見出し画像

マルコ・アセンシオ=ジレンマ

断言できる。アセンシオはバロンドールをとる才能を持っている。GKに動くことすら許さない理不尽なシュート、高精度のクロス、ボールタッチどれも素晴らしいレベルにある。ただ、シュートなどのスキルについてここで言及してても何の面白みもないので個人的に感じている彼の傑出した2つの能力について書いてみたい。(もし、昔からわかってるわ。今更なんじゃ。ボケって思う人いたらすみませんw)

1つ目。彼はゲームの流れを感じ取る力に優れている。と思う。ゲームの流れを感じ取る力とは?という感じだがここで思い出してほしいのが17‐18シーズンのバレンシア戦だ。この試合で彼は目覚ましい活躍を見せる。2点目のFKも見事だったが真骨頂は1点目。相手のパスミスをさらってそのままGKが動けない見事なシュートを叩き込んだ。そのシーズンのUCLではPSG戦でアウベスがビルドアップでもたついたのを見逃さずすかさずカウンターを仕掛け、戻ってきたアウベスの股の下を通るパスをバスケスに送り結果的にロナウドのゴールに関与。バイエルン戦でもラフィーニャのパスをカットしルーカスと2人で崩してゴールしている。さらにさかのぼると16-17シーズン。コパデルレイ(のはず)においてセビージャとの試合で相手のCKのこぼれ球を奪ってそのままドリブルで相手をかわしていきゴールを決めている。UCLでもバイエルン戦でキミッヒ(確かな記憶ではない)のパスをカットしてフンメルスをかわしてゴールを決めている。(ロナウドをおとりに使ったのにはたまげた)

強引だろうか?

彼がカットしてそこからゴールが生まれているシーンが多くあるのだ。これを偶然として済ませるのかどうかは個人の自由だが彼は試合の流れを巧みに読みインターセプトに成功している。そしてそれがゴールに直結しているのだ。彼はポジティブトランジション時、つまり、守→攻の時に高確率で相手を仕留める方法を知っているのだ。クロップが欲しがる理由もわかる。アセンシオはスペースの認知能力とカウンター時における状況判断力が極めて高い。そして、得点力も備えている。クロップからしたら欲しくてたまらない人材だろう。

2つ目の能力として相手の裏をかく能力が挙げられる。18-19シーズン、まだタイトルも残っている頃。CLグループステージ。ローマ戦。アセンシオはローマの守備陣を妙技"ZIDANE"で切り裂いた。惜しくもゴールキーパーに止められはしたが多くのマドリディスタが覚えているだろう。瞬時にできる技術、発想もそうだが相手をいなす能力、プレスや守備ブロックを無効化する能力を彼は有している。相手のディフェンスを逆手に取ったプレーが常にできるのだ。

しかし、実際のところ数字の面では物足りない。溢れ余る才能を存分に使いこなせていないのだ。個人能力がチーム戦術へと昇華していくマドリーでいまだ本領発揮していない。それがマドリディスタにとっても悩みの種なのだろう。才能は十分なのに、この才能を生かせれば強くなるのに。というもどかしさ。「覚醒してくれれば」「継続性を」と言う声をちらほら耳にする。思えばここまで数字がひどかった18-19シーズンの出来でも退団しろと言う声はそこまで聞かない。(ゴルファーとかの方がよっぽどひどいからということもあるかもしれないが…)だが新シーズン、ひどくなくとも数字にあらわれるインパクトを残せなかったら…マドリーは、マドリディスタはそこまで呑気ではない。

ただ、彼自身もマドリーの中で活躍して数字を残すと言う意識はあると思う。最適な答えを見つけマドリーで能力をいかんなく発揮してほしい。(ちなみに、18-19シーズンは本当にひどかったがもしロペテギがプレシーズンからよかったヴィニシウスとアセンシオのコンビを継続的に使っていれば…とも思う)

彼は積極的ではないかもしれないが負けん気と並外れた精神力があると思っている。彼はチームが苦しい時にチームを救うことができる選手だ。新シーズンでは彼の本来のプレーを見せて欲しいしおそらく好調であろうプレシーズンの調子をそのままシーズンに持ち込んで欲しい。

最後に彼の適正ポジションはどこなのか?個人的にはIHの器があると思う。そして、そのポジションで輝いてほしい。しかしその場所で実際に起用されるかどうかはわからない。だが、彼はその資質を持っているし輝くことができるはずだ。

ここまで読んでくれた方々、ありがとう。

【追記】18-19シーズンのアヤックス戦2ndレグで彼が1点を返した時のプレー、表情すべてが忘れられない。19-20シーズンに彼がやるユニフォームをピロピロさせるゴールパフォーマンスを見られたらいいなぁと思う。


よろしければサポートよろしくお願いします! 励みになります!