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カンボジア、今年01月〜07月のベトナム向け生カシューナッツ輸出、約35%減。

カンボジアの新聞「プノンペン・ポスト(The Phnom Penh Post)」は2022年08月15日に、CAC(Cashew nut Association of Cambodia/カンボジア/カシューナッツ協会)の責任者によると、カンボジアは2022年の最初の7ヶ月間にベトナムに約66万トンUS$10億7700万以上の生カシューナッツを輸出し、前年比35万トン、34.65%減少した。

これは、この期間にベトナムに販売された生カシューナッツ1トンの平均価格帯がUS$1,618~1,646であったことを意味する。

カシューナッツ(Anacardium occidentale)は、コンポントム(Kampong Thom)、クラティ(Kratie)、プレアビヒア(Preah Vihear)、コンポンチャム(Kampong Cham)、トボンクム(Tbong Khmum)など主要10州で広く栽培されている多年生の換金作物である。

天候により品質などが大きく変動し、高温・乾燥の年ほど収量や品質が高くなる傾向がある。今年はかなりの雨が降っている。

https://time-az.com/main/detail/77505

CACのウオン・シロット会長(CAC president Uon Silot)は2022年08月15日、米、キャッサバ、ゴムなど他の収益作物よりもカシューナッツの輸出で得られる収入が多いだろうと「プノンペン・ポスト」に語った。

しかし、国際基準に見合う加工施設があまりないため、カンボジアで生産されたカシューナッツの約95%はベトナムに生のまま輸出され、さらに2%ほどがインドに出荷され、残りは地元で国内外向けに加工されている、とウオン・シロット会長は指摘する。

今年の収穫量と輸出量の減少は、気候的な要因だけでなく、肥料や輸送費の高騰、投資資金の不足など、生産者が直面しているさまざまな問題が原因だとウオン・シロット会長は指摘する。

生カシューナッツの卸売相場は、品質にもよるが、現在1トンの平均価格帯US$1,350〜US$1,750だそうで、カシューナッツの栽培面積はおよそ7,000平方kmとのことであった。

コンポントム州にある(Chey Sambor Cashew Nut Processing Handicrafts)のオーナーであるイン・ライ・フオット(In Lai Huot)は、カンボジアのカシューナッツはその品質と非の打ち所のない味が高く評価されているものの、近年は資金不足と認定基準を満たす大型加工施設の数が限られているため、栽培が思うように進んでいないようだとコメントしている。

2022年から2027年にかけてのカシューナッツに関する国家政策により、栽培と加工への投資が促進され、地元の人々の雇用が創出され、生産者と加工業者の所得が向上し、生のカシューナッツの輸出が抑制されるだろうと楽観的な見方を示している。

国家政策の主な目的は、カンボジアのカシューナッツおよび派生製品の栽培、貯蔵、加工、包装、販売、流通、輸出の能力を強化し、カンボジアを地域および国外における主要な生産・供給国として確立することである。

「原材料の輸出を避けるため、地元での加工が増えることを望んでいます。地元での加工は、国家イメージの向上や経済成長にもつながります」とイン・ライ・フオットは語った。

同省の統計によると、カンボジアが2021年輸出したカシューナッツは937,974.26トン、総額US$16億487万相当で、2020年に比べてトン数で328.34%、金額でUS$233.32%増加した。

つまり、2021年に輸出されたカシューナッツ1トンの平均価格はUS$1711で、前年比22.2%減となった。主な市場は、ベトナム、中国、タイ、インド、日本、韓国などであったと同省は述べている。

2022-08-01---日本でのカシューナッツ販売再開は、認可の関係で2022年09月になりそう。
2022-05-16---価格下落で10万ヘクタール以上のカシューナッツの木を伐採。
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