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急激なインフレの中でのエネルギーショックは、賃金上昇を加速させる可能性がある。

IMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)が定期的に公開している「IMF Blog」は2022年09月14日に、IMF エコノミスト馬場千佳子(Chikako Baba)とイ・ジェウ(Jaewoo Lee)は、世界中の何十億という消費者が、原油価格の上昇を生活費と賃金に転嫁している。原油価格が上昇すると、ガソリン代も航空運賃も高くなり、エネルギーコストの上昇は、店頭に並ぶすべての製品の価格を押し上げる。労働者は購買力の低下を補うために賃金の上昇を求める。

これは経済学者が「第二ラウンド効果」と呼ぶもので、これがさらに物価を上昇させることになる。

https://time-az.com/main/detail/77714

このフィードバックが大きく持続すると、賃金と物価のスパイラルが発生し、賃金上昇率とインフレ率が長期にわたって上昇する可能性がある。

今週のグラフが示すように、現在のようにインフレ率がすでに高い場合、原油価格ショックに対する賃金の上昇幅はより大きくなる傾向がある。

これは、ヨーロッパ39カ国を対象とした調査に基づくもので、高インフレが生活水準を目に見えて低下させているときほど、人々は物価上昇に反応しやすいことを反映しているのかもしれない。

第二ラウンドの効果が大きければ大きいほど、賃金と物価の間のフィードバック・ループを通じて、賃金と物価のスパイラルが持続するリスクが高くなる。原油価格ショックが大きく持続すれば、インフレ率や期待インフレ率の持続的な上昇を促す可能性があり、金融政策によってこれに対抗する必要がある。

図表が示すように、このようなダイナミズムのリスクは、全体のインフレ率がすでに高いときに大きくなる傾向がある。例えば、原油価格が10%上昇した1年後に、基礎インフレ率が4%以上であれば賃金は0.4%上昇するが、そうでなければ0.2%以下の上昇にとどまる。

インフレ率が高ければ高いほど、人々はあらゆる物価上昇に敏感になり、石油価格の上昇に対してより高い補償を求める傾向がある。しかし、高インフレ期と低インフレ期の差は2年目には縮小する。この結果は、現在の状況について、懸念と安心の2つのメッセージを与えている。

懸念されるのは、現在の高いインフレ率が、エネルギー価格による大きな第2ラウンド効果やインフレ率の持続的な期待インフレ率の上昇を含む上昇を引き起こすリスクを高める可能性がある。そのようなリスクを回避するためには、中央銀行がしっかりと対応する必要がある。

心強いのは、高インフレの環境下でも、賃金は右肩上がりではなく、1年後には安定したことを示している点である。つまり、賃金水準はあったが、賃金インフレ率の上昇はなかったということです。

中央銀行が十分な警戒を怠らない限り、現在の高インフレでも生活費の補償が通常より高くなる可能性はあるが、持続的なインフレの上昇に変容する必要はないと予測している。

そういえば、インフレで苦しんでいるイギリスやドイツの賃上げ要求が過激になってきている。
また、毎日新聞が2022年9月15日に、日本のテレビでもよく伝えられるマクドナルドのビッグマックの値段を確認しようと、マンハッタンのお店に行った体験記が報告され、ドリンクとポテト付きのセットは、MサイズでUS$14.1(税込み)。2022年9月13日時点の為替レートはUS$1=144円なので、換算すると2030円になった。
日本では690円だから単純計算で3倍ということに。米国のマクドナルドは、日本の物価感覚ではもはや「ぜいたく品」なのかもしれませんと報告している。

円安の日本とインフレの米国の比較は、秋篠宮と紀子さまも、真子さんのことを思い出して寝られなくなるかもしれない。

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