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バジャドリード戦2020/10/1

今シーズン最初のホーム戦でマドリーはバジャドリードをアルフレッド・ディ・ステファノへと迎え入れた。この試合の前にはエデンアザールの右足筋肉に損傷が見受けられ、今後の回復を見守るという内容のメディカルレポートが発表されている。ナショナルウィークをもうすぐ控えている中、アザールに負担を負わせたくないという事もあってのものなのだろう。昨シーズンもベルギー代表の試合を控えていたアザールは「怪我」の影響で招集されず、ベルギー代表が9月9日にスコットランド代表との試合を終えたその翌日の9月10日に怪我から練習に復帰している。そして、1週間後の9月18日のPSGとの試合には先発で起用された。今回も予定通りいった場合はCLのグループステージで復帰するのではないだろうか。(ちなみにこのグループステージの試合の後にクラシコを控えている予定)

今シーズンのFWの補強の噂が出ない今、アザールの完全復活はマドリー にとって重要な課題だろう。昨シーズンほとんど起用できずに失意の一年となったアザールにとっても万全の状態でマドリー に戻り自身の価値を証明する必要があり、これがラストチャンスと言ってもいいのではないだろうか。幸いクルトワがいうことには「アザールのスピードはクルトワが昔知っていたものに戻った」とのことなのでもしそうであれば、復帰後には万全のアザールを見ることができるかもしれない。

さて、今節もヨビッチは先発。前節で背中の痛みによって離脱していたマルセロが戦列復帰。ウーデゴールは先発ではなくトップ下として起用された。また、オドリオソラもリーガではあのマジョルカ戦以来の先発出場となった。パスワークの起点となるクロースは前節で負傷しているためモドリッチとフェデが中盤で並んだ。

ジダンは記者会見において現状のスカッドには満足しているものの、移籍最終期限まで何があるかはわからないというスタイルを徹底的に貫いている。CFは飽和状態であり、本人の意思によってマリアーノが残留することとなった今、マジョラルとヨビッチどちらかの放出もしくはレンタルが噂されていた。そのような中で前半から度々チャンスが訪れたヨビッチはジダンからどのように映っただろうか。今節はイスコ、モドリッチ、マルセロというヨビッチにとって「相性の良い」選手が多かった。そのおかげもあり前半のうちに数回の決定機が訪れた。しかし、ベンゼマとの関係性が出来上がっておらず、役割分担ができていないためにどちらも独立したCFとして働いてしまい相乗効果は生まれなかった。

開幕してから何度か試している[4-3-1-2]の布陣だが、やはりベンゼマとヨビッチの間で関係性が生まれないことには厳しいだろう。この二人の連携が生まれないことには、イスコとベンゼマの相性かぶりやマルセロの守備強度の低さなどが露呈するだけであり、今日のように何度か生まれたチャンスをヨビッチが決められなければオプションにもなり得ない。このフォーメーション自体、アザールが復帰するまでのオプションとしてみなされている可能性もある。残留したいのであれば何かしら数字をヨビッチは残す必要がある。十分なチャンスがあったたものの決めることができなかったためなのか、はたまたヴィニシウスを出すためなのか流れが来ていたところで変えられてしまったのは少々ヨビッチにはこたえたかもしれない。代わりに入ったヴィニシウスは結果的に1ゴールを決めておりなんとも皮肉なものである。

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前半に何度かチャンスは生まれたが、散発的なものでありチームの機能的に生まれたものは少なく、ヴィニシウスやアセンシオ 、そてカルバハルの投入によってチームを立て直せたのは大きいだろう。サイドでの守備が安定し幅を取れるようになったことでフェデやモドリッチが中央で猛威を振るう事もできるようになった。ここはジダンの交代策が光ったとみて良いだろう。

結果的にはタフな試合となった。攻撃面で新たな変化をもたらそうとしている最中であり、今は昨シーズンの戦い方を継続している状況であるため、妥当な試合結果と言えるのではないだろうか。堅実な試合運びを支えたのはやはりマドリーの守備陣だ。両SBがさほど守備面での貢献ができなかった中、ヴァランとラモスは完璧な守備対応を見せた。この二人とカゼミロ、クルトワの4人でほとんどの決定機を潰したと言って良いのではないだろうか。ヴァランは少なくともカバーリングには長けており、ラモスがいれば相性抜群。相手のカウンターも封殺した。しかし最も輝きを放ったのはクルトワだろう。相手の決定的なシュートを2、3度ストップ。常に集中を保ちマドリー のゴールマウスを守って見せた。

両SBはというと、オドリオソラは右サイドで運動量は保証するもののやはり守備、テクニックに難がある。カルバハルと途中交代されており、やはり実力不足を証明する形となってしまったか。取り立てて大きなミスをしたわけではないが、彼のいるサイドはビルドアップが完全に破綻してしまう。ヴァランもラモスほどビルドアップ能力に優れている選手ではなく、今日のビルドアップはモドリッチ、ラモス、マルセロの三人で行われることが多かった。マルセロは攻撃時のクオリティはさすがと言ったところだが、やはり守備には難を抱えている。起用するとしてもカゼミロとのセットでの起用となるだろう。

まだまだチームの成熟段階にすら入っていない中で流石の安定感を見せた守備陣に加え、モドリッチ、フェデの切り替えの意識の速さは素晴らしかった。彼らの運動量がなければ今日の試合を制することはできていなかっただろう。最後まで走り続けた彼らが今日の試合の影の立役者だ。今日の勝利によってアルフレッド・ディ・ステファノでのリーガの試合は7戦全勝となっている。試合内容はともかく、守備に長けたバジャドリードに形はどうであれ1点を決め勝ち点3を得ることができたのがまずは大きいだろう。

今夜はCL抽選会だ。良い組分けになると良いのだが、、、

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