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EC、ロシア侵攻の影響を軽減する目的で、再生エネ事業認可を迅速化。


ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年11月11日に、EC(European Commission/欧州委員会)は2022年11月09日に、EU(European Union/欧州連合)域内の再生可能エネルギー・プロジェクトの認可手続きを迅速化する規則案を公表した。

再生可能エネルギーの展開を加速し、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー危機に対処する狙いで、1年間の時限立法となる。

EUやECのルールは、全てロシア侵攻に転嫁し、憎いプーチンだけであるかのもれないと、疑いたくなるほど単純である。

規則案では、再生可能エネルギー由来の発電施設は「最優先公益」とみなされ、簡易審査の対象となる。


また、承認手続きのボトルネック解消に向け、EU鳥類・生息地指令の一部条項の適用範囲が明確化されている。

対象となるのは、環境負荷の小さい特定の再生可能エネルギー・プロジェクト。

例えば、建物などの人口構造物の上に設置される太陽光発電設備や、これに付帯する蓄電および送電網接続機器については、承認審査を1カ月以内に終了することが義務付けられるほか、一部の環境審査が免除される。

環境が置き去りにされた再生エネルギー事業認可というのも不思議な結果になっている。

また、老朽化した風力タービンの取り換えや大型化といった再生可能エネルギー発電施設の改修・拡大プロジェクトについては、承認手続きが簡素化され、変更・拡大部分についてのみ環境審査が求められる。審査期間は最長6カ月とされる。

小規模な熱ポンプの送電網との接続工事については、承認手続きが簡素化され、審査期間は最長3カ月に制限される。

欧州委員会のフラン・ティメルマンス上級副委員長(EC Commissioner, EXECUTIVE VICE-PRESIDENT Frans Timmermans)欧州グリーンディール政策総括、気候変動対策担当(Leading the Commission’s work on the European Green Deal and its first European Climate Law)は、「再生可能エネルギーは、低コストかつクリーンで、ロシアの影響も受けない」と指摘した。ただし、効率は悪い。今回の規則案により、「グリーンエネルギーへの転換を迅速化し、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー危機に対処する。」としている。

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