見出し画像

ドイツ、2030年までに1990年比で温室効果ガス65%削減目標は達成困難。


ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年11月08日に、ドイツ政府の諮問機関である気候変動に関する専門家委員会(Expertenrat der Bundesregierung für Klimafragen)は2022年11月04日に、隔年の報告書を公表し、現行政策のままでは2030年に温室効果ガスを1990年比で65%削減する目標を達成するのは難しいとの見通しを明らかにしたと報告した。

目標達成に向け、気候政策の大きな転換を求めている。

同専門家委員会は、2030年の目標達成には過去10年間の削減量と比べて年に2倍以上の削減が必要になると指摘。特に工業部門では10倍、輸送部門では14倍の削減が必要という。

報告書によると、00~21年にドイツの温室効果ガスの排出量は約27%減少し、14年以降は削減量のほぼ半分がエネルギー部門によるものだった。一方、建物、輸送、工業の各部門は10年までは大きな効果を上げていたものの、その後は削減量が停滞している。

政府は昨年、気候保護法を強化し、30年までに電力の80%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げた。しかし報告書は、煩雑な手続きや建設地の地元住民の反対、中国からの部品供給の混乱などにより、目標達成に向けて遅れが出ていると指摘している。

専門家委員会は、こうした状況を打開するため、輸送部門と建設部門での政策転換、消費者の行動変容、全部門に対する厳しい排出制限の導入などを挙げている。

2022-11-04---気候変動は同じように、どこでも深刻に受け止められていない。

ここから先は

156字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?