アフリカマンゴノキの論文がずさん?効果を鵜呑みにしてはいけない理由とは?

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米国で年間250万個以上売れているというダイエットサプリ。

そこに含まれている「アフリカマンゴノキ」という成分に注目が集まっているようです。

国内でも同成分が配合されているサプリメントは数多く存在し、健康効果も期待されています。しかし、本当に安全なのでしょうか。

ここで、詳しく考えていきたいと思います。

■アフリカマンゴノキについて

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アフリカマンゴノキは、亜熱帯地帯に自生している高木の一種。

アフリカマンゴノキ属ニガキ科の常緑高木とされており、現地では体重減少を目的に摂取されているといわれています。

実際には、アフリカマンゴノキの種子から抽出されるアフリカマンゴノキ由来エラグ酸に効果があると考えられており、各種サプリメントにはこの成分が含まれています。

しかし、なぜアフリカマンゴノキにダイエット効果があるのでしょうか。まず、アフリカマンゴノキ抽出エラグ酸を摂取することでアディポネクチンと呼ばれる超善玉ホルモンとレプチンが関連します。

アフリカマンゴノキ抽出エキスを摂取することでアディポネクチンが増加し、同成分が食欲抑制ホルモンであるレプチンを活性化。

結果、食欲抑制や体重管理、そのほかコレステロール値などの正常化などをもたらし、ダイエット効果のみならず健康効果も期待できるされているのです。

■劇的な痩せ方に疑問

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さて、そんなアフリカマンゴノキ。じつは臨床試験の結果などから、“本当に使用して大丈夫なのか?”という声も少なからず存在します。

それが、機能性の科学的根拠における採用論文の内容のあやさしさです。

懸念すべき点が数多く同論文内にはあるのですが、特に注目したいのが劇的な体重減量という結果の試験です。

まず、この試験ではプラセボ群に対してアフリカマンゴノキ由来没食子酸を8週間、一定量摂取するという試験が行なわれています

。結果、腹部脂肪面積の測定がされていない上に体重が6.2kg、さらにウエスト周囲変化量も2.3cmもプラセボ群より減少しているのです。

これだけをみるとアフリカマンゴノキはすごい成分だと思ってしまいがちですが、冷静になるとかなりおかしなことがわかります。

他特保成分と比較してみると、ケルセチン配糖体や烏龍茶重合ポリフェノール、ガレート型カテキンなどは12週間測定で体重部も1kg減るか減らないか…という結果。

さらに、ウエストも1cmの減少であれば良い方であり、劇的過ぎる変化というものはありません。

アフリカマンゴノキは、わずか8週間でマイナス6kgというあり得ない数字を出しているのですから、実際問題かなり危険度が高い成分とも考えることができるのです。

■エラグ酸にも疑問

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また、アフリカマンゴノキに含まれているエラグ酸がいろいろな効果をもたらすと説明しました。

しかし、エラグ酸はアフリカマンゴノキに特有のものではなく、さまざまな食品などに含まれている成分です。

つまり、アフリカマンゴノキ由来エラグ酸がさまざまな効果を生み出すのであれば、ほかの食品でも同程度の効果が期待できるという理屈が成り立ちます。

例えば、実験ではアフリカマンゴノキ由来エラグ酸は3mg摂取されていたとされています。

そうなると、生のイチゴは約半パック、パイナップルであればやく3.7を毎日摂取し続ければ8週間で6kgもの原料ができる…ということになってしまうわけです。こう比較すると、あまりにも試験内容がずさん過ぎるのではないか…という疑問も出てくるわけです。

■まだ注意が重要な成分

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アフリカマンゴノキは、もしかしたらダイエットに何らかの効果があるのかもしれません。

しかし、今発表されている試験データや曖昧な情報を見る限り、その可能性は低いといわざるを得ません。

安易にアフリカマンゴノキの広告にのせられず、しっかりと中身を吟味していく必要があるのではないでしょうか。