米国の高額な医療費を売り上げ上位20の医薬品から見る。

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Forbes JAPANは2021年10月12日に、支援団体パブリック・シティズン(Public Citizen)の報告書で、米国では、最もよく処方される20の医薬品の売り上げが、世界の残りの地域を合わせた売り上げよりも多いことが明らかになったと報告した。

まるで米国の長者番付のようである。

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これは、米国の政治家がコストを抑えることができずに医療費が急増していることが明白になった。

https://time-az.com/main/detail/75376

そういえば、コロナの錠剤でも米国の新聞「ニューヨークポスト(New York Post)」2021年10月12日に、米国の製薬大手のメルク(Merck/米国とカナダ以外ではMSDと呼ばれている)が、初のコロナの抗ウイルス剤としての飲み薬「モルヌピラビル(molnupiravir)」がFDA(Food and Drug Administration/米国食品医薬品局)にEUA(Emergency Use Authorization/緊急使用許可) of its COVID-19 pillを申請したが、この薬の5日間の投与で、連邦政府が負担する費用は患者一人当たり約US$700とされており、この価格は薬の製造コストの約40倍であり、必要とする患者全員に行き渡らない可能性があると、公正な価格設定を求める人々は指摘している。

しかし、すぐに新しい錠剤が次々に登場することから、それまでのことである。

パブリック・シティズンが企業の提出文書を分析したところによると、2020年に世界で売り上げが多かった20の医薬品のうち17種類において、医薬品企業が米国から得た売り上げは米国以外の地域から得た売り上げを全て合わせたものよりも高かった。

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この20の医薬品のうち11種類は、米国での売り上げが世界の他地域を全て合わせた売り上げの倍だった。中には、倍以上の差があるものもあった。

米医薬品大手ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)は、抗HIV治療薬のビクタルビ(Biktarvy)から約US$61億(約6900億円)の売り上げを得ていた。これは、世界の他地域からの売り上げである約US$12億(約1400億円)の約5倍だった。

また、米製薬大手アッヴィ(AbbVie)の自己免疫疾患治療薬ヒュミラ(Humira)の売り上げは、米国以外では合わせて約US$40億(約4500億円)だったものの、米国では約US$160億(約1兆8000億円)と4倍だった。

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米国での売り上げがその他の地域の売り上げの3倍以上になったものもある。

米製薬大手イーライ・リリー(Eli Lilly)の糖尿病治療薬トルリシティ(Trulicity)の売り上げは米国以外の合計が約US$12億だったのに対し、米国での売り上げは約US$38億。アムジェンとファイザーの自己免疫疾患治療薬エンブレル(Enbrel)は、米国以外の売り上げが合計で約US$15億だったのに対し、米国での売り上げは約US$49億。
また、ロシュ(Roche)の多発性硬化症(MS)抗体薬オクレバス(Ocrevus)の売り上げは、米国以外の売り上げ合計が約US$10億だったのに対し、米国での売り上げは約US$38億だった。

売れ行きが良い医薬品の上位20種類から得られる売り上げ収益は約US$1580億(約18兆円)だ。このうち米国での売り上げは、3分の2近くに当たる約US$1010億(約11兆4000億円)を占めている。

ただし米国では、世界の他地域と比べてより多くの医薬品が購入・使用されているわけではなく、単に支払い金額が高いだけだ。
調査からは、米国の医薬品の消費量は他の富裕国と同程度であることが示されている。

これは、米国の医療費全般にも通じるという。米国の医療費は他の同様の国と比べてはるかに高いものの、その割に達成できることは少ない。

高額な医療費の主な要因は、米政府が医療費を下げるような交渉ができない、あるいはそうした交渉を拒否していることにある。処方箋の価格を下げる必要性については党を超えて合意が形成されているものの、達成のための取り組みは失敗に終わっている。

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これは、米国で作られている薬は、米国以外にあまり輸出されていないということだろうか?そういえば、新宿の病院に薬を買いに来る東南アジア人にあったことがある。その人は、日本の薬が海外で買えないと言っていた。

米国のトップ25の薬の名前を全く知らない。またほとんどがゲネリックであった。多分インド製だろう。

以前、伝染病は、発病したところの治療法が一番良いと友人の医者に聞いたことがあったので、タイで梅毒になった日本人がネパールに来たので、タイで治療すべきだと言って送り返したことがあった。
このような背景があるのかもしれない。

医療は、かなりクセのある職業である。

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