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アーカンソー州の新知事、用語「Latinx」使用禁止。

米国の「Mashup Reporter 編集部」は2023年01月10日に、トランプ政権時代に大統領報道官を務め、アーカンソー州知事に就任したサラ・ハッカビー・サンダース(Sarah Huckabee Sanders as Governor of Arkansas)は、ジェンダーニュートラルな用語として最近広まっている「Latinx(ラティンクス)」という用語を、州の公式文書に使用することを禁止した。

トランプ政権時代のサラ・ハッカビーは、怖かった記憶がある。

「Latinx」は、ラテンアメリカ系の人を指す「Latino」などと同じ意味。ただ、スペイン語では男性の場合は「Latino」、女性は「Latina」と男女を明確に区別するため、ジェンダーフリーが叫ばれる昨今、男女いずれの場合も使えるLatinxという表現が、主にリベラル派に好んで使われるようになった。

しかしこの「Latinx」という単語について、サンダース知事は、「民族的に無神経で軽蔑的な用語」は、行政で使用するのにふさわしくないと主張した。

確かに、米国のスラングを多用する米国の新聞「NYT(New York Times/ニューヨーク・タイムズ)」を、私は個人的にすかない。

「州政府は州民を尊重し、人種的マイノリティーを表す際には特に、適切な用語を使う責任がある」とし、就任当日の2023年01月10日に、州政府の公式文書における使用を禁止する知事命令に署名した。

サンダース知事は禁止の根拠として、米調査機関ピュー・リサーチセンター(Pew Research Center)の統計をもとに、米国内のラテン系・ヒスパニック系の人々のわずか3%しか「Latinx」を自称していないこと。そして、スペイン国立の言語アカデミー「レアル・アカデミア・エスパニョーラ(Real Academia Española)」が、接尾語「x」は男性系の「o」や女性系の「a」の代わりにはならないと定めていることを挙げた。

知事命令ではさらに、「スペイン語やその他ラテン系の言語から性別を排除することは、英語から母音や動詞を排除するようなもので、あってはならないこと」と言明。州政府の方針として、「文化的に配慮に欠ける用語」を公式の場では認めないとした。

それは、言語学では当然である。

サンダース知事は2019年、当時のトランプ大統領のもとで大統領補佐官を務めた。昨年の中間選挙で、アーカンソー州初の女性として知事に当選。就任時の年齢は40歳で、同州知事の史上最年少記録も塗り替えた。サンダース知事の父親で大統領選に出馬経験があるマイク・ハッカビー(Mike Huckabee)も1996年から2007年までアーカンソー州知事を務めている。

Foxニュースデジタルの独占インタビューでサンダース知事は、3人の子供の持つ母親として、教育システムの改革を最優先課題に据えていると説明した。「私は5年生、3年生、1年生の子供たちと毎日暮らし、教育による影響や、それが子供たち一人ひとりにもたらす意味と日々向き合っている。」と語った。

なおサンダース知事は同日、州政府の管理下でのTikTokの使用を禁止する知事命令にも署名した。TikTokをめぐっては、中国政府の監視や検閲に利用される恐れがあるとして、これまでアメリカの20以上の州が州政府管理下での使用を禁止している。



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