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イギリス、エネルギー安全保障の確保優先。ネットゼロ目標見直し!

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年09月27日に、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー危機を背景に、エネルギー安全保障の確保と企業や家計への打撃緩和が必要となっているため、イギリス政府は2022年09月26日に、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標の見直しに着手したと発表した。

イギリスは2019年にテリーザ・メイ(Theresa May)首相政権下で、世界の主要先進国に先駆けてこの目標を法制化していた。

https://time-az.com/main/detail/77790

政府は今回の見直しで、経済成長と企業を支援し、経済効率の高い目標達成方法を模索するとしている。

加えて、新たな気候政策・技術の費用対効果を検証するほか、ネットゼロ目標への取り組みを技術革新や投資、輸出、雇用の拡大につなげる方法を探る方針だという。

見直し作業は、リズ・トラス首相(Liz Truss PM)が指名したクリス・スキッドモア元エネルギー担当相(former Energy and Climate Change Minister Chris Skidmore)が率いる独立チームが行い、年末までに政府に報告書を提出する。

ジェイコブ・ウィリアム・リースモグ(Jacob Rees-Mogg)民間企業・エネルギー・産業戦略相(Secretary of State for Business, Energy and Industrial Strategy)は、「政府は排出量実質ゼロ化目標の達成に引き続き取り組んでいるが、ロシアがヨーロッパでエネルギーを武器として利用する中、エネルギー安全保障を向上させ、企業や消費者に不当な負担を強いない形でこれを実現する必要がある。」としている。

ロイター通信によると、同相は過去に気候変動対策の必要性を疑問視する発言をしたことで知られる。

政府は先に、イングランドでフラッキング(水圧破砕法)によるシェール(頁岩)ガスの採掘を解禁する方針を打ち出したほか、油ガス田開発の新規免許交付も検討しているとされる。

2022-09-08---イギリス、フラッキング採掘解禁。
2022-04-05---イギリス、エネルギー自立向け、フラッキング規制見直しへ調査依頼。
2022-03-07---イギリス、自国資源利用でロシアへの依存低減する新エネルギー戦略発表。
2014-10-10---自然が素晴らしいとは、限らない。自然は、自然を汚染している。

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