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インサイド・インド:世界で最も人口の多い国、インドの未来/3回シリーズの第3回目。

ギャラップブログ(GALLUP BLOG)は2023年09月05日に、今年初め、インドは中国を抜いて世界で最も人口の多い国になった。

人口が2023年に14億人を突破し、2060年には16億5000万人に達すると予測されている。

人口が増え続けるにつれ、世界の地政学と世界経済におけるインドの重要性も増している。

世界最大の国になる可能性が非常に高い。

この連載では、将来を展望し、インドが直面する機会と課題について考察すると報告した。

ベネディクト・ヴィガースによる「Is India Prepared to Change With Its Climate?(インドは気候とともに変化する準備ができているか?)」

https://news.gallup.com/poll/509756/india-youth-dividend-high-hopes-today-tomorrow.aspx

ストーリーハイライト
インド人の大多数が気候変動を脅威と認識
脅威の感じ方は地域差が大きい
インド人は環境保護への取り組みに以前より満足している
本記事は、最近中国を抜いて世界で最も人口の多い国となったインドが直面するチャンスと課題についての3回シリーズの第3回目である。

インドが気候変動にどのように適応していくかは、将来の成長と成功にとって極めて重要である。
最近の国連気候変動に関するIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change/政府間パネル)の報告書は、世界で最も人口の多い新興国であるインドが、気候変動によるいくつかの大きな脅威に直面し、すでにインドを大きく変貌させつつあるという暗い見通しを描いている。

ギャラップ社のデータと「ロイド レジスター財団の世界リスク世論調査のデータ(Lloyd’s Register Foundation World Risk Poll's data」から、インド人が自然環境と気候変動をどのように見ているか、4つの重要なポイントを紹介しよう。

  1. インド人の大多数が気候変動を潜在的な脅威と見ているが、脅威の感じ方は地域によって異なる。2019年と2021年の「ロイド レジスター財団世界リスク世論調査の集計データ」によると、インド人のおよそ5人に3人(62%)が、今後20年間に気候変動が自国にとって脅威となると認識しており、37%が「非常に深刻な」脅威と捉えている。

しかし、こうした認識は地域によって異なる。
沿岸部のケララ州(Kerala feel)に住むインド人は気候変動に最も脅威を感じており、92%の人が今後数十年の間に気候変動が深刻な脅威になると見ている。ケララ州はインドで最も識字率が高く、洪水や地滑りといった気候変動の影響に対して非常に脆弱な州である。
また、そこに住む人々は、気候変動について何らかの意見を表明する傾向が最も強い。ケララ人の2%が、気候変動が自国にとって脅威かどうか「わからない」と答えている。

バスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)が、最初にインドへ海から西洋文化を落ち込んだのがケララである。

最も、ケララの住民は海洋民族で、インドネシア、マレーシアからアフリカの希望峰までを制覇していた国際人であった。

私はケララで、チフスとマラリアの緊急事態に遭遇し、強制的に予防接種のテントに連れて行かれ、真っ黒な脱脂綿に染み込ませたアルコールで消毒し、接種を受けた。大丈夫かと思った時は、すでに終わっていた。

対照的に、アッサム(Assam)州とマディヤ・プラデーシュ州(Madhya Pradesh)では、気候変動に対する関心が最も低い。両州とも、気候変動に脅威を感じている住民は少数派である。

Climate Change Seen as Biggest Threat in Kerala, Andhra Pradesh(ケララ州、アンドラ・プラデシュ州では気候変動が最大の脅威となっている)

気候変動に対する人々の態度に影響を与える要因は多いが、教育との関連は州レベルで明確に示されている。
ある州の教育水準が高いほど、その州の人々は気候変動により脅威を感じている。

インドでは識字率が上昇を続けており、気候変動の影響が多くの国民に浸透している。

しかし、インドは人口も面積もEU(European Union/欧州連合)より広く、言語や文字の種類も驚くほど多い。

States With Higher Education Levels More Concerned by Threat of Climate Change(教育水準の高い州ほど気候変動の脅威を懸念している)
  1. 現在、5人に1人近くが気候変動を潜在的脅威として認識していない。
    気候変動を「まったく脅威ではない」と考えるインド人は、まだかなりの割合で存在する(18%)。これは、2021年世界リスク世論調査において、インドが南アジアでパキスタンに次いで気候変動を脅威と見なしていないことを意味する。さらに20%は、気候変動がインドにとって脅威かどうかわからないとしている。

