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ひと、まち、ひと。東京建築祭2024

建築から、ひとを感じる、まちを知る
近代の名作から完成前の近代建築まで、
東京の多彩な建築を体験。
建築の普段は入れない場所や、
知られなかったエピソードに触れ、
建築が身近になる。
そして、まちの魅力を再発見する祭典です。

東京建築祭2024パンフレットより

2024年5月24日土曜日。

東京建築祭に参加してきました。


参加、とはいいつつもお金を払っているわけでもなく、よそ様の建物に上がり込むかたちですので”お邪魔させていただく”といった感じでした。

昨年11月の『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2023』に参加させていただき大いに楽しませていただいたと同時に、東京でもやらないかなーと思ってたところでの開催だったので、うれしい限りです。

参加した感想です。

 対象の建物が少ない!
 大阪2023が170件公開されていたとのことですが、今回の東京は18件。数の問題ではないですが、せっかく東京なのでもっと見たかったというのが正直なところ。
 しかしそれもしょうがないことだったかもしれません。運営のスタッフさん達の様子を拝見していましたが、かなり忙しくされている様子でしたし、参加者の人数も相当なものでした。あちこちの建物前で長蛇の列ができていたのでこれを東京の中で100件近くやるとしたら大変なことになっていたかもしれません。

 ですが、それが悪いことと言うわけではありません。
言ってしまえば都市は建物だらけ。”見る”と思ってみてみると面白いものがあっちこっちにあります。おまけに世界でも有数の過密都市東京が会場なので、見どころは満載。

 私は都の端っこに住んでいる+出不精なので、東京の街を散策したことはありませんでした。なので今回の祭りは非常に楽しい散策となりました。
その結果を建築祭の公開建物とあわせて、ざっくりとですが以下にまとめます。

番外ーい:学士会館ビル

通りすがりの学士会館ビル。なぜか心に引っかかって写真をとった。

01.神田ポートビル

1964年竣工の建物をリノベーションした物件。1階とB1階がサウナ関連施設になっている。

店舗ではなくビルのエントランス。階段がエレガント。
ピントずれ失礼。地下1階サウナルームに接する休憩用ベンチ。木で作られた緩やかな斜面。

番外ーろ:地下鉄六号錦町変電所

これは隣にあった屋上機械室がカッコいいビル。

番外ーは:興和一橋ビル地下駐車場

なぜ地下駐車場の入り口にUSSエンタープライズみたいな庇を?

番外ーに:名古路ビル本館

おそらく斜線制限

02.岡田ビル

減築の実例。めちゃくちゃ面白い。
床を抜いて鉄骨で補強している。半外の空間が地下まで抜いてある気前の良さ。
あとから作られた吹き抜け。補強鉄骨がクール。
もとあった階段に新規鉄骨階段を足している。
屋上もデッキが敷かれている。今は活用されていないみたい。

番外ーに’:街道全景

03.安井建築設計事務所

京都競馬場も設計された事務所にお邪魔した。

自社ビルの一部を解体改修している。プランは所員の方々によるとか。

番外ーほ:佐藤ビル

隣近所からぽつんと雑居ビル

番外ーへ:道路上のキュービクル

完全に道路上に電気関連と思われる設備がはみ出している。なぜに。

番外ーと:ぽつんとシリーズ

道中で見つけた、開発されていない建物たち。

かつての街並みの最後の一片みたいな家屋
都心、角地、2階建て

番外ーと:新橋高架下道路

線路の梁材を支える鉄骨柱。自分にとってはこういうのがグッドデザイン賞。

04.丸石ビルディング

この辺りからイベント参加者が増え、建物内に入れなくなってきました。

柱飾りのオッサン。
使われているのかわからない窓開閉用金具(推測)。
たぶん、入り口閉鎖用のロープ固定用金具。
きっと、国旗掲揚用ポール固定金具。
同ビルを路地裏から見上げる。

