8か国で店頭から消えたデンマーク製の減量薬と糖尿病薬。

2024年2月13日 15:01

BBC Newsは2024年02月12日に、コペンハーゲンのビシネス・レポーターのエイドリアン・マレー(Adrienne Murray)は、デンマークの自宅で、キャスパー・ニールセン(Casper Nielsen)は冷蔵庫から荷物を取り出し、次の注射の準備をし始めた。
「これが噂に減量薬Wegovyです。月に4回受講してください」と、45歳の彼は言った。

「以前は、『もしかしたら60歳になったら、孫に会えないかもしれない』と思っていました。

「でも、今は将来をもっと明るく見ています。(2年前)私は159kg(25ストーン)からスタートしました…今、体重は93.5kgなので、本当に良い位置にいます。」
ソーシャルメディアの話題とイーロン・マスク(Elon Musk)などの有名人のユーザーに後押しされて、Wegovyは薬局の棚からどんどん売れている減量薬である。
世界的な売上高の増加により、その製造元であるデンマークの製薬会社ノボノルディスク(Novo Nordisk)は昨年、ヨーロッパで最も価値のある上場企業となった。
「比較できる唯一の薬はバイアグラだと思います」とコペンハーゲン・ビジネス・スクールの経営史教授カート・ヤコブセン(Kurt Jacobsen, a professor of business history at Copenhagen Business School,)はウィゴビーの人気について語る。

Wegovyの製造元であるノボノルディスクは、この薬を十分な速度で製造できない
重度の過体重の人を対象としたWegovyの有効成分は、血糖値を制御し、食欲を低下させ、患者に満腹感を与えるセマグルチド(semaglutide9と呼ばれる薬である。また、2型糖尿病の治療に使用される姉妹薬オゼンピック(Ozempic)の有効成分でもある。

研究によると、Wegovy 患者は体重の 10%以上を失う可能性がある。
ただし、一部のユーザーには吐き気や嘔吐などの副作用が発生する可能性もあり、研究によると、治療を中止した後に患者は体重が元に戻ることがよくある。
これらの問題によってもWegovyの売上は鈍化せず、2023年には5倍に増加した。現在、デンマーク、ドイツ、アイスランド、ノルウェー、スイス、UAE、米国、イギリスの8か国で利用可能であり、日本でもこれに続き、2024年02月末予定である。

イギリスでは現在、特定の基準を満たす患者に対して、一部のNHS減量管理専門サービスによって処方されている。一部の個人クリニックでも購入可能である。
しかし、BBCが9月に報じたように、国内に入ってくる物資は限られていた。
一方、オゼンピック(Ozempic)は現在、世界で最も売れている糖尿病薬となっている。

両薬の爆発的な売り上げがノボノルディスクの利益の急増につながった。2024年01月末、同社は年間純利益が51％増の830億デンマーククローネ(US$120億/£96億)に達したと発表した。
同社の最高財務責任者であるカルステン・ムンク・クヌッセン(Karsten Munk Knudsen)はBBCの取材に応じ、当初はオゼンピックとウィゴビーの絶大な人気に同社は不意を突かれた、と認めた。
「糖尿病と肥満の両方における市場の需要は、私たちがこれまで予測していたよりもはるかに多く、そして誰が予測していたよりもはるかに増加しています。」と彼は言った。
同氏はこうした好調な売上が2024年も続くと予想しており、「18～26％の成長を見込んでいる」としている。
バークレイズ銀行の製薬部門アナリスト、エミリー・フィールド(Emily Field, a pharmaceutical sector analyst at Barclays bank)は、ノボノルディスクがウィゴビーへの注文に追いつくことができるかどうかはまだ分からないと言う。「根底にある需要は非常に大きいので、十分に賄うことができません」と彼女はう。
クヌーセン氏は、同社が「すぐには」需要に応えることができないことを認めているが、製造能力を拡大するために多額の投資を行っていると付け加えた。「私たちはこれまでにない新しい施設を実際に建設しています。」
人口600万人に満たない小さな国デンマークにとって、ノボノルディスクは今や非常に大きな存在となり、デンマーク経済に多大な影響を与えている。
デンマークの経済成長率は、2023年の最初の9か月間で1.1%でした。しかし、ノボ社が独占していた医薬品セクターを剥ぎ取ると、経済は0.8%縮小しました。同国は現在、医薬品産業を除いた個別の経済統計を公表している。