ニューヨーク公共図書館 延滞料を廃止。

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米国の「mashup NY」は2021年10月05日に、NYPL(New York Public Library/ニューヨーク公共図書館)が延滞料(Arrears)を廃止したと報告した。

これまで、US$15以上の延滞金が発生した場合、図書カードの利用が停止されていた。
停止となったアカウント数は40万件以上で、このうちの半数以上は、「ニーズが高い」地域の住民だという。

また30%が、子供や10代の若者だった。

https://time-az.com/main/detail/75343

今回の規定改定により、過去の延滞料金も免除される。
2019年度に回収した延滞料の総額は約US$320(約3.5億円)だったという。

この廃止について、NYPLはステートメントで、延滞料の障壁を取り除くことで「知識や機会を無料化し、皆にアクセスしやすくするという図書館の使命を果たすことができる。」と発表している。

アンソニー・W・マークス(Anthony W. Marx)館長は、延滞料のシステムは「時代遅れかつ、効果のないやり方」だと説明した。

低所得の住民にとって、利用の妨げになると述べ、改定は「公平な社会に向けた第一歩」と語った。延滞料が責任や倫理を教えるものだという指摘には、同意できないと主張している。

なお紛失した場合は、従来通り弁償しなければならない。1カ月間延滞した場合は、紛失とみなされるが、返却した場合、弁償は不要だという。アカウントが停止された場合も、コンピューターや電子書籍、デジタルサービスは引き続き利用できる。

Urban Library Council によると、全米(サンフランシスコやシカゴ、フィラデルフィア、シアトルなど)で270館以上の図書館が、延滞料を完全または部分的に免除している。
サンフランシスコ公共図書館では、延滞料金の撤廃後に返還された書籍は、前年と比較して53%増加したという。

今や図書館を利用する人は減る傾向にある。
それを助長して、図書館が生き残る可能性はあるか?
単に図書館減らすことになるだけだということが明らかになってきた。

実は、NYPLは2020年03月13日に、新型コロナウイルス拡大懸念で、マンハッタンとブロンクス、スタテンアイランドにある92カ所の施設を、一時的に閉鎖すると発表した。

その時に、延滞料が廃止された。

その時にアンソニー・W・マークス館長はステートメントで、「難しい決断だったが、いま果たすべき責任と、利用者にとって最善の方法は、新型コロナウイルスの感染拡大を最小限に抑えることだ」と述べた。
利用者の中には高齢者など、感染時に重症化しやすいリスクの高い人が含まれるとし、ウイルスの封じ込めを最優先にすると発表している。

閉鎖中は、本の延滞料金は免除し、図書カード保持者に対し、電子書籍やデータベースの利用を促したほか、再開前には館内を消毒すると発表した。

今回の新型コロナウイルスは、図書館の改革を優先させた。

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