ラ・リーガ第1節：マドリーvsアラべス

久しぶりのnote投稿ですが、今シーズンはちゃんと書く(つもりな)ので、今シーズンもよろしくお願いします。

新戦力のアラバ、久々のベイル、アザールがスタメンに。クロースやカルバハルの負傷によってフェデとバスケスが穴を埋めて試合に臨んだ。今日の試合はアンチェロッティ第二次政権でのリーガ初陣だったが、マドリーは試合序盤から積極的な姿勢を見せた。試合開始直後のベンゼマのプレスと、それに続きパスコースを切りに行くアザールとベイル。中央のモドリッチやフェデが連動して相手にプレスをかけていく。最小限の走りに抑えながらの効果的なプレスは相手にボールを長い時間持たせることを許さない。最終ラインはラモスとヴァランが抜けたとはいえ、リーガではナチョとミリタオのコンビで安定するだろう。ミリタオは失点に直結するミスはしたものの、昨シーズンに見せた能力に疑いはない。

たった１試合では判断しかねるが(PSM見てません)、今シーズンもやはり軸となるのはベンゼマであり、モドリッチであり、カゼミロなのだろう。おそらくキャプテンマークをつけることが多くなるであろうベンゼマは２ゴールという結果のみならず、随所で中盤と絡んだりスペースを作ったりと試合を通して輝きを見せた。モドリッチも左IHで引き気味のポジションを取りつつも前線に顔を出すなど攻守両面で活躍した。チームの軸となる選手は高齢化が進んでおり、緻密なマネジメントも求められる。今節において、ベイル、アザールの調子は悪くはなさそうではあったが、怪我が常に「憑いて」まわる。爆発力がある選手たちではあるが、ここ数年その鳴りを潜めている。ハマれば戦力の上積みになることには間違いなく、戦力として計算するのであれば、彼らのベストを引き出せるようにする必要もある。スカッドの年齢層は高めではあるものの、フェデやヴィニシウスといったチームの中では若い選手たちも幸先よく結果を残しており、開幕戦でいいスタートが切れたと言える。

新加入のアラバは新加入とは思えないほどチームに順応しており、すでに周りの選手との距離感を掴んでいる。コンビを組むWGに合わせて動き方も変えることができ、配給力も十分で中盤の選手のように振る舞うことも可能だ。ベイルの次のキッカーとしてFKを任されたことからも、チーム内での信頼はすでに勝ち取っているように見える。SBとしてのスピード不足感はあるものの、それを補うだけのインテリジェンスや技術を感じさせた。周りに合わせてチームの潤滑油のように振る舞うことができることから、SBとしてだけでなくさまざまなポジションでのプレーが期待できるだろう。現在はメンディ、マルセロの離脱でSBでの起用が多くなるだろうが、彼らの復帰後はCBや中盤での起用でチームの幅を広げられるかもしれない。

開幕戦で素晴らしい試合運びを見せたマドリーではあるが、中央でボールを刈り取ってショートカウンターを仕掛けるという構成上、相手のサイドチェンジで揺さぶられやすいこと、中央でプレスが噛み合わなかっときに少し危ない状況に陥りやすいことなど改善点もある。しかし、まだリーガは始まったばかり。長いシーズンを戦う上での最初の歩みを踏み出したに過ぎない。そして、夏の移籍市場も閉まっていない。現有戦力の整理に加え、新たに選手が来る可能性だってある。目下、エムバペ獲得の噂は今までで最も現実味を帯びてきている。優秀な選手はいるもののクラブのアイコンとなる選手がいないのも、マドリーが彼を獲得したがる理由だろう。放出の噂ではウーデゴールのアーセナルへの移籍の噂が増えてきている。マドリーには放出候補がいくらでもいるので、他の選手の移籍話やレンタルの噂も出るかもしれない。

エムバペを獲得できた場合には得点不足の問題は解消できるかもしれないが、現在のスカッドではお世辞にも最終ラインの層は厚いとは言えず、CBの獲得も必要だと考える。エムバペ獲得のみで手一杯となるのが目には見えているものの、CBを獲得すれば、ミリタオを右SBに回すことができるようになる。現スカッドでは左SBも若干不安があるものの、右SBではカルバハルが怪我がちであり、バスケスも優秀ではあるが出ずっぱりになるのは避けたい。オドリオソラは言わずもがなだ。事実、昨シーズンのカルバハルとバスケスが同時に不在になったときに一気に右サイドに穴が生まれた。CBにはバジェホがいるものの、彼のクオリティは到底信頼できるものではなく、昨シーズンなどと比べると露骨にCBのクオリティが落ちていることは否定し難い。このような点からもCBを獲得できればバランスの良いスカッドになるだろう。中盤も欲を言えば本職のIHが欲しいところではある。フェデは若いが、現在離脱中のクロース、バリバリ働いているモドリッチ含め、高齢化が進んでいる。メンディが戻ってきてくれれば、アラバの中盤起用で誤魔化すことも可能で、クオリティは落ちるがIHで起用できる本来トップ下系の選手もいることにはいるため、今シーズンでなくても問題ないのかもしれないが、いずれ新たな選手は必要になる。エムバペの獲得ができたとしてもスカッドの歪さには変わりがなく、昨シーズンやその前のシーズン同様、誰かが欠けた場合に穴を埋めることがなかなかできないスカッドのように見えるのが、懸念点だ。できれば補強でうまく選手をそろえて欲しいが、ジダン同様、アンチェロッティもまた、バランスを見出すことに苦悩しそうだ。