新型コロナ患者の自宅療養中の異変を検出するジェットエンジン監視AI。

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朝日新聞デジタルは2021年05月16日に、自宅療養1万人超の大阪から警告が配信された。

新型コロナウイルスによる死者が大阪府で急増しているという。

病院には重症患者が次々と運び込まれ、大阪府。病床の逼迫(ひっぱく)で、必要な治療をすぐに受けられない人もいる。

療養中の感染者に対する入院者の割合「入院率」がわずか10%にとどまる現場で、入院先が見つからず長時間待機する患者もいたという。

救急車を呼んで、到着したものの、搬送先がみつからない。3~4時間、救急車内で酸素吸入を受けながら待っては自宅に戻り、状態が悪化してまた救急要請ということを何度か繰り返した。
血液中の酸素濃度はひどいと75%にまで下がった。

救急隊員に「病床の逼迫(ひっぱく)ですね」と投げかけると「逼迫じゃありません、崩壊です」と返ってきたという。

これは大阪に限ったことではないようだ。

MITテクノロジーレビュー(MIT Technology Review)は2021年06月14日に、患者の容体が急変する兆候をAIで検出して臨床医にアラートを出すことで、手遅れになるのを防ぐことができるボディセンサーを使用したウェアラブルAIを用いて、自宅療養中の新型コロナウイルス感染症患者を遠隔監視する試みが米国で増加していると報告した。

以前確か、米軍が軍人の下着にセンサーを埋め込み。銃弾を受け、負傷した兵士の生死を確認できるボディセンサーを使用したウェアラブル軍服を開発しているというニュースを読んだことがある。

ただし、その軍服は、戦士をした兵士を救出しようとして、さらに被害が増えることを抑制する目的で、今回とは逆である。

https://time-az.com/main/detail/74594

2020年07月に死にかけた2021年06月に60歳になるアンジェラ・ミッチェル(Angela Mitchell)は、シカゴのイリノイ大学病院で薬剤師として働いており、職場で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性判定が出た。その当時、ミッチェルにはくしゃみや咳、めまいの症状があった。

病院側はミッチェルに選択肢を与えた。ホテルで隔離生活をするか、自宅で隔離状態となり療養するか、である。後者の場合、胸部に装着したセンサーパッチを通じてバイタルサインが24時間監視されるという。ミッチェルはパッチを使う選択肢を選び、帰宅した。

帰ってから2日目の夜、ミッチェルは息ができなくなり、パニック状態で目を覚ました。
そのとき、シカゴ郊外にある自宅の寝室にいた彼女は、シャワーを浴びれば具合が良くなるかもしれないと考えた。

「ベッドから浴室に辿り着くまでに汗びっしょりになっていました。」「座り込んで呼吸を整えなければなりませんでした。めまいがして、話すこともほとんどできませんでした。」とミッチェルは話す。

電話がかかってきたのは、そのときだった。イリノイ大学病院の臨床医たちは、ミッチェルが着けていたようなセンサーを使用して、新型コロナウイルス感染症のため自宅療養している数百人もの患者や従業員を遠隔監視していた。
医師らは、ミッチェルの状態が悪化するのを見て、電話をかけた。「電話が鳴ったとき、私は浴室で座り込み、洗面台に文字通りしがみついていました」とミッチェルは語る。

電話口の医師は、すぐに病院へ行くべきだと伝えた。

ミッチェルはその時点で決心できなかった。下の階で寝ている家族を起こしたくはないし、救急車を呼ぶのも大袈裟に思えた。翌朝、医師から2度目の電話がかかってきて、「今すぐ病院に向かってください。そうでなければ、救急車を向かわせます」と伝えられた。

ミッチェルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に数カ月前に感染した夫に頼んで、シカゴのノースウェスタン記念病院へ車で連れて行ってもらった。そこですぐに入院の手配を整えられ、血中の酸素レベルが危険な水準まで低下していると告げられた。

自宅にいる間に、ごく軽微な症状から深刻な呼吸器系の問題へと症状が急激に悪化したため、ミッチェルは自分が危機に瀕していることにさえ気付かなかったと語る。しかし、2回目の電話がかかってきたころには、「自分が危機に陥っていて、助けが必要な状態であることを認識していました」。ミッチェルはその後、約1週間入院した。

ミッチェルを救った試験的プログラムは、NIH(National Institutes of Health/米国立衛生研究所)が資金を提供し、イリノイ大学病院・健康科学システムとデジタル医療のスタートアップ企業であるフィズIQ(PhysIQ)が実施している研究の一部だった。新型コロナウイルス感染症の患者を病院外でケアするための新しい手法を試す重要な試験である。新型コロナウイルス感染症では、患者の症状がすぐさま生死に関わる状態まで悪化することがあるため、病気の回復状況の監視は、今でも課題となっている。一部の病院や医療システムでは、24時間体制でバイタルサインを遠隔監視するため、ウェアラブルなどのモバイル・ヘルステクノロジーの使用を大幅に拡大している。

イリノイ州のこのプログラムでは、新型コロナウイルス感染症の療養患者に持ち帰り用キットを提供しており、その中にはパルスオキシメーターや、使い捨ての Bluetooth対応センサーパッチ、ペアリングされたスマホなどが含まれている。このキットに使用されているソフトウェアは、ウェアラブルパッチからデータを取得し、機械学習を使用して各患者のバイタルサインのプロファイルを作成する。そして、心拍数など患者のバイタルが標準的な範囲を逸脱すると、監視システムが臨床医にリモートで警告を発する。

一般的に、新型コロナウイルス感染症の療養患者は、パルスオキシメーターを持って帰宅できることがある。今回のシステムは人工知能(AI)を使用して各患者の身体状況を理解するため、より繊細に監視でき、重要な変化を予測できる可能性もはるかに向上するとフィズIQの開発者らは話すと報告している。

大阪なら、阪大の研究者に相談すれば、応急用のものなら、短期間で開発できるかもしれない。

このようなシステムを知っていれば、多くの人を殺さなくて済んだはずである。

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