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「はやぶさ2」の試料から、地球外で初めて液体の水を発見。

日本経済新聞のNikkei Styleは2022年09月23日に、東北大学や日本の宇宙機関独立行政法人JAXA(Japan Aerospace Exploration Agency/宇宙航空研究開発機構)などの研究チームは、探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)」が採取した小惑星「りゅうぐう(asteroid Ryugu)」の試料(サンプル)を分析し、液体の水を発見したと報告した。

一滴にも満たないが、宇宙の天体で採取した水は初めて。地球の水の起源や太陽系の成り立ちの解明のカギになる成果だと述べている。

研究成果は22日付の米国の科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された。
Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu: Direct evidence from returned samples
T. NAKAMURA
M. MATSUMOTO
K. AMANO
Y. ENOKIDO
M. E. ZOLENSKY
T. MIKOUCHI
H. GENDA
S. TANAKA
M. Y. ZOLOTOV[...]Y. TSUDA +212 authors Authors Info & Affiliations
SCIENCE
22 Sep 2022
First Release
DOI: 10.1126/science.abn8671

過去に隕石(いんせき)から宇宙由来の水を検出した例は報告されている。ただ地上で混入した可能性を否定できなかった。これまでの解析で、「りゅうぐう」のサンプルに水が含まれることは分かっていたが、見つかっていたのは鉱物と化学反応した状態だった。

https://time-az.com/main/detail/77767

研究チームはサンプルの成分や構造などを詳細に分析した。水は塩や有機物のほか二酸化炭素(CO2)を含む炭酸水の状態で、鉱物の結晶にある数マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの大きさの穴から見つかった。水は約46億年前の太陽系誕生直後にできたもので、「りゅうぐう」にあるときも氷ではなく液体だったとみられている。

東北大の中村智樹教授は「水をたくさん抱えた小惑星が地球に衝突すると地球に水が供給される。そこには有機物も含まれている。海や有機物の起源に直接関わる証拠だ」と話す。

生命誕生に欠かせない水や有機物の由来は詳細には分かっていないが、地球上で生じたもの以外に宇宙由来の可能性があることになる。

成果は太陽系の成り立ちを解明する手掛かりにもなる。

サンプルの熱変化などに関する解析結果から、りゅうぐうの成り立ちが詳細に分かってきた。太陽系誕生直後、太陽系の中心近くにあった微粒子が外側にとばされ、そこで集まってりゅうぐうの母天体の一部になった。その後、ほかの天体に衝突されて一部が飛び出し、現在の「りゅうぐう」のある火星と地球の間に移動したと予想している。太陽周辺からのガスの噴射や他の天体の引力の影響などが関係していると見込んでいる。

サンプルの解析は国内では計8チームが進めてきた。今後は有機物の成分に関する詳細な解析などが注目される。「りゅうぐう」からは有機物であるアミノ酸が23種見つかっているが、その成分の詳細な報告が期待されている。

日本のマスコミの記事は、リソースの紹介がない。


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