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世界がグリーン水素を計画。2年で100倍超の規模。

日経クロステック/日経エレクトロニクスは2023年11月20日に、世界各国・地域は、再生可能エネルギーに投資をし、主に電力部門の脱炭素化に取り組んできた。

ところが、力部門以外のセクターが消費する化石燃料のエネルギーは電力量の約3倍はあるから、実際には電力部門だけではカーボンニュートラルの実現は果たせないことが明らかになった。

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二酸化炭素(CO2)の排出量でみても、現時点における電力部門の排出量の1.5~4倍はある。

水電解装置用電力量は将来的には従来型電力部門の約3倍必要になる。

このままでは、詐欺である。

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力部門以外の部門を脱炭素化する手段としてクリーン水素が脚光を浴びている。
しかし、水素は多くの場合、1次エネルギーではなく、主に再生可能エネルギーまたは原子力発電などからのCO2フリー電力で水を電気分解するなどして生成する。

ここにも詐欺になるかもしれないことが隠れていた。

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日経クロステックによると、電力部門向けのエネルギー量を1とすると、それ以外のエネルギーは3前後となる。それを賄うためにも、水電解装置市場は近い将来急速に拡大する見通しであると言う。

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ただし、これは非電力部門の電化を進めなかった場合の数字で、ガソリン車からEV(Electric Vehicle/電気自動車)へといった電化を広く進めると、エネルギーの利用効率が大幅に高まる。米国のTeslaは、電化をとことんまで進めることで、世界が必要なエネルギー総量が現状の約1/2になると主張する。
ところが、この1.5倍というのが日本のケースである。皮肉にも電力部門の脱炭素化が遅れている国・地域ほど、電力部門に対する非電力部門のCO2排出量の比が小さい。

どうする?脱炭素化を遅らせる?

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カーボンニュートラルに本気で取り組むなら、この非電力部門の化石燃料の脱炭素化に正面から取り組む必要がある。化石燃料の主な代替手段になると考えられているのが、再生可能エネルギーで水を電気分解して生産した水素、すなわちグリーン水素、あるいはそのグリーン水素を基に造るグリーンアンモニアなどである。

世界各国・地域は、これに取り組み始めた。

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の1~2年でグリーン水素を推進する国レベルの政策が打ち出され、各地で生産計画も急増しているのである。

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しかし、それにかかる金額は巨額で、国レベルの取り組みでは、兆円単位の規模になっている。水電解装置の導入規模や投資額が大きいのはやはりEU(European Union/欧州連合)で、2030年までにEU内に90G~100GW分の水電解装置を導入する計画だと言う。助成額は約12兆円。融資も含めると約48兆円の規模になる。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まるまでは40GWの計画だったが、2022年に“脱ロシア”を促進する目的で導入目標量が2倍超に増えた。

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それに続くのがインドで、2030年までにUS$1000億(約15兆円)を投資して60G~100GWの水電解装置を導入する計画である。さらに、再生可能エネルギーの導入目標量はその4倍以上であると言う。

現時点で、水電解装置の導入規模の3位は日本である。
2023年06月に資源エネルギー庁が発表した「水素基本戦略」の改定版では、GX(Green Transformation/グリーントランスフォーメンション)についての取り組みとして、政府は先行的に20兆円を投資した上で、今後10年間に官民合わせて150兆円超の投資を引き出すと言う。より具体的には、今後15年間に官民合わせて15兆円を水素のサプライチェーン整備に投資。また、2030年までに国内外に導入する日本関連企業の水電解装置を15GW分としている。

「国外」分は、日本のエネルギー系商社が、オーストラリアなど再生可能エネルギーの発電コストが低い国・地域に導入する分を想定しているようである。

それまでの水素基本戦略は、内閣官房の再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議が2017年12月に発表したものだった。内容は、主に二酸化炭素回収・貯留CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)技術を前提とした、天然ガスの水蒸気改質による水素(ブルー水素/Blue Hydrogen)が主な供給元で、再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素/Green Hydrogen)については可能性として触れただけだった。また、水素の想定用途は、FCV(Fuel Cell Vehicle/燃料電池自動車)などモビリティー分野が主体。鉄鋼などの脱炭素化は、やはり可能性を指摘するだけだった。

この日本の新しい水素基本戦略については、やや冷めた見方もある。エネルギーと環境分野での産学連携を進めているX-Scientia代表取締役で水電解事業についての研究者でもある古山通久は、「新しい水素基本戦略は、以前のものから基本的に変わっていない」と指摘する。

具体的には、古山通久は、「額面こそ増えたものの、方向性が“環境づくりにとどまっていて、実際に水電解装置市場を形成していくという強いコミットメントが見えない。以前の水素基本戦略で進めていた燃料電池車の導入計画と現実の導入台数の間には少なくとも8年の遅れがある。しかし、新しい戦略で、具体的に対処する動きは出てきていない」と言う。つまり、環境は整えるものの、実際に導入するのは民間任せで、結果が目標に未達でも責任は経済産業省にはないという姿勢は以前と変わっていないと言う。

水素と言えばトヨタの代名詞、章夫ちゃんに期待している。

稼ぎながら、走る名人である。

トヨタが失敗したら、どうなるのだろう。

馬鹿な政治家は、闇討ち!

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対照的なのがEUで、「現時点から2030年までに水電解装置をいつどれぐらい導入していくかというコミットメントが明確で、これなら、補助金ベースとはいえ、装置メーカーにとって実際の市場規模がどうなるかの見通しを立てやすい」と、古山通久は話していると伝えている。

米国は2023年10月、クリーン水素を生産する拠点を「水素ハブ」として多数の候補地の中から7カ所を選定。そこに合計でUS$70億(約1兆円)を助成する計画だと言う。

額面こそ抑え気味だが、助成先は明確で、計画ベースでは2年で100倍超の規模になると言う。

さらに詳しくは、
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02655/111700001/

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