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2024年にエンバペ獲得してCFで使うつもりなら、今獲ればいいのにね(そういうことではない)


*タイトルに書いてあることが非現実的であることは重々承知しています。


はじめに


約1ヶ月前、マンチェスターシティに大敗した。その時点でマドリーのシーズンは終了したと言っても過言ではないだろう。明朝にはマドリーのいないCL決勝が行われる。多くのマドリディスタはマドリー以外のクラブが優勝し、マドリー以外のクラブが負けたという事実を知り、感情の起伏もなく1日を過ごすことになるのではないか。欧州サッカーにおけるシーズンのクライマックスはすでにマドリディスタの関心ごとではない。マドリディスタの関心ごとは新シーズンについてであり、マドリーの補強戦略だ。

すでにマドリーは動きを見せている。長らく在籍だけしていたアザール、マリアーノは退団が決定。契約終了まで1年残っていたアザールの退団は少々サプライズではあったものの、戦力となっていなかった2選手分の選手の枠を開けることができた。また、契約延長のオファーは出されていたものの、選手側の意思によりアセンシオも放出が決定した。彼の新天地での活躍を祈る。彼についてはまた別のnoteで。

そして、昨年バロンドールを受賞したベンゼマが、クラブのレジェンドとしてマドリーを去った。チームを長年にわたって支えてきたベンゼマとの別れは、寂しさと共にクラブにマドリーのCF問題を残していった。神がかり的なベンゼマの稼働率とパフォーマンスでお茶を濁してきたベンゼマの控え問題に加え、ついにベンゼマの後釜について考える必要性が出てきたわけである。しかし、選手の退団もあれば加入もある。すでにフラン・ガルシアの復帰が決定しており、この若きSBの加入は、マドリーの左サイドに攻撃面でのダイナミズムを生み出しうるだろう。ミランに行っていたブラヒム・ディアスも戻ってくる。また、ドルトムント所属のベリンガムの移籍についても、1億ユーロ+ボーナスで6年契約の合意済み。あとはマドリーのアナウンスを待つだけだ。早くから動きを見せるマドリーだが、今後どのような動きを見せるのだろうか。本noteでは今後のマドリーの補強について、ざっくり私見とともに述べていく。

若きイングランド人スターの獲得

まず、マドリーが現時点で補強すべきポジションについてだが、CFを2枚、右WG、控えGK、そして、両SBの控えいったところだろう。単純に戦力が足りないという側面から考えるとこのような優先順位となるだろう。すでにフラン・ガルシアの復帰が決まっているのはプラス要素だ。控えGKについても、ダビド・ソリアを獲得間近とのことで、経験豊富な第2GKを迎え入れられれば、今後のローテーション等を考えてもプラス要素だろう。一方、右WGについてはおそらくブラヒム・ディアスの復帰のみで終わるのではないか。ロドリゴ、フェデ、ブラヒムの3人で右サイドを回していくことになるだろう。不安要素しかないが、現状移籍市場で目ぼしい選手がいないのも事実であり、必須ポジションだが難易度が高いというもどかしさもある。あとは右SBの獲得の目処が立てばというところだろうか。しかし、本来はここまでだったはずだ。マドリーはここまでの動きをし、ベンゼマの控えを見つければ、御の字。若きスターであるベリンガムの獲得、それこそが今シーズンの目玉であったはずだ。

ベリンガムをリバプールとの獲得競争に勝ち、獲得することが決定したマドリーだが、スカッドバランスという側面から測るのであれば、必須であったとは言い難い印象がある。もちろんモドリッチ、クロースをシーズンフル稼働させることは難しく、フェデもIHとしての力量不足が否めない。彼の獲得はマドリーにとって不安要素を除く意味もあるだろう。ただ、マドリーというクラブとしての移籍市場での振る舞い、そしてペレスの目論みであろう2024年夏のエンバペ獲得の前段階という目的の方が強いように思える。

結局のところ、ベンゼマの退団。これがあまりにもマドリーにはクリティカルだった。前述したが、本来であれば、ベリンガムに加えて、ベンゼマの控え選手の獲得。複数のそこまでコストがかからない堅実補強。そもそも来シーズンは勝負の年でもなんでもない。一気に新陳代謝を図るのは2024-25シーズンからだったのではないか?これで御の字だったのではないか?しかし、世の中は不確定要素に満ちている。ベンゼマの退団により、マドリーにはベンゼマレベルのCFが必要になった。そして、今まで同様、控えのCFも、だ。

最優先事項

現在マドリーのCF候補として名が上がっているのは、ケイン、ハフェルツ、ホセル。他にもラウタロやフィルミーノも名前が上がっている。ここ一週間でも様々なCFの名前が上がっており、報道が過熱化していることからも、マドリーの慌てぶりは察することができる。このうち、ホセルは控えCFとして申し分なく、おそらく話はまとまるのではないか。問題となっているのはスタメン格のCFの獲得の是非だ。主にケインの獲得の是非の話になってくる。

フロレンティーノの目論見は2024年夏の移籍市場でエンバペへの4度目のチャレンジを成功させること。おそらく完成するであろう(外観はかなり完成に近づいているとのこと、、、)新ベルナベウでお披露目をすることだろう。その際に、今シーズンのCF獲得がエンバペの移籍に良いことなのか、ここ数日で議論されているのはこのことについてだ。しかし、そもそもエンバペはCFではない。ヴィニシウスを左にし、エンバペを真ん中という絵を描いているのかもしれないが、そう上手くいくものではない。そして、その青写真を描くために、来シーズンをCF不在で乗り切るのか。棒に振るのか。絶対的な得点者がいないマドリーに華やかさなどない。得点力不足に悩まされることは必至だ。エンバペの獲得という不確定要素を視野に入れて、1シーズンを棒に振るのはファン心理としては到底受け入れられない。取らぬ狸の皮算用で終わっては意味がない。ロドリゴCFの案も出ているらしいが、シーズンを戦う体力もなければ、イージーなチャンスを棒に振るシーンも散見される選手に担えるポジションだろうか。ここ5年ほどの移籍市場では、ヴィニシウス、メンディ、カマヴィンガ、ミリタオ、ロドリゴ、チュアメニのような成功もあるが、失敗の印象の方が強い。それは期待を裏切ってきたからだ。私の意見が総意だとは思わないが、今のマドリディスタたちの期待は、ベンゼマに代わるCFの獲得。これに尽きるのではないか。これからも報道は加熱していくだろう。報道だけ先走って、何もなく終わる。マドリーの悪しきトレンドが断ち切られることを強く望む。


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