Nearly Two in 10 Indians Think Climate Change Is NOT a Threat to Country in Next 20 Years(インド人の10人に2人近くが、今後20年間の気候変動は国にとって脅威ではないと考えている。)

気候変動を脅威と見なさない層は、性別、年齢、収入、雇用形態に関係なく、あらゆる層に広がっている。
学歴と気候変動への懸念の間に明確な関係があるにもかかわらず、インドで最も学歴の高いグループの中には、気候変動を脅威と見なさない人がまだかなりの割合(14%)存在する。

  1. インド人は、環境保全への取り組みにこれまで以上に満足している。
    2022年、インド人が直面する多くの環境脅威にもかかわらず、自国の自然環境を守る取り組みに満足している割合は、ギャラップが2006年以降過去に測定した割合よりも多かった(85%)。
    世界的に見ても、インドは環境保護への満足度が高い上位10カ国にランクインしている。

インド人は、ヨーロッパ人より、アフリカ人の方が付き合いが長い。
アフリカ人と比較すると、インド人の方が白い。さらに最近ではインド人が自然の黒さを自慢するようになってきている。
つまり、黒人の方が、白人より自然に対応できると話している。
確かに!

インドに行ったら、ぜひ鉄道でインドを縦断して欲しい。
私が縦断した時は、真っ赤に褌一つ、裸足で乗車したインド人男性は、片手に火縄銃を持って、腰に射止めた鳥をぶら下げていた。

アラブを1人で縦断してきた私は、その瞬間、どこにいるのか?なに時代かわからなくなった。

ものすごい国である。

Most Indians Are Satisfied With Efforts to Preserve Their Environment(ほとんどのインド人が環境保護への取り組みに満足)

インドの環境政策の中心は、地域の氷河の保護、プラスチック使用の削減、クリーンな調理用燃料の生産、鉄道システムの持続可能性の向上である。再生可能エネルギー容量の拡大も大きく進展している。

2022年のIPCC報告書は、インドが他の主要経済国と比べて一人当たりの排出量において良好な成績を収めていることを指摘しているが、一方で、特に石炭火力発電に依存し続けているインドでは、環境保護への取り組みがまだ十分でないと主張する人もいる。

日本は、インドの火力発電の脱炭素ですでに模索してる。
つまり、どこまで完全燃焼し、脱炭素を実現するかは日本の得意分野で、その次に完全脱炭素も視野に入れている。

2023年04月28日---インドの主力発電、火力発電の脱炭素で、日系が模索。

2021年の世界全体では、気候変動が非常に深刻な脅威であると認識することと、環境保護に満足していることの間には負の関係があった。

Countries Most Satisfied With Environmental Protection Efforts Feel Least Threatened by Climate Change(環境保護への取り組みに最も満足し、気候変動による脅威を最も小さく感じている)

インドは、中国、インドネシア、ラオス、カンボジア、バングラデシュといった他のアジア太平洋諸国と同じような立場にある。そこでは、国民の大多数が環境保護への取り組みに満足しているが、少数派は気候変動が非常に深刻な脅威であると認識している。

  1. インド人は大気や水質に対する満足度は高いが、リスクは不均一に広がっている。
    インドは水不足、洪水、大気汚染といった課題に直面しているにもかかわらず、2022年にはほとんどの人が大気(90%)と水の質(79%)に満足していた。しかし、インドでは清潔な水へのアクセスは非常に偏っている。

2021年の世界リスク世論調査によると、インド人のほぼ4人に1人(23%)は、自分が飲む水が深刻な害をもたらすのではないかと「とても心配」している。
社会の最貧困層20%は、最富裕層20%の2倍、飲料水について非常に心配していた(それぞれ28%対14%)。
同様に、最貧困層は、前年のある時点で清潔な飲料水がなかったことがある可能性が非常に高かった(41%対21%)。

