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ダンジョン&ドラゴンズ5E用サブクラス案:拳聖の章

はじめに

初めまして、Kasumiと申します。普段から知り合いとシステムを問わずTRPGをやって回っている中で、思いついたデータなどがちまちまあるのをデータとして再出力する次第です。
今回はモンクのサブクラスに絞り、耐久力を生かし攻撃を受けて返す『剛拳門』、相手に絡みつくようにしてその力を封じる『蛇巣門』、相手の攻撃を利用して反撃する『流水門』の3つを紹介します。

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『剛拳門』

「なんで避けないのか、って?」
「良いよなあお前らは。避けるって選択肢があるんだからよ」
「俺らの門に回避なんて選択肢はねえ。全部、受けるか捌くかだ」
「それにビビらずいられるのは……あれだよ、あれ」
「流派の使い手が、てめえの流派を信じなくてどうするんだって話さ」

"ヘルズ・エンジェルの回想録"より

剛拳門は、モンクの門派の中では珍しく俊敏さより頑健さを重んじる者達を指す総称である。
彼らにとっては何よりもまず肉体の頑健さが重んじられ、そして徹底的に鍛え上げられた膂力による豪快な破壊こそを喜びとする。
しなやかな筋肉ではなく、分厚い筋肉による力の行使こそ彼らのモットーである。
それは鎧袖一触の殺伐たる戦場においてではなく、喝采を浴びる華やかな闘技場にて花開いた門派であるともされるが…。
実戦において、痛みや傷に対して頑強な彼らが劣るということは全く意味しない。

Lv3 剛の膂力

君は剛拳門に入門した時点で、ある種の"縛り"を受ける。 それは肉体鍛錬であり、体の使い方における『縛り』でもある。 君は『武術』による素手打撃において、【敏捷力】修正値を使った攻撃ができなくなる。 代わりに君は追加で【耐久力】セーヴに習熟する。 くわえて、君はボーナス・アクションを使用し、気ポイントを1点消費することで、次の大休憩までの間(1d8+君のモンク・レベルの半分、端数切り上げ)に等しい一時的HPを得る。

Lv3 重い拳の使い方

君の拳は決して俊敏ではない。そして武器は他にもある。
重い拳と、相手の注意を引き寄せる立ち回りだ。
以下の2つの能力を追加で獲得する。
『重打のコツ』
君は自分のターン中に攻撃アクションを行った直後に、『重打』を宣言できるようになる。
『重打』は気ポイントを1点消費し、ボーナスアクションを消費することで行える素手打撃である。
この際与えられるダメージは武術ダイス3個+【筋力】修正値となる。
『"挨拶"の作法』
君が近接攻撃を命中させた対象は、次の君のターン終了時まで君に注意を引き寄せられる。
君の次のターン終了時まで、対象は君以外の対象への近接/遠隔攻撃に不利を受ける。
また、この効果を受けている対象が他の君の仲間のクリーチャーを攻撃した場合、君はリアクションを用いてその攻撃者を対象に素手打撃を行える。

Lv6 交撃の拳

君は相手の攻撃を『迎え撃つ』ことの心得を学んだ。
避けるのではなく、受けて勝つのがこの門派なのだから。
以下の2つの能力を追加で獲得する。
『交撃』
1ターンに1度、クリーチャーからの近接攻撃に対してリアクションを消費することで君は拳によるカウンターを狙うことができる。
相手クリーチャーの命中判定の達成値を参照し、素手打撃による命中判定基準値によって対抗判定を行うこと。
対抗判定に勝利した場合、その近接攻撃を回避した扱いとしてそのまま君の素手打撃が命中する。
この際、達成値が上回っていなかった場合、通常通りにダメージロールを行う。
・『受けの巧技
1ターンに1度、君がHPにダメージを受けた際にリアクションと気ポイント1点を消費することで宣言できる。
次の君のターンまで[精神][死霊][光輝]を除く属性に対して抵抗を得る。

Lv11 筋金入りの肉体

君の体はいよいよもって頑強なものとなる。
それは相手を抑え込む膂力と、攻撃した側の手指さえ破壊するほどだ。
以下の2つの能力を追加で獲得する。
『鉄の指』
君が自分のターン中にクリーチャーに対して素手打撃を命中させた場合、ボーナス・アクションでそのクリーチャーへのつかみを試みることができる。
この際に君は有利を得る。
君のターン開始時、君は自分が掴んでいるクリーチャーへ君の武術ダイス+【筋力】修正値に等しいダメージを与えてもよい。
『受け砕き』
受けの巧技の効果中、君が近接攻撃を受けるたびに攻撃者に対して君の習熟ボーナスの倍に等しい数値のダメージを与える。
この効果で1ターン中に合計15点以上ダメージを与えた場合、対象の武器をその場に落とさせる。

Lv17 不倒

君を打ち倒すことは極めて困難だ。それは君自身の頑強さだけではない。
その体の中に秘める生命力が、致命傷さえ塞ぐほどに純化している証なのだ。
君のHPが0になった時、君は気ポイントを任意の点数消費することで、(『消費した気ポイント』d8)に等しいHPを回復できる。
さらに、君は次のターンに最初に行う近接攻撃には有利を得る。

『蛇巣門』

「先に言っておきます。私はあなたと殺し合いをするつもりはありません」
「ただ…全身の骨を折り砕くまでのことです」

自分の半分もない体格のハーフリングの小男の言葉を、オークの戦士であるヴィラスはただの強がりだと思った。
ヴィラスが、自分の利き腕をあらぬ方向に捻じ曲げられる瞬間まで。
数分後、そこにはヴィラスによく似た死んでいないだけの肉塊が転がっていた。

