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ファッションの新素材開発競争。

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ファッション雑誌「BoF(Business of Fashion)」は2022年02月01日に、ブランドは、SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)として、リサイクル・テキスタイル、再生農法で栽培された綿花、そして、マシュルームでできた皮代替品などを採用した取り組みが始まっていると報告した。

しかし、ファッションの主要素材に持続可能性を持たせるには、まだ次のような課題がある。
数十億ドル規模の投資と、規模を拡大するためのより深く、より長期的なコミットメントが必要である。

BoFでは、主要なイノベーションとそれをリードする企業、そして変化を阻む障壁を紹介している。

https://time-az.com/main/detail/76158

エルメス(Hermès)は、伝統的な職人技に裏打ちされた高級ブランドである。
2021年、そのエルメスのアイコンバッグ「バーキン(Birkin)」のメーカーが、キノコを原料とするレザー代替品を製造するカリフォルニアの新興企業、マイコワークス(MycoWorks)と共同で実験を行っていることが明らかになり、他の業界に対して「変化が起こる」という強いシグナルを発した。

ファッション業界は、この10年間で温室効果ガスの排出量を削減する目標に向かって競争し、廃棄物や水の使用、サプライチェーンの追跡が不十分なことによる社会的悪影響に対処するため、グローバルなサステナビリティの取り組みにおいて、他の無数の業界と同様に役割を担っている。

ファッションが気候危機にどの程度寄与しているかは様々だが、業界団体GFA(Global Fashion Agenda)やコンサルタント会社McKinsey & Companyによれば、世界の総排出量のおよそ4%に相当するという。
原材料の生産だけで、ファッション業界の総排出量の38%を占めていることが、彼らの分析で明らかになった。2018年、それは二酸化炭素換算で約8億トンにのぼる。

一部の企業にとって、エルメスが示している素材の改革は、急進的なものになる可能性がある。結局のところ、ファッションは長い間、衣服、靴、アクセサリーを生産するために、ポリエステル、ウール、コットン、レザーなど、ほぼ同じ素材に頼ってきたのである。企業全体のデザイン、サプライチェーン、製造戦略は、これらの素材を中心に構築されてきた。

エルメスが伝統を破るのは、今のところ一つのバッグだけだが、他のファッションブランドは、より環境的・社会的に持続可能な素材の製造・使用方法への転換をさらに推し進めている。

ドイツのスポーツウェアブランド「アディダス(Adidas)」をはじめとするいくつかの企業は、ポリエステルのバージン素材を排除し、代わりにリサイクル資源を生地に使用することを宣言している。また、米国のアウトドアウェアメーカーである「ティンバーランド(Timberland)」のように、責任ある土地管理と生態系への好影響に着目し、再生農園からコットン、レザー、ウール、ゴムを調達することを約束した企業もある。また、デンマークのブランド「ガーニ(Ganni)」は、二酸化炭素排出量を削減するために、動物性のバージンレザーに代わる素材に目を向けている。

新しい素材やプロセスを開発する競争は、技術の急速な成熟と、ブランドとイノベーター間のより実質的で深いパートナーシップのおかげで勢いを増している。

しかし、既存企業との競合や十分な規模の確保など、克服すべき課題は大きい。繊維のリサイクル業者から菌糸の栽培業者まで、素材のイノベーターは能力を高めるために先行投資する必要がある。ブランドは、少数株主への出資や長期的な購入契約を通じて、この成長を支援することができる。

新素材の話題性が牽引力となっている一方で、環境への悪影響を最小限に抑えるのではなく、ビジネスの成長と利益を最大化するために設計されたシステムにおいて、代替素材が競争力を発揮できる産業規模を達成するには、数十億ドル規模の追加資本とさらなるイノベーションが必要とされている。

これらの持続可能な材料のうち、どれが持続可能な材料を広く普及させるためのパラダイムシフトに拍車をかけるかを理解することは、簡単ではない。

このケーススタディでは、ファッション業界が長年依存してきた破壊的な素材や手法を刷新する機会を提供し、一定の支持を集めつつある原材料生産における3つのイノベーションを検証している。

The Business of Fashionの情報は、ファッション買いに限定しているが、実はSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)の世界では、鶏なしで卵を作り出すことを日本経済新聞は紹介している。

また、発酵の力が活躍するのは食分野だけではない。発酵技術で社会課題の解決を目指すスタートアップが生まれている。休耕田を使って資源を無駄なく循環させながら化粧品原料を生産したり、酵母で動物由来に代わるタンパク質を作り出したり。発酵文化はSDGs(持続可能な開発目標)という新たな目的を得て、投資マネーも引き寄せている。

この特集では、まだまだ隠れたビジネスチャンスが多く紹介されている。

今、もう直ぐやってくるアフター・コロナ(After Corona)の世界は、ムーブド・オン(Moved ON)の世界。

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テレワークでボケた頭を再生する。

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