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父からの手紙 二十歳(はたち)になったあなた
元気で過ごしているだろうか?
これを書いている時は、あなたがまだ11歳の時だから、9年前のことになる。
ふとしたきっかけで二十歳になったばかりのあなたにメッセージを残しておきたくなったんだ。
日本語はちょっと不思議な言葉で、子供に対して、名前以外に適切な呼び方がない。
英語だったら、You だけでいいんだけれど、11歳の時だって、二十歳の時だって、「君」じゃおかしいし、「あなた」とは言わないだろう。「お前」なんて言葉をこれから使うんだろうか。
どうだい、お父さんから「お前」って呼ばれた経験はあるかい?
11歳の頃は「パパ」と私のことを呼んでいたけれど、そもそも、この「パパ」という呼び方に慣れるのにも時間がかかったものだ。
というのも、私はずっと私の父のことを「お父さん」と呼んでいたからだ。
パパというのはあまり慣れなかったな。
まぁ、そんなことはさておいて、この手紙は二十歳になったあなたに父として伝えておきたいことをまとめたものだ。
これから毎日少しづつ書いていくから、読む時も少しづつ読んでいってもらえると嬉しい。
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