しかし、インド、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ラオス、カンボジア、バングラデシュといった他のアジア太平洋諸国の大学は、日本の大学と密接に協力し合い研究してきている。

Poorest Indians Most Worried About Their Drinking Water(最貧困層のインド人が飲料水について最も心配していること)
ロイド レジスター財団世界リスク世論調査より、「world-at-risk-globe」

結論
このような広範な気候変動への脅威に直面する中、インドは2070年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにすることを目指している。人口と経済が成長を続ける中、インドは、他の主要経済国に比べて一人当たりの排出量が少ないという良好な実績を維持しようとするだろう。インドが国内の石炭生産をどの程度拡大または削減するかは、気候の変化に合わせて国の能力を決定する上で極めて重要である。

気候変動の脅威について、特に最も教育を受けておらず、気候変動の悪影響を最も受けやすい人々の意識を高めるには、まだまだ多くの課題がある。

ギャラップのインド・ブリーフィングを読む。
https://news.gallup.com/file/poll/510503/GallupNews_India_RPT_FINAL.pdf

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ロイド レジスター財団世界リスク世論調査の詳細はこちら。
https://wrp.lrfoundation.org.uk/?utm_source=link_newsv9&utm_campaign=item_510104&utm_medium=copy

https://news.gallup.com/opinion/gallup/510488/inside-india-world-populous-nation-looks-ahead.aspx

2023年09月05日---インサイド・インド:世界で最も人口の多い国、インドの未来/3回シリーズの第1回目。
2023年09月05日---インサイド・インド:世界で最も人口の多い国、インドの未来/3回シリーズの第2回目。
2023年09月1日---インドの夢!1つの国家。1つの選挙。
2023年09月05日---新世界の秩序はどうなった?
2023年09月04日---中国の最高国家主席習近平、インドで開催されるG20を正式にスキップ。
2023年08月29日---雨が降ると、桶屋が儲かる。中国が日本水産輸入禁止で、越産大喜び。
2023年08月28日---世界経済の分断がもたらす高いコスト。
2023年08月25日---米国やEU、イギリス、NATO、日本がいない巨大組織誕生。
2023年08月25日---ウクライナ戦争が続けば、 バイデン大統領支持率が高いという危険な結果。
2023年08月24日---BRICSに、6カ国が新規参加。
2023年08月23日---インドの探査機。世界で初めて月の南極付近に着陸。
2023年08月02日---チャイナプラスワンはインドの高みへの野望。
2023年07月28日---インドのモディ首相、世界の半導体メジャーに投資を呼びかけ!
2023年07月10日---台湾の鴻海科技集団とインドの資源大手ヴェーダンタの合弁事業解消。
2023年07月03日---ドイツのチップ産業が労働問題に直面。外国人労働者募集中!
2023年06月19日---France24は、モディ首相の米国訪問で、最高のニュースとして日経新聞英語版を採用
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2023年05月12日---鴻海、ゲアン省にiPhone生産工場建設か?
2023年05月04日---若い労働力が確保できる旧東ドイツのザクセン州はドイツの半導体の牙城
2023年05月02日---ヨーロッパ域内の生産増強で、€50億を投資し、ドイツで新半導体工場が着工。
2023年05月02日---イギリスのチップ設計会社Arm、米国での超大型株式上場を申請。
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2023年04月27日---韓国のサムスン電子の2023年1~3月期の連結決算、営業利益が前年同期比95.5%減
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2023年04月10日---TSMCの2023年03月売上高、1年5カ月ぶり低さ。
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2020年11月23日---台湾のTSMC、中国の南京工場が拡張、来年月産2万枚に体制。
2020年09月22日---米中ハイテク戦争、半導体をめぐる戦い。
2020年09月21日---台湾のファウンドリー、中国企業から受注急増?チップ戦争勃発!
2020年06月22日---Apple、パソコン用CPUをインテルから、自社開発半導体に変更。
2019年12月19日---米国のIBMと東京大学、「量子コンピューター」で連携。

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