ミレニアル世代が水と奇妙な関係にある理由。

世界のレポートを紹介する「VICE」は2021年07月30日に、本格的な熱い「夏」！MM キャリガン(MM Carrigan)が、若い頃のカプリサン(Capri Sun)やクールエイド(Kool-Aid)から現在のウォーターボトルに至るまで、私たちの水分補給に関する奇妙な旅を紹介している。

ミレニアル世代の皆さん、ホットなワクチンの夏です。

みんなと同じように、MM キャリガンも常に死の恐怖に直面しながら、明るくいようとしている。

去年の夏はなかったことにしようとしている。「ミレニアル世代はハードセルツァーの売上を伸ばし続けており、天井知らずである」というような調査結果をデータ研究者に発表させた夏です。

ほとんどの場合、MM キャリガンは1日8杯の水を飲もうとしているだけ、誰もが水を美と健康の万能薬として宣伝している。

アメリカ人は2020年に150億ガロンのボトル入りの水を買った。
細胞のためのアルカリイオン水、消化のためのミネラルウォーター、荒んだ魂のための約50000種類のフレーバーウォーターなど、まるでパワーアップした薬のようにH20のボトルを購入している。

32オンスの冷たい水を持たずに子供たちをどこかに連れて行くのは、ひどい親だと思う。

子供たちが顔を真っ赤にして息を切らしながら、水漏れしないBPAフリーの個人用保存容器から自由に水を飲み、よろめきながら運動場を後にするのを見て、MM キャリガンは驚いた。

水分補給がこれほど重要だとは思ってもいなかった。

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以前のMM キャリガンは、カプリサン1杯と、運動場や学校の廊下にある水飲み場の水を急いで一口飲むだけで、1日を生き延びていた......温かくて、金属のようで、なんとか機能していた。

水を飲むことが、まるで私がしなければならない義務であるかのように、いまだにMM キャリガンを恐怖に陥れるのも不思議ではない。洗面台の前に8回足を運び、グラスに水をいっぱいに注ぎ、電解質のレベルを一生気にしなければならないのだろうか。水の入った真空断熱ボトルをずっとそばに置いて、細胞が消化吸収のV8エンジンのように動くようになるまで、熱心に一口ずつ飲むのだろうか？

ミレニアル世代と水の関係は奇妙。

人生の前半では水を飲まなかったのに、突然、水しか飲まなくなった。
2021年06月にアメリカの一部の地域でヒートドームが形成され始めたとき、MM キャリガンがTwitterで「親は私たちに水を与えなかった」と冗談を言ったことで、これがミレニアル世代の先輩やX世代の後輩たちに共通する経験であることがわかった。

ミレニアル世代は、砂糖入り飲料の絶対的な黄金時代(Golden Era)に生きていた。
水道水ではつまらないし、冷蔵庫は砂糖水と可能性の魔法の入り口だった。私たちは、ブルーラズベリー(Blue Raspberry)とレッドダイ40(Red Dye 40)を虹の中で飲んでいた。スナップル・レディ(Snapple Lady_は有名人だった。Kool-Aid Manはマーベルコミック(Marvel comic)で活躍していた。7-UPのロゴの赤い点も、US$49.99のビデオゲームを発売していた。

41歳のケンドラは、自分の子ども時代の水との付き合い方(relationship with water)を「Water-adjacent」と表現している。

彼女の祖母は、子供たちが一日中出入りしてエアコンを無駄にするのを嫌がった。
37歳のコーディは、マウンテンベリーパンチやクールエイド、アイスティーの粉末、そしてもちろんクリスタルライトなどを使って、自分の水の摂取量を「very much flavored」と表現した。

ジュースもあった。
とてもたくさんのジュース。
濃厚なジュース、コーンシロップのジュース、ジューシージュース。
BoKuという大人用のジュースボックスもあった。
100％ジュースと断言するジュースもあれば、断言しないジュースもあった。
「Hi-C」「ハワイアンパンチ」「サニーD」など、私たちが「ジュース」と呼んでいた液体。それはおそらく、誰も実際の液体の名を呼びたくなかった。

