見出し画像

名古屋市の日本ガイシ、ドイツの水素事業で大容量蓄電池「NAS電池」受注。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年04月24日に、名古屋市の日本ガイシは、ドイツ化学大手BASFのエネルギー貯蔵子会社を通じて、ドイツの水素開発会社HH2Eが手がける大型グリーン水素製造プロジェクトの前半ロット向けに、電力貯蔵用の負極にナトリウム、正極に硫黄、電解質にベータアルミナを用いた大容量蓄電池「NAS(ナトリウム硫黄)電池(sodium-sulfur battery)」を受注したと発表した。

日本ガイシは、本プロジェクトの後半ロットについても現在、契約に向け交渉を進めている
と報告している。

NAS電池は、日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システムで、商用のグリーン水素製造プロジェクトへの採用は今回が初めてである。

この取引は、ドイツ化学大手BASFのエネルギー貯蔵子会社BASF Stationary Energy Storage GmbHを通じて行われた。

受注したNAS電池は、最大出力18MW(メガワット)、容量104.4MW時で、コンテナ型電池72台で構成される。
ドイツ北東部に設置され、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー由来の電力を充放電する蓄電設備として利用される。

NAS電池により、水素製造設備に安定的に再生エネ由来の電力を供給することが可能となり、効率的なグリーン水素製造に活用されるという。

世界中で、2050年カーボンニュートラル達成に向け、事業活動におけるCO2排出量削減の取り組みが加速している。再エネ先進国のドイツは、国内水素製造能力を2030年までに10,000メガワット(10ギガワット)まで引き上げる目標を掲げており、グリーン水素製造用途での大容量蓄電池のさらなる採用拡大が期待される。

日本ガイシとBSESは、2019年にNAS電池の販売提携契約を締結し、BASFの有する世界的な販売網を通じて、NAS電池の販売を拡大してきた。NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在まで全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績がある。
日本ガイシでは今後もBSESと連携し、NAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していくことを計画している。

受注したNAS電池の概要

エネルギー貯蔵子会社BASF Stationary Energy Storage GmbHから受注したNAS電池

出力   直流 18メガワット (最大出力)
容量   直流 104.4メガワット時 (納入時)
設置台数 コンテナ型72台
用途   グリーン水素製造設備への再エネ安定供給、余剰電力の売電

また、韓国電力公社の実証プロジェクト向けNAS電池が運転を開始した。

https://www.ngk.co.jp/product/nas-about.html
https://www.ngk.co.jp/news/20240423_1.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?