番外ーち:道中

首都高と交差する歩道橋

看板の上に鳩

05.江戸屋

写真の外で見学の待機列がすごいことになっていた。
たぶん3,40人。お店の中は8畳とか12畳ほどの空間しかないと思う。
外観だけ拝見して次の物件へ向かう。

番外ーり:江戸橋

江戸橋。ちょっとにおう。

番外ーぬ:日本橋ダイヤビルディング

ここは今回のお祭りに関係なく、1階の展示スペースが常時解放されていた。

思わぬ出会い。内部の展示によると河川沿いの倉庫だったらしい。

リバーサイドビューも完備だがやはりにおいが気になる。

06.日証館

通りを連なる待機列。早々にあきらめて三越方面へ向かうことにした。

番外ーる:兜町平和第5ビル

減築だろうか。梁と壁を撤去した後のようなものが目に付く。

番外ーを:山二証券 本社

こちらも外壁が本物の石のように見える。明治創業らしい。
おそらく屋号

番外ーわ:ベンチ、トイレ、サイバーパンク

秋田県産材の木製ベンチ
暗渠上の公衆トイレ。
奥行き感が写真だとわかりにくいが、すごく過密で猥雑で怪しい路地

番外ーか:日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発

しゅごい
建物ん中に重機がいる。鉄骨が超デカい。

番外ーよ:三越

皆様ご存じ百貨店
裏口。表の絢爛ぶりからすると親しみが持てる。
おそらく設備配管貫通孔の跡。

07.三井本館

建物4面の内の3面を見学者の列が取り巻いていた。撤収を決定。

ファサードは圧巻の一言。

番外ーた:日本橋室町三井タワー

すんごい長い庇。

Coredo室町テラスとのことだがコリドー(回廊)とテラス(高台)て言葉が並んでてちょっと困惑。言いたいことはわかるんだけど。

番外ーれ:築地周辺

鉄板焼Kurosawa(旧中村家住宅)。これでも近代建築なんだって。
さすがに疲れて休憩。となるとこのベンチも嬉しい。
中央区築地川公園。気持ちがいい。
浅野内匠頭邸跡。

08.カトリック築地教会聖堂

1927年竣工。
堂内。見学者でごった返している。
こちらは近所の聖路加国際病院。一級建築士試験問題の過去問で有名。

09.築地本願寺

奇想の建築と言われている。が、見学者待機列が100人以上に思えたので撤退を決意。

外観と待機列。
こちらは寺院に接する板張りの二階建て。シブい。
無人の様子だがとてもきれいにされている。
これは近所の築地商店街。覗いてみたかったが体力が続かなかった。

10.SHUTL(中銀カプセルタワー再活用)

希望者殺到につき整理券配布に切り替え、本日分はすでに終了とのことだった。諦めて近所を散策。

集合住宅AQUA。
別のビルの窓から。照明器具の取り扱い店舗だろうか。

11.堀ビル(goodoffice新橋)

煉瓦タイル張りだろうか。円弧状の外壁が特徴的。
かわいらしいペントハウス。

こちらも人が多くては入れず。

12.明治安田生命ビル

ずらり人の列。

皇居のお堀は静かなもの。

13.国際ビル

木製の扉。現在は使われていない、のか。
菊の御門だろうか。図柄は和洋折衷?

14.新東京ビル

エントランスより二階を見上げる。ガラスやタイルの様子から時代を感じる。
触ってみたが擬石っぽくない。一番下の帯は図鑑で見た黄鉄鉱っぽいけど……?
エレベーター内もなかなか。バルタン星人が乗っていそうな時代感。

番外ーそ:丸の内仲通り

工事現場仮囲いのコピペアート。アミーガか?ウゴウゴルーガ?
柱の緑化事例。
ユニット単位はこうなっているんだ。はじめて知った。
不明な物体。小径材を組み合わせてるのはわかるが、ベンチでもない。
プランターボックスか何か、道路上の工作物を隠しているっぽい。
べたべた触ってみたが釘が見当たらなかった。接着してるんだろうか。

15.東京駅

東京駅二階の展示スペースを見ることが出来る、はずだったのだがこちらも希望者殺到で本日分は終了。

記念に一枚。
この空間はやっぱり圧巻。
免震のためのエキスパンションジョイント。雨どいも水平に動くようになってる。

以上だ!!

東京駅駅前広場。シンゴジさんに降りかかったのはどっちのビルだっけ。

参加された皆様。そしてなにより運営スタッフの皆様。ほんとうにありがとうございました。お疲れ様でした。

皇居の東側はほとんど歩いたことが無かったため、一日かけて歩き回れたのは素晴らしかったです。特に神保町から日本橋のあたりは意外に閑静な街区だったと思います。舟運の痕跡もあったので、大阪の中之島あたりとちょっと似た空気があったかもしれません。

内部観覧が出来なかった建物が多かったのは残念です。が、建物は常にそこにあるもの。街を歩けば建築にあたるという具合に、散歩するだけでいろんな体験ができるのが過密都市の良いところ。

次回の開催も楽しみにしております。

サポートなど頂いた日には画面の前で五体投地いたします。