私たちは、24オンスのアリゾナのアイスティー(AriZona iced teas)を、ナッティダディ(Natty Daddys)を飲む男子学生のように一気飲みした。コーラ、ペプシ、スプライトは聖なる三位一体だった。
ジェネリックストアブランド(Generic store-brand )とシャスタ(Shasta)は、私たちの劣等神だった。

私たちは子供でした。赤ん坊だった。カフェインがたっぷり含まれていた。
ダイエットコークの重荷と生涯にわたる中毒を次の世代に引き継ぐことは、1990年代のアメリカの母性の特徴だった。

そして、牛乳もあった。2003年に公開された映画「Anchorman」の中でウィル・フェレル(Will Ferrell)が「牛乳は良くない選択だ(milk a bad choice)」と宣言したことは、サービスを受けすぎた世代への警鐘となった。
1970年以降、乳製品の消費量は徐々に減少していったが、1980年には1人当たりの液体ミルクの消費量が273ポンドと非常に多くなっていた。これは、政府が補助する学校用ミルクプログラムの予算が過去最高のUS$1億4500万に膨れ上がったのと同じ年でった。

「National Dairy Council」の最も福音的な信者にとっては、夕食にも牛乳がついてきた。

MM キャリガンたちの親は何をしていたのか？

団塊の世代の父は、MM キャリガンが「何があったのか」と直撃すると、「念のために言っておくが、お前に水を与えなかった覚えはない。」と言いました。

上の世代からの反発も聞こえてきた。

喉が渇いたら水を飲めとは言われなかった。

世代によって水との付き合い方はさまざまで、政治や公害、ポップカルチャーなどに左右され、喉の渇き具合も変わってきた。

私たちの両親は、砂糖を怖がっていなかった。

アメリカの標準的な食事に含まれる砂糖の量が増えていることに警鐘を鳴らそうとしていた栄養学者たちは、その成果をすぐに葬り去ってしまった。

ミレニアル世代が誕生した1980年に米国が初めて食事のガイドラインを発表した際、生理学者のアンセル・キーズ(physiologist Ancel Keys)が心血管疾患の主な原因と考えていた脂肪とコレステロールを敵視していた。
砂糖は歯に悪いとしか言わなかった。

政府が初めて砂糖を「控えめに」摂取するよう勧告したのは、悪名高いフードピラミッドが導入された1995年のことであった。

また、80年代はメディアの飽和状態と広告が急増した時代であり、第二次世界大戦後から続いていた加工食品やパッケージ食品への流れをさらに加速させた。

これに水飲み場の減少が加わり、「水を飲まなくなる」という奇妙なバブルが発生した。

かつて、水飲み場は日常的に目につき、公民権運動(Civil Rights Movement)のシンボルにもなっていた。

しかし、1980年代に入ると、EPA(Environmental Protection Agency/環境保護庁)が公共の水飲み場の水に高濃度の鉛が含まれていることを発見した。これでは、私たちの親も水のことで頭を悩ませなければならなくなった。

議会は1986年に安全飲料水法を改正し、汚染物質や鉛パイプの使用を禁止したが、今では公衆電話のように珍しくなった公共の水飲み場だけでなく、水道水の評判にもダメージを与えてしまった。2021年の調査によると、アメリカは世界で最も安全な公共水域のひとつであるにもかかわらず、約6,000万人のアメリカ人が水道水に不信感を抱いている。予算不足を理由に、無能な役人が市の水源を細菌や鉛に汚染されたフリント川に切り替えたフリント・ウォーター・クライシス(Flint water crisis)のような出来事は、MM キャリガンたちの不安を増大させている。

少なくとも、牛乳は安全だった。
牛乳が食生活に欠かせないものだなんて、誰も信じていなかった。
MM キャリガンたちの両親は、第二次世界大戦中に乳製品の生産が盛んになり、余った牛乳やプロパガンダを飲み込まなければならなかった祖父母から、牛乳崇拝の教えを受けていた。哺乳瓶での授乳が可能になったことで、初めて外で働くことができるようになった母親にとっては、ささやかな解放でもあった。

1980年代に牛乳の消費量が減り始めると、アメリカの酪農家は必死になって、ボディビルダーやバストアップした女性が汗とセックスアピールを漂わせながら漫画から直接牛乳を飲むCMを大量に流しました。

