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サウジアラビアで計画中の夢物語「千夜一夜」、70兆円の未来都市「THE LINE」



Forbes JAPANは2022年10月22日に、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Saudi Crown Prince Mohammed bin Salman)が2022年07月26日に、全長170km、幅200m、全長170km、海抜500mで、70兆円の線状の巨大未来都市「THE LINE」のデザインをYoutubeで発表したと報告した。

「THE LINE」には、道路もなければ、車も走らない。公共交通機関だけで移動が成り立ち、170kmの端から端までは最短20分で移動でき、人間の住みやすさを最優先に、効率化を徹底すると、一本の線になったと言う。

すべての必要な施設が徒歩5分圏内にあり、車がいらない生活となる。

私の生活と同じで公共交通機関だけで移動が成り立ち、車を持たない生活に人々がシフトし、さらに太陽光、風力、水力を利用する計画で、100%再生エネルギーが使われるため、環境への負担が激減する。

また、AIを駆使することで、全自動化を目指している。

「THE LINE」を含むサウジアラビアの都市開発はNEOMと呼ばれている。

NEOMの山岳リゾート計画地では、2029年のアジア冬季競技大会が開催されることになっている。

NEOMプロジェクトは、サウジアラビアが進めている経済改革計画「ビジョン2030(Vision 2030)」の一環である。

化石燃料に依存してきた従来のやり方から、製造業、物流、観光などの経済の多角化を進める目的で計画されている。

2300ページに及ぶ「NEOM」開発計画資料には、空飛ぶタクシー、砂漠地帯に雨を降らす人工雲、人工衛星で照明する人工月、恐竜ロボット、家事ロボット、暗闇で光る砂などの突飛なアイデアが掲載されていた。

強気な姿勢を見せるサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、2020年にNEOMプロジェクトで立ち退きを命じられている2万人の住民のうち、反対運動を起こしたり、同意しなかったりしたものは逮捕している。さらに今年10月に死刑判決を言い渡された人もいる。このようなやり方に人権団体から強い批判を受けている。

また、2018年10月02日、トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で殺害されたサウジアラビア政府に批判的だった記者ジャマル・カショギの事件で犯人とされている人物は皇太子の元で働いていた。皇太子はこの事件への関与を否定している。

Forbes JAPANは、「THE LINE」の建設開始日や完成予定日などはまだ発表されていない。The Economistによると、2022年07月末の時点で多くの部分が砂漠のままとのことだった。
この都市は実際に立ち上がるのだろうか。巨大な都市計画に潜む光と闇。開発プロセスからサウジアラビアのあり方が問われていると書いている。

私が大好きな「千夜一夜(One Night in a Thousand)」の世界である。

私がドバイの石油会社の重役と話した時、私の友人が働いている会社に水族館を建設する会社があると言うと、飛びついてきたことがあった。

世界中のアラブ世界に水族館を作ろうと言うのである。
今からうちの飛行機で日本に行くと言い出し、「千夜一夜」の世界に入りかけたことがあった。

その話を友人に話したら、「だめだ〜!」と言い出し、出発直前の飛行機を止めたことがある。

今は、サウジもドバイも金が有り余っている。

計画を発表したムハンマド・ビン・サルマン皇太子はロイターの取材に対し、「もしお金があるのならば、基準を高くして革新的で他と違うものをつくらないと。ゼロから始めるんだから、他の一般的な都市を真似してどうする?」と話している。

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