているのだが、ループで引用しながら曲の雰囲気を大きく変えており、個人的にサンプリングのお手本のような作品だと思っている。
◆The Prodigy - the fat of the land
初期はRaveの名曲でその名を馳せたThe Prodigyだが、本作はロックとテクノの融合を見事に果たし、90年代を代表する名盤として名を刻まれている。
この情報量に元ネタを仕込むのは少し無理があるか?とも思ったが、The Chemical BrothersとFatboy Slimが出てくれば流れから思いつく人がいるだろう(テクノで蟹といえばこれだし)、と思ったので急遽描いてもらった。
◆MEATL
ちょうど話を考えてるとき、某大手レコード店がジャンル分けのタグの「METAL」を「MEATL」と誤字したツイートがTwitterでバズっていたので。
PUNK棚が隣にあるのもそこからの引用。
後半:駒澤零(漫画)
えー……今回いっぱいあります!すみません……まずはジャケット系から。
今回は1話、1.5話と違って知らない街を描いたので、背景が難しくて。いつも棚ごとに大まかな音楽ジャンルくらいは変えるようにしているのですが、2Pの1コマ目は何も思いつかず。方々に「助けて!」と言ってたら、先輩の佐藤あんこさんが2枚考えてくださいました。感謝…(Prince「Prince」、David Bowie「Low」)
とはいえ、二枚とも作画が荒いので、精々ここで紹介するくらいかなと思ってたんですが、意外にもボウイを見つける方が多くてビックリしました。本当にありがとうございました。
下の棚は基本的に私の趣味です。最初に謝っておきますが、作画の精度的にTotemとプノンペン以外誰にもわからないと思ってました。皆さんすごい!
◆Alan Walker - Sing Me To Sleep
高校でEDMっていいな!ってなった頃、ZeddとCalvin Harrisしかまともに聴いてなかったんですが、なぜかこれだけ聴いてて。完全に印象的なジャケからセレクト。余談ですが、Alan Walkerでググると「死因」とサジェストされ、いかがでしたかブログまであるんですよね。多分Aviciiと混同されてるんでしょうけど、気の毒すぎる。
◆PARKGOLF - Totem
わん!(新譜最高でした。犬でワンって読ませるの100年かかっても思いつく気がしねえわ。今回も素晴らしかった…うっうう……あと皆さんたくさん反応してくれて嬉しかったです。第2話の作画作業はこのアルバムに支えられたと言っても過言では)
◆神様クラブ - ワンダホ
2016年結成のニューポップユニット。某音楽メディアでインターンしてたとき、新譜の宣伝文をSNS向けに書くという仕事があって。水曜リリースの曲を聴いてプッシュすべき音源、いい音源の宣伝を打つという作業だったんですが、凝り性なので上から下まで全楽曲を聴いて、本当に好きだったものだけ宣伝してたんです。
神様クラブはそれで見つけて。「サイレントダンス」(M5)がめちゃくちゃ好きで、大学の行き帰りに一時期ずっと聴いてました。神様クラブのトラックメイク・アレンジ担当の周さんは最近ソロ名義の“ウ山あまね”でカッコいい曲を沢山作ってます。聴いてください!
◆Phnompenh Model - PATCHWORKS
プノンペンモデルは、P-MODELのKey・ことぶき光と、谷口マルタ正明(エコーユナイト)、ライオンメリィ(ヤプーズ、エコーユナイト、メトロファルス)の3名によって1994年に結成されたバンド。
「MODEL」のとこだけ見えるように描いてるので、P-MODELか?でもこんなジャケ知らない……ってなったら楽しいかなって描きました。というのも、Apple Musicで特撮やヒカシューを聴いてたらサジェストされて知り、「P-MODELによく似た名前だなー」と思って聴いてたからです。怒られそうなのであまり大きな声で言えない。
◆PSY・S - Different View
PSY・Sはニュー・ウェイヴ系の音楽ユニットで、読み方は「サイズ」。これは1985年発売の1stアルバムです。
ある日ハルメンズに嵌ってたら、「サエキけんぞう?多分PSY・Sの音源に参加してたような…」と言われ、親に手渡されたアルバム。「景色」「星空のハートエイク」「Paper Love」の作詞でクレジットされてます。
小学生のころ携帯に強制的に入ってたけど好みじゃなくて飛ばしてましたが、聴き返したら結構好きで、リピートしてます。家にあるって良い。
◆Anomalie - Métropole Part II
カナダ・モントリオール出身の超絶技巧キーボーディスト。ジャズやヒップホップの影響を公言しており、複雑に絡み合う電子音とジャズ的なアプローチが特徴。前に松木美定さんが配信でLouis Coleと共に紹介してて知ったんだけど、本当にヤバい!