また、「Got Milk」キャンペーンでは、シンプソンズ(The Simpsons)やカーミット・ザ・フロッグ(Kermit the Frog_などの子供向けの有名人を起用し、牛乳の口ひげをつけてニヤニヤしながら私たちを説得しました。

ボトル入りの水を販売することは、新しい概念ではなかった。少なくとも1800年代には、人々は健康や病気のために湧き水を求めていた。

しかし、ボトル入りの水を販売するのは、職人気質の水のファンや、終末論者などのニッチな市場と考えられていた。
MM キャリガンの父はパントリーに水の缶詰を置いていて、まるでロバート・リプリー(Robert Ripley)の壮大な奇抜なコレクションのように取りあげていた。「ここにはただの水が入っている」と言って、MM キャリガンたちに見せてくれた。

MM キャリガンが子供の頃には知らなかったが、ボトル入りの水の産業はすでに成長していた。1975年、ペリエ(Perrier社は300万本の水を販売しました。その4年後、ファラ・フォーセット(Farrah Fawcett)が象徴的な髪を洗うのにペリエの水を使っていたことが『People』誌に掲載されると、その数は爆発的に増え、2億本に達した。

1980年代に入ると、エビアン(Evian)、ポーランド・スプリング(Poland Spring)、サン・ヨール(Saint Yorre)などのニッチな企業が大手になり始めた。そして1994年、ペプシがソーダ業界に「水爆(H-bomb on)」を投下した。「水分補給(Hydration)」である。

炭酸飲料メーカーのボトルウォーター市場への参入は、先見の明があった。
1999年、米国のCDC(Centers for Disease Control and Prevention/疾病対策センター)は、肥満の流行に関する驚くべき統計を発表しました。すべての州、すべての地域、すべての人口層で、肥満の有病率が着実に増加していることがわかった。そうか。

砂糖を一気飲みしたのが悪かったのかもしれない。

映画「パーフェクト・ストーム(A Perfect Storm)」を知っていますか？すべての気象前線が組み合わさって、ジョージ・クルーニー(George Clooney )が小さなボートに乗って首まで水に浸かっているような場面。

それに、MM キャリガンはのどが渇いていた。「水を本格的に飲むようになったのは20代になってからです」と34歳のケビンは言う。また、40歳のクリスティーナは「大人になるまで、水を飲んだ記憶がありません」と答えている。

今日、水は世界的に数十億ドル規模の産業となっており、ソーダやミルク、さらにはビールをも凌駕している。平均的なアメリカ人は、1年間に30ガロンのボトルウォーターを消費している。水は、コーヒー、ジュース、お茶、そして私たちがかつて飲んでいた砂糖を差し置いて、Z世代が選ぶ第一の飲料になった。

Z世代は、水を選ぶ理由として、「水分補給と喉の渇き」を挙げている。彼らは、私たちミレニアル世代の年齢よりもはるかに進んでいる。髪の分け方も、絵文字の使い方も、水の飲み方も知っている。

マーケティング担当者は、ミレニアル世代をハゲタカのように狙っていたが、今の彼らの表現を見ると、まるで自分たちの体重分のクールエイドパウダーを飲み込んでいないかのようである。

ミレニアル世代は、子どもたちにソーダやジュースを与えることを拒み、「オーガニック」や「クリーン」なものを好む世代である。また、高価な水筒の消費者としても知られており、1つの水筒に平均US$50を費やしている。

2019年、コカ・コーラの株価が過去10年間で最低の水準に落ち込んだとき、専門家たちは、ソーダはミレニアル世代が「ケールジュース」を好むために殺しているもうひとつの産業だと皮肉った。

プフフ、MM キャリガンたちがケールジュースを飲むようにね。

彼らはMM キャリガンたちを知りません。
決してそうではありませんでした。
多分、MM キャリガンたちはずっと喉が渇いていた。

クールエイド・マンがピッチャーなのか液体なのかという哲学的な疑問について生涯をかけて考えた結果、MM キャリガンたちは準備ができた。台所の流し台の前に立つ時が来た。

1日8回。これからの人生、毎日だ。グラスをいっぱいにしてください。ミレニアル世代は喜びます。MM キャリガンたちはようやく満たされた。

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