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20/10/18 カディス戦レビュー

アルフレッドディステファノでの連勝記録はあっさり途絶えた。今節の試合はナショナルチームで試合を終えたばかりの選手たちが合流したというのもあるが、それにしてもチームの動きが悪すぎた。キックオフから常に不安定なパフォーマンスが自陣内でのパスミスなど普段ではありえないことが何度も起き、結果的にはネグレドへのロングボールにヴァランが対応できず、ロサーノに決められた。その1点を試合終了まで守り切られ、敗戦を喫した。

前半の内容たるや目も当てられない内容である。ボールの支配だけはやたらできるもののチャンスを作ることはできなかった。まず、[4-2-3-1] のスタメンのかみ合いが悪すぎた。オフェンスの重心が低いこのフォーメンションをするにあたって、単独での突破が見込めないバスケスを右サイドに置き、さらにシュートなどは目を見張るものはあるもののドリブル突破には優れないナチョもバスケスと同サイドにおいた。このことにより右サイドを個の力で突破を図ることができず、攻撃は停滞した。イスコも得意のエリアであるライン間にいるときはリンクマンとして機能したもののボールをもらえない際には下がってきたり、サイドに流れたりしてしまう。結果的にイスコが前線と中盤を繋いでくれないためにモドリッチが上がったり、ベンゼマが下がったりするなど陣形が完全に歪になってしまった。ヴィニシウスはボールが渡ってくるシーンが少なくさほど持ち味も出せず、ベンゼマも中盤を彷徨うのみで、後半に[4-4-2]になるまでFWらしい仕事もできなかった。

ナショナルウィークで代表で試合に出た選手たちの疲労を配慮し、代表に呼ばれなかった選手たちを中心にチームを組んだ結果がこれである。というのも。今節のカディス戦はナショナルウィーク明けであったことに加え、次の試合にはCL、さらにはクラシコも控えており日程的には難しい面があった。このようなことを考えジダンはカディス戦のスタメンを選んだのだろう。しかし、結果的にはこれである。モドリッチやクロースは軒並みコンディションが悪く、コンディションを整える機会のあったイスコやバスケスは試合勘にかけていた。今節で良かったのはナチョとミリタオくらいだ。最終的には一番移動のきつかった(ジダンが最もコンディションに配慮した)フェデとカゼミロを起用して後半は締め直したものの、チャンスを決め切ることはできなかった。

ナショナルウィーク明けでCLも控えるチームが他のリーグでもことごとく成績がよろしくないのが少しの救いではあるものの、チームの課題は相変わらず変わらない。18-19シーズンから得点力不足に喘ぎいまだにその問題を解決できないままだ。ソリッドな守備とショートカウンターによって昨シーズンはリーガ優勝を果たしたものの、それには運動量が欠かせない。今日のようなモドリッチやクロースのコンディションだと戦えないのだ。モドリッチやクロースのクオリティに疑いがあるわけではない。どちらも各々のナショナルチームでの試合のパフォーマンスは素晴らしく、今節の低パフォーマンスはナショナルチームでの疲労によるものだろう。特にモドリッチは35歳であり、シーズンを走り続けることのできる体ではないのは事実であり、ジダンはコンディションに気遣いながら要所で起用していくことになるはずだ。

後半のパフォーマンス、とりわけヨビッチを入れた後の試合運びを見るとやはり[4-4-2]など新たなフォーメーションでチームを構築しても良い気もするが、ジダンはどのような方策を取りマドリー を立て直すのだろうか。兎にも角にも、すぐ先にCLとクラシコが待っている。

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