トヨタが、米国工場で「水素で走る大型トラック」の製造を本格化。
Forbes JAPANは2021年08月25日に、「MIRAI」で始まった水素を動力源とするFCV(Fuel Cell Vehicle/燃料電池自動車)の普及を目指してきたトヨタは、ゼロエミッションの大型トラックや大型商用車に搭載するFC(Fuel Cell/燃料電池)モジュールを、ケンタッキー州の巨大な工場で製造しようとしていると報告した。
トヨタ自動車は2021年08月25日に、ケンタッキー州ジョージタウン工場にFCモジュールの専用ラインを設置し、2023年に組み立てを開始すると発表した。
https://time-az.com/main/detail/75079
トヨタによると、そこで製造されるデュアルFCモジュールは160KW(キロワット)の電力を発生し、高出力バッテリーや電気モーターなどの推進システムの一部を構成する。
トヨタモーター・ノースアメリカの小川哲夫社長兼CEOは、ステートメントで「当社は、実証済みの電気テクノロジーを、まったく新しいクラスの市販車に導入していく。大型トラックメーカーは、完全に統合された検証済みのFC駆動システムを購入可能になり、顧客にエミッションフリーの選択肢を提供できる。」と述べた。
トヨタのMIRAIやホンダのClarityなどのセダンタイプのFCVは、まだ一般レベルには普及しておらず、カリフォルニア州以外での入手は難しいが、大型トラックやバスへの搭載に向けた準備が急速に進んでいる。
それは、瞬発力のような高エネルギーが要求される分野では、ガソリンに変わることが可能であるFCVへの期待が高まっている。
TMMK(Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc./トヨタ自動車ケンタッキー)と日野(Hino)に加え、韓国の現代自動車(Hyundai)、スウェーデンのボルボ(Volvo)、ドイツにダイムラー(Daimler)、カミンズ(Cummins)、そしてニコラ(Nikola)などの新興企業が、今後数年以内に燃料電池大型トラックの販売を計画している。これらの企業は、重量が軽く燃料補給のスピードが速い燃料電池のパワートレインが、1日に何百マイルも走る大型トラックに適した技術だと述べている。
トヨタは長年、ロサンゼルス港で燃料電池トラックを走らせてきたが、ジョージタウン工場をFCモジュールの製造に対応させるためのコストを開示していない。ジョージタウン工場は、トヨタのトップセラーであるセダン「カムリ」の主要な生産拠点である。
GMも、ミシガン州の工場でFCシステムを生産する準備を進めている。
燃料電池車もバッテリー車も、モーターで駆動するEVという点では同じだが、燃料電池車は水素を用いて必要に応じて電力を作り出すという点で、バッテリー車とは大きく異なっている。
水素は天然ガスを原料としているため、完全なカーボンフリーではないことが指摘されている。しかし、余剰の再生可能エネルギーや水などを原料とする「グリーン水素」に移行すれば、完全にカーボンフリーの燃料が実現可能であり、埋め立てに用いられた廃棄物から発生するガスを原料とする水素も、環境に優しいオプションとして注目されている。
「グリーン水素」へ高まる期待
トヨタケンタッキーのパワートレイン部門責任者であるデビッド・ロシアー(David Rosier, Head of Powertrain at Toyota Kentucky)は、「トヨタの商用車用燃料電池システムは、8万ポンドの満載重量で300マイル以上の航続距離を実現し、優れた走行性や静粛性、有害排出ガスのゼロ化を達成した」と述べている。
NYSE(New York Stock Exchange/ニューヨーク証券取引所)に上場するトヨタ株(TM)は、8月25日に1.6%上昇して173.75ドルをつけており、年初から12%の上昇となった。
特に米国は、スペースシャトルのとこもそうであったが、コンボイの発想が好きである。
米国では、コンボイが、一斉に「水素で走る大型トラック」の時代に突入する可能性を含んでいる。
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