見出し画像

ECB、2.5%に利上げ、インフレ加速なら追加利上げも

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年12月16日に、ECB(European Central Bank/欧州中央銀行)は2022年12月15日に政策理事会を開き、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を0.5ポイント引き上げ、2.5%とすることを決めたと報告した。

中銀預入金利も0.5ポイント引き上げ、2%としている。上げ幅は前回の0.75ポイントを下回ったものの、インフレ見通しの上方修正を受け、今後さらなる利上げに踏み切る方針を示している。

ECBは今回、インフレ率は高止まりしたままで、今後も目標を上回る水準で推移することが予想されることから、4会合連続の利上げを決めた。EU(European Union/欧州連合)の統計局ユーロスタット(Eurostat)がインフレ見通しを大きく上方修正したことから、中期目標の2%に低下させるためには、安定したペースで大幅な利上げを続ける必要があるとしている。

ユーロ圏の11月のインフレ率は年率で10%(速報値)と、前月からわずかに減速した。

ECBは、減速は主にエネルギー価格のインフレ率低下によるもので、全体的な物価上昇圧力は強まっており、当面は続くとみている。なお、ユーロスタットは、平均的なインフレ率が今年は8.4%に達し、来年は6.3%に低下すると予想している。

ECBは併せて、資産購入プログラムのポートフォリオを慎重かつ予測可能なペースで縮小する計画を発表。来年3月から満期到来の元本の再投資を減らし、6月までは月平均150億ユーロずつ縮小するとしている。

運営審議会は、ECBの3つの主要金利を50bp引き上げることを決定した。

これに伴い、2022年12月21日から、主要な借り換えオペの金利、限界貸付制度と預金制度の金利がそれぞれ2.50%、2.75%、2.00%に引き上げられる予定である。

APP(Asset purchase programme/資産買入プログラム)およびPEPP(pandemic emergency purchase programme/パンデミック緊急買入プログラム)について運営評議会は、2023年02月末まで、APPの下で購入した満期を迎える証券の元本支払いを全額再投資し続ける意向である。

その後、ユーロシステムは満期を迎える有価証券の元本をすべて再投資するわけではないため、APPのポートフォリオは慎重かつ予測可能なペースで減少する予定である。

この減少は、2023年第2四半期末までは月平均€150億となり、その後のペースは時間をかけて決定される予定である。
PEPPに関しては、総務会は同プログラムで購入した満期を迎える証券の元本を少なくとも2024年末までは再投資する意向である。

いずれにせよ、PEPPポートフォリオの将来のロールオフは、適切な金融政策スタンスの妨げとならないように管理される。
運営評議会は、パンデミックに関連する金融政策伝達メカニズムへのリスクに対処する観点から、PEPPポートフォリオの満期償還の再投資に柔軟性を適用し続ける。

金融政策発表会では、クリスティーヌ・ラガルドECB総裁(Christine Lagarde, President of the ECB)、ルイス・デ・ギンドスECB副総裁(uis de Guindos, Vice-President of the ECB)は、本日、ECB理事会は主要3金利を50bp引き上げることを決定し、インフレ見通しを大幅に上方修正したことを踏まえ、さらに引き上げることを想定している。
特に、インフレ率を2%の中期目標に適時に戻すために十分な制限的水準に達するためには、金利はなお安定したペースで大幅に上昇する必要があると判断している。
金利を抑制的な水準に保つことは、需要を抑制することによってインフレ率を長期的に低下させ、インフレ期待の持続的な上方シフトのリスクも回避することになる。今後の政策金利の決定は引き続きデータに依存し、会合ごとのアプローチに従って行われるでしょう。と解説した。


https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/shared/pdf/ecb.ds221215~db4079c498.en.pdf


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?