イギリス政府、外国人材依存を問題視。技術系高技能ビザの調査要請。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年08月09日に、イギリス政府は2024年08月08日、技術分野で高技能の外国人労働者を削減することを検討している。技術系企業が外国の人材に依存している現状を問題視し、2024年08月06日に政府諮問機関であるMAC(Migration Advisory Committee/移民諮問委員会)に調査を要請した。

調査の対象となるのは、外国人労働者への依存度で上位10位に入る、情報技術(IT)・電気通信およびエンジニアリング業界。

Home Secretary(内務大臣): Yvette Cooper(イヴェット・クーパー)は、これらの業界において、人手不足が深刻な職種や、不足の原因に加え、現行の高技能就労ビザ(査証)制度の影響や改善点を探るよう求めている。MACは9カ月以内に報告書を提出する。

クーパー内務大臣は「外国人の採用が多い現状は、長期にわたる技能不足といった国内労働市場の弱点を反映している」と指摘した。「現行制度は国益に反する」と批判し、「移民政策と技能政策を連携させ、より公正で一貫性のある労働市場対策を打ち出す」と強調した。

イギリスの経済新聞「FT(Financial Times/フィナンシャル・タイムズ)」によると、テクノロジー産業は高技能就労ビザの発給件数の約6分の1を占める。エンジニアリング業界の発給件数は比較的少ないが、企業は国内での人材確保に苦慮している。

クーパー内相は今後、他の業界についてもMACに同様の調査を依頼する方針を示している。