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EUの中国EV輸入で、2024年07月04日より暫定的な相殺関税導入。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年06月14日に、EU(European Union/欧州連合)のEC(European Commission/欧州委員会)が2024年06月12日に、中国製EV(Electric Vehicle/電気自動車)最大38.1%の追加関税を課す方針を示したが、ECは「2024年07月04日より暫定的な相殺関税が導入される」と発表している。

ECの規定では、暫定的な関税を課してから4カ月以内に確定的措置を取ることになっている。
2024年11月4日までに中欧間の妥結がなければ、その後、継続的に追加関税を課すことになる。

ECは、「中国EV産業は中国政府から不当な補助金を受けており、それがEUのEVメーカーに経済的な脅威をもたらしている」と説明した。ECは2023年10月から、中国製EVがEU圏のEV産業に与えている影響を調査していた。

追加関税率については、
比亜迪(BYD)の製品に17.4%
浙江吉利控股集団の製品:20.0%
上海汽車集団の製品:38.1%と設定した。他社の税率は発表しなかったが、ECの調査に協力した企業の製品に対する税率は平均21.0%となり、協力しなかった企業の製品に対する税率は38.1%になると明らかにした。

これらの税率は従来の税率10%に上乗せされる。

ただし、ヨーロッパのカーメーカーは、中国からEV向け部品を輸入している。

その部分への価格は固定されていない。したたかな中国人は、その価格をクッションに全体の価格調整もできることになる。

中国自動車業界は、ロシアやメキシコといった新興国にICE(Internal Combustion Engine/内燃エンジン)を積極的に輸出し、欧州などにはEVを主に輸出している。

2023年に中国から、イギリスなどEU圏以外のヨーロッパも含む国に輸出されたEVは65万6,000台だった。前年比では約4割増、2021年比では約2.6倍。2023年の中国のEV輸出全体の4割強を占めた。

中国国内ではEVの主要輸出先から追加関税をかけられたことになり、国内では動揺が広がった。

しかし、中国メディアによると、中国自動車工業協会は2024年06月12日に、「深い遺憾の念を覚え、(欧州委員会の措置を)断固受け入れない意思を示す。」とする声明を発表した。

しかし、それは方便で、BYDはヨーロッパ輸出事業に関して、販売価格を大きく変えず、コストを削ることで税率上昇に対応できるとみている。

その上で、中国のヨーロッパへのEV輸出は「減るどころか、引き続き増える可能性もある」と述べた。2024年はヨーロッパで金利が下がり始めており、オートローンの金利低下を追い風に、自動車市場の拡大が見込めることを理由に挙げているという。

EUは、脱炭素化への取り組みも簡単に撤回することはなく、中国製EVやPHV(Plug-in hybrid Vehicle/プラグイン・ハイブリッド車)を完全に締め出すことはないだろうと、中国では読んでいる。

さらに中国政府の今後の動きとして、報復的に欧州製品への関税率を引き上げる可能性もあるが、中欧関係が過度に悪化しないよう、影響が小さい製品を選ぶのではないかと読んでいる。

中国が警戒しているのは、日本のEV参入である。
特に商売が的確はトヨタの参入だろう。

2024年07月04日のニュースが楽しみである。

https://www.nna.jp/news/2669822

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