YouTubeにソロでのライブパフォーマンスをたくさん上げてるんですが、音源の激ヤバサウンドをインプロを交えながら表現していて、まさにAnomaly(普通じゃない)。ちょっと一回聴いてみてください。既に好きな方は握手しましょう。
◆LFO - Advance
1988年結成のテクノユニット。当時イギリスで流行したブリープ・テクノやIDMを牽引した存在として知られる。当初はマーク・ベルとジェズ・ヴァーレイの2名編成だったが、後にベルのソロプロジェクトとなった。
この前DJ用に適当にディグってたら、「Shut Down」を見つけて好きになって。モノクロだとわかるわけないよな、と思いつつ、数字など丁寧に描きましたが、案の定難易度ハードモードだったようです。一部の人々を悔しがらせる結果になってしまった…。
次に人物系です!実は今回も好きなアーティストの方々を描いてます。すれ違ってるのはね、Fatboy Slimだけじゃないんですよ……(伏線回収)
◆Milk Talk - わがまま理想
Milk TalkはボーカリストQ.iと、コンポーザーThe Hair Kidのユニット。わたしはQ.iさんの歌声もビジュアルも本当に好きで、なかでもズバ抜けて可愛いと思ったのがこのジャケットの撮影の時で。いつか描きたいと思ってたので描けてうれしいです!The Hair Kidは「Plastic Inbox」が出た時から大好きで、私の中でbo enと並ぶかかった瞬間に身体が踊り出す2大コンポーザーです。つまり大好きな方と大好きな方のユニットですね。存在に気が狂うが。
かなりわかりやすく描いたのに誰も指摘なくて拗ねてたら、栄免さんが「男性の30%は水着の女性に夢中になってハライチの澤部に気がつかない」現象だって言ってた。確かに。
隣を歩いてる男性はよく見るとMON/KUさん。去年の一連の写真ツイートがすごく良かったのを思い出し、掘り出してひっそり描きました。後ろ姿なので多分誰もわかんなかったと思います。今と髪型も違うし…。そろそろライブ観たいです!(世界観が素敵なので、ぜひ曲をきいてください)
あと冒頭で長谷川白紙くんとすれ違ってます。まだ連載前に、くもみを描いてたら黒髪ボブ繋がりで似てるって言われたので逆に描いてみました。
そして最後!小物系ですー!読むのも大変だと思うのでまとめていきます!
部屋のカットで、背景に好きなものを忌憚なく入れていいよ、という話になったのでキャッチーさに走るか私物を入れるか悩んだのですが、わかりやすさでDC/PRGのライブ音源BOX特典指人形4体を描いてみました。流石にこれだけだと難易度が高いかもと思ったので浅田彰「構造と力」を本棚に入れときました(DCPRGに同名のアルバムがあるのです)。私は構造ⅠとⅣが好きです。
ハトラのセーターは、単純に好きなのと金欠で買い逃した悔しさで描きました。今回はじめて服について書いてますが、実はくもみの服は結構色んなブランドの服を参考に描いていることが多いです。逆にシキノは手癖です。
最後に、ケミカルブラザーズ大コマの全貌を掲載して〆ようと思います。作画の参考にしたのは2008年のRoskilde Festivalと当時のアー写ですね。くー。
今回のプレイリストはこちら。
以上、ディグディガ2話の元ネタ紹介でした。ありがとうございました!
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