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EU、ロシア産石油を段階的禁輸する追加制裁発動。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年06月06日に、EU(European Union/欧州連合)は2022年06月03日に、ロシアのウクライナ侵攻を受けた第6弾の経済制裁を正式に採択し、発動したと報告した。

ロシア産石油の輸入を段階的に打ち切る内容で、原油については6カ月以内に、石油精製品については8カ月以内に、それぞれ輸入を禁止する。ただ、いずれも一部加盟国については当面、適用を免除している。

パイプライン経由での原油輸入については、「地理的状況によりロシアからの供給への依存度が高く、これに替わる有効な選択肢がない加盟国」を当面、適用外としている。

https://time-az.com/main/detail/77018

これは、ロシア産原油をヨーロッパへ輸送する「ドルジバ・パイプライン(нефтепровод «Дружба»,/Druzhba pipeline/友好パイプライン)」への依存度が高い内陸国のハンガリーとスロバキア、チェコが対象となる。

また、ブルガリアとクロアチアについては、それぞれ船での原油とVGO(Vacuum Gas Oil/減圧軽油)の輸入を当面、認めるとしている。これらの免除措置の期限は決まっていない。

新制裁ではこのほか、ズベルバンク(Сбербанк/Sberbank/ロシア貯蓄銀行/ロシア連邦貯蓄銀行)とモスクワ信用銀行(Московский кредитный банк/Moscow Credit Bank)、ロシア農業銀行(Сельскохозяйственный банк России/Agricultural Bank of Russia)をSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication/国際銀行間通信協会)から排除するほか、ロシアの国有テレビ3社のEU域内での放映を禁止。ロシア企業への会計・広報・コンサルティングサービスの提供も禁止される。

加えて、経済制裁対象となる個人・企業リストを拡大し、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャや東部ドネツク州の港湾都市マリウポリ(Mariupol)でのロシア軍による残虐行為の責任者をこれに含めている。

欧州委員会は5月上旬、第6弾制裁の一環としてロシア産原油の輸入を6カ月以内に、石油精製品の輸入は年内に、それぞれ禁止することを提案。しかし、ハンガリーなどが抵抗したため、2022年05月末のEU臨時首脳会議(サミット)では、これらの国に配慮した妥協案が承認された。その後、EU理事会の下部組織である常駐代表委員会(COREPER)が新制裁の詳細をまとめ、2022年06月02日に加盟各国が最終承認。2022年06月03日に官報掲載を経て発動された。

Timeline

03/06/2022---Sixth package of sanctions in response to Russia's invasion of Ukraine
30/05/2022---European Council agrees on sixth sanctions package
21/04/2022---EU sanctions two additional businesspeople in relation to the illegal annexation of Crimea
13/04/2022---EU introduces exceptions to restrictive measures to facilitate humanitarian activities
08/04/2022---Fifth package of sanctions in response to Russia's invasion of Ukraine

ただし、多くの情報が錯綜し、情報戦争下で、どちらが戦争で有利なのかが分からなくなってる。

2022-05-31---EU首脳会議、ロシア産石油禁輸、年内に9割削減で合意。
2022-05-31---ロシアの石油はどこに流れているのか?
2022-05-04---EC、ロシア産石油の段階的禁輸を提案。ロシア国営銀行ズベルバンクも制裁。
2022-04-27---ロシア、ルーブル建て支払い拒否で、東欧2カ国にガス供給停止。

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