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NASAの「EMIT」で、微小な塵をマッピングし、気候への大きな影響を調査。

NASAのカリフォルニア州パサディナにあるJPL研究所(Jet Propulsion Laboratory in Pasadena, Calif.)が公開している「NASA's Jet Propulsion Laboratory Day in Review」は2022年05月02日に、研究者が気候の影響をモデル化するのを助けるために、「地表鉱物ダスト源調査ミッション(Earth Surface Mineral Dust Source Investigation mission)」は、空気中のダストになる鉱物の組成を測定する。
大陸や海を越えて風に運ばれてくるダストは、空をかすませ、肺を詰まらせ、フロントガラスに膜を残すだけではない。

サハラの砂塵

鉱物性ダストや砂漠の塵としても知られ、天候に影響を与えたり、雪解けを早めたり、陸上や海洋の植物を肥沃にしたりすることがある。北アフリカからの粒子は地球を何千マイルも移動し、植物プランクトンを咲かせ、アマゾンの熱帯雨林に栄養を与え、アメリカのいくつかの都市を砂のベールで覆い、太陽光を吸収して散乱させると報告した。

https://time-az.com/main/detail/76780

2022年06月に打ち上げ予定のNASAの「EMIT(Earth Surface Mineral Dust Source Investigation/地表鉱物塵源調査)」ミッションは、地球の砂漠にある土、シルト、粘土の微粒子について研究者の理解を深め、最終的にはそれが気候にどのような影響を与えるかについて解明することを目的としています。

鉄分を多く含む黒っぽいダストは太陽の熱を吸収して周囲の空気を暖めるが、粘土を多く含む明るい色のダストはその逆の働きをする。EMITの主任研究員で、南カリフォルニアにあるNASAのジェット推進研究所の長年の研究者であるロバート・O・グリーン(Robert O. Green)は、「塵の種類によって、酸性、塩基性、明るい色、暗い色といった異なる特性があり、それによって塵が地球の大気や大地、水、生物とどのように相互作用するかが決まってくる。」と述べている。EMITのデータにより、「世界中の塵の発生源の地域をマッピングし、塵がどのように地球を暖め、冷やすのか、また、将来の気候シナリオの下でどのように変化するかを理解する軌道に乗るだろう。」と彼は付け加えた。

乾燥地域

NASAやその他の研究者たちは、粒子の大きさによって数時間から数週間にも及ぶ塵の飛翔に長い間注目してきた。その大気の影響は気候モデルに含まれているが、塵が地球を暖めるのか冷やすのか、またそれが時間とともにどのように変化しているのかは、まだ不明。

EMITの副主任研究員でニューヨーク州イサカにあるコーネル大学の地球システム科学者であるナタリー・マホワルド(Natalie Mahowald, EMIT’s deputy principal investigator and an Earth system scientist at Cornell University in Ithaca, New York)は、この不確実性は塵の組成に関するデータが不足していることに起因すると述べた。研究者が持っている知識は、5,000か所以下のサンプリング地点から得られたもので、そのほとんどが農業地域で、詳細な土壌情報が農業や商業の目的に役立つものである。砂漠では作物がほとんど育たないため、世界の粉塵発生地域は十分に調査されていない傾向にある。そのため、科学者は、土地、水、大気のデータを組み合わせて気候変動をモデル化するコンピュータシミュレーションで、粉塵の組成を想定しなければない。

「しかし、砂漠地帯に行ったことがある人なら、砂が一色ではないことをご存知でしょう」「だから、地球上で一様であるという仮定は、現実に起こっていることを反映していない。」とマホワルド教授は言う。

EMITはこのシナリオを改善するはずである。国際宇宙ステーションに設置されたこの最新鋭の画像分光計は、乾燥し、植生の少ない地域を周回しながら、世界の鉱物性ダストの発生源をマッピングし、粒子の色や組成に関する情報を収集する。

EMITは、酸化鉄を含む10種類の重要なダストに焦点を当て、その暗赤色は大気を強く暖める可能性がある。各地域の地表にどのような種類の塵があるのかを知ることで、大気中を浮遊・移動する粒子の構成に関する新しい情報が得られる。このような知見をもとに、気候科学者は鉱物性ダストの地域的・地球的な気候への影響について理解を深めることができる。

しかし、その現象がパターン化されているのかどうかを知る必要もある。

この情報は、かなり前から、アフリカの埃が、アマゾンの熱帯雨林植生を豊かにしているとして、研究されてきた。

2011-03-29---NASAは衛星で、アマゾンの森林地帯で大規模な干ばつの影響を検出。

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