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20/6/15 リーガ第28節 エイバル戦(H)

前回の試合から約3ヶ月経った。長かった。フットボールはブンデスリーガの早めの再開などで見ることはできたが、やはり体はマドリーを欲していた。どの試合を見ても何かしっくりこなかったのが本音だった。しかし、そんな長い中断期間を経て、マドリーはようやく日常に戻ってきた。

現在マドリーはリーガで2位に位置。勝ち点2の差のバルサを追いかける。バルサは先日のマジョルカ戦に大勝。マドリーも今節は快勝して是が非でも勝ち点3をもぎ取りたいところだ。マドリーはベルナベウの改修工事があるため、以降の試合をアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムでプレーすることになっている。中断期間明けの試合は12人の控え選手と5人の交代枠が許されている。以下が今節のメンバー。

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ロドリゴアザールのスタメンはサプライズ。モドリッチとマルセロのスタメン起用はなんともジダンらしいといったところだろうか。アセンシオは控えメンバーに登録された。

REVIEW

黙祷が行われてから試合スタート。試合開始直後は様子見の雰囲気が流れていたものの、クロースがいとも簡単にゴールを奪う。オフサイド感満載だったが、ここでゴールが決まるのがホームチームの特権だ。(一応、VARで証明されているので誤審じゃないはず)

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前半のマドリーはFWが流動的にポジションを交換して相手に守備の照準を決めさせずに、効果的に攻撃を展開。中盤の守備強度も高くエイバルを圧倒した。中央で回収してから、アザールのターンやベンゼマのポストプレーで中盤の選手が前を向き敵陣に攻め込んでいくシーンは何度もみられた。特にアザールのキレはよく自ずとゴールもついてくるはずだ。中盤ではモドリッチのコンディションが良く、攻撃から守備まで精力的に動いていた。カゼミロやラモスの働きもあり最終ラインの守備も固く、攻撃でも守備でもエイバルを圧倒した。

ポジションチェンジの一環として、オーバーラップが頻繁に見られた。2点目はラモスのオーバーラップ、3点目はベンゼマのポストプレーを追い越すアザールの動きによって生まれた。それ以外にもモドリッチのオーバーラップなどもエイバルの脅威となった。マルセロが3点目を決め、ほぼ完璧な前半をマドリーは終えた。カルバハルが打撲で交代した事が少しの懸念材料だが、試合内容は素晴らしかった。

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後半は、中盤の運動力低下と選手の交代によってうまく前進できなくなり、なかなか敵陣まで攻め込めないシーンが目立つようになり、試合も膠着。交代で出てきたヴィニシウスとベンゼマの連携は問題ないはずであったし、ベイルとベンゼマの相性も悪くないはずだが、中央でのアザールのターンがなくなってから前に進む事がより困難になった。ミリトンとメンディ、フェデのプレーは気抜けしたチームの中ではマシな方だっただろうか。気温や湿度が高い中での試合であったため消耗が激しかった面はあるだろうが(気温のせいかわからないがマルセロは体調不良)、後半のマドリーは退屈なパフォーマンスに終始した。

ジダンが試合後に後半のパフォーマンスを怒ったという報道も出ているように、体力もそうだが何よりも気力に欠けるパフォーマンスだった。コンディション調整とはいえ、あの気の抜け方は好ましくない。これからのリーグを戦う上で気の緩みで勝ち点を落とすことなどあってはならないのだ。

戦略

前半と後半の試合内容の差は顕著で、後半では1失点してしまったものの、まずは勝ち点3を取れたことに安堵と言ったところか。5人の交代枠を使えば、チームの半数が変化するため試合内容が変わる方が自然だ。今日の交代枠を見ても守備陣を2人投入しており、さらにチームを活性化させる狙いよりはコンディション調整の目的の方がでかいだろう。前半で勝っているのであればわざわざリスクを犯す必要性はない。ヴィニシウスやベイルの投入もあわよくばカウンターでとどめを刺したいという願望込みで、本質的にはロドリゴやアザールの休養が目的なのではないか。

マドリーは今節のエイバル戦をこれからの試合のモデルロールとしたいところだ。前半に畳み掛け、後半はスタメン選手のコンディション調整に使いたい。総力戦であり、これからも勝ち続けないといけないことを考えると、あまりリスクは冒せない。ベストメンバーはわかっている以上、彼らのコンディションをうまく調節しながら残りの10試合をこなし、勝ち点を積み重ねるのが現実的だ。これからの過密日程をこなしていくためには、今節がマドリーでの監督としての通算試合数、200試合となったジダンの腕の見せ所だろう。

スタメン組をうまく休ませていきたいが、その上で気になるのはロドリゴだ。カスティージャ登録の彼はすでにリーガで13試合出場で約720分出場。あまりに出場させてしまうと協会から何か言われる可能性もある。ちなみにカスティージャ登録のヴィニシウスは昨シーズン18試合で約860分の出場であり、ロドリゴは1試合あたりの出場時間はゆうにヴィニシウスを超えている。彼の出場機会は彼の能力の関係ないところで制限される可能性はなきにしもあらずだ。

また、アザールとベンゼマのコンビネーションは良かったものの、彼らに加えてゴールを決める選手も必要だ。ベンゼマは30G保証できる選手ではないし、アザールも得点力が凄まじいこともあるが、20Gいけばいいくくらいの選手だ。両選手ともその存在によって周りにスペースを享受するタイプの選手で、そのスペースを生かせる選手が必要なはずだ。(ちなみに今日の試合で言うと、カピタンだが😂)左足で惜しいボレーシュートを放ったロドリゴか、はたまたベイル、アセンシオなど選択肢はある。

何はともあれ、まずは1勝だ。長い中断期間で前半のような完璧に近い内容を披露できたこともチームの自信になる。バルサとの差を縮め、順位表でバルサの上に行くための最初の重要な1歩目だ。過密日程をうまく切り抜け、怪我人なくシーズンを終えてもらいたいところだ。

(↓前回の試合の時のnote)




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