"折りたたみ鬼の伝説"より

蛇巣門はモンクの門派の中では打撃を重んじない、組技を主体とした門派である。
彼らは相手の肉体の関節を始めとした「鍛えようのない部分」を破壊することで相手を迅速に無力化することを是とする。
そのことから、巧緻と慈悲を併せ持つ門派と語られることもあるが……。
歴史において、蛇巣門は拷問吏や暗殺者にも好まれてきた流派である。
巧緻と慈悲は、時には単純な破壊よりもよほど残酷な結果をもたらすこともある。

Lv3 しなやかな凶手

君の手指はあたかも蛇のごとくにしなやかで精密だ。
武器を用いぬ戦いにおいて、君は相手の意表を突くことに長けている。
君は<手先の早業>技能に習熟する。
君の素手打撃または「妙技」特性をもつ武器による命中判定において、相手クリーチャーのACは-1の修正を受ける。
この効果は相手クリーチャーが視覚を持っていない場合適用されない。

Lv3 関節の籠絡

君は相手に攻撃をした直後、即座に相手にに組み付くことができる。
また、力ではなく技術によっても相手の脱出を封じることが可能となる。
以下の能力2つを追加する。
『組み付き』
君は自分のターン中に攻撃アクションを行った直後に、『組み付き』を宣言できるようになる。
『組み付き』は気ポイントを1点消費し、ボーナスアクションを消費することで隣接クリーチャーに対して「つかみ」を行うことができる特殊な近接攻撃である。
『精妙なる拘束』
君が「つかみ」を行う際、および掴まれた状態のクリーチャーによる脱出判定において、君は【筋力】<運動>ではなく、【敏捷度】<手先の早業>で判定および対抗判定を行える。
君のターン開始時、君は自分が掴んでいるクリーチャーへ君の武術ダイス+【敏捷度】修正値に等しいダメージを与えてもよい。

Lv6 とぐろの瞬発

君は柔軟な体運びにより、バネのごとくに自分の中に力を溜め込めるようになる。
それらを瞬間的に開放することで相手の裏をかくことが可能となるだろう。
君が近接攻撃の対象になった際にリアクションを消費して宣言できる。
攻撃者の命中力判定に対して、君の素手攻撃の命中力判定で対抗判定を行う。
成功した場合、君はその近接攻撃を回避した上で攻撃者に対して「つかみ」による近接攻撃を命中させた扱いとなる。
この際、追加で気ポイントを最大で習熟ボーナスに等しい個数まで消費することで、消費した個数ぶん武術ダイスをロールしてその合計値に等しい無属性ダメージを与える。

Lv11 自在の絞技

君は組み技への熟達により、的確に相手の部位を破壊する技術を体得した。
相手に絡みつきさえすれば、もはや活かすも殺すも君次第だ。
君が「つかみ」による近接攻撃を命中させた時、およびつかんだ状態の対象が脱出判定に失敗するたび、気ポイントを2点消費することで以下のどれかの効果を適用することができる。
腕の破壊:近接/遠隔武器による攻撃および動作要素のある呪文に不利を与える
足の破壊:対象は20点ぶんのHPを回復する効果を受けるまで、移動可能な距離が半分となる。
頸の破壊:対象は追加で(8+習熟ボーナス+君の【敏捷度】修正値)を目標とする【耐久力】セーヴを行い、失敗した場合2d8のダメージを受ける。
心の破壊:対象は追加で(8+習熟ボーナス+君の【敏捷度】修正値)を目標とする【判断力】セーヴを行い、失敗した場合恐怖状態となる。

Lv17 蛇の目

君は組み付いた相手の弱点を即座に理解することができるようになる。
相手の骨や筋肉、血管さえも透けて見るように感じるだろう。
君が自身でつかんでいる対象への近接攻撃は1d20の出目が18以上でクリティカルが発生するようになる。

『流水門』

「ああ、流水門な。知り合いに達人がいるから多少は分かるぜ」
「ドラゴンだって投げ飛ばしたっていう大した傑物さ」
「おいおい、ホラだって思うのは早くねえか?」
「ドラゴンより強い俺さえ、三度か四度はぶん投げられてんだぜ?」

隻眼の武術家、酒瓶片手に語る

流水門は護身術を源流としたモンクの門派のひとつである。
その教えは積極的な武力の行使ではなく、哲学的でさえある修練の道を門弟たちに示す。
武力とは矛を止めるものであり、矛にて止めるものではなし、と。
その理念を反映したかのように、流水門は回避や防御に長けただけではなく、
相手の力を利用し、その無謀な暴力の結果を示し相手を嗜めるような武技を多く持つ。
流水門の道場は各地にあり、脅威より身を守る手段を人々にもたらしている。
少なくとも、受け身が取れるかどうかだけでも…命運は変わりうるのだから。

Lv3 流しの理合

君は迫る攻撃を受け流し、やり過ごすコツを学んだ。
受け流し、自分の外へとその力の流れを持っていくのだ。
君に対して近接/遠隔攻撃が命中した際、リアクションを消費することで『流しの理合』宣言が可能。
気ポイントを1点消費し、武術ダイスを1つロールする。
その結果を自身のACに加算することができ、結果として相手の達成値に勝った場合は回避となる。
レベル6になると、新たにこの武術ダイスによる追加修正をセーヴィング・スローにも適用できるようになる。

Lv3 飛ばしの理合

君はただ敵を殴りつけるのではなく、その動きを阻害し地面に叩きつける技術を学ぶ。
より巨大な相手であるほど、地にぶつかったときの衝撃は重く、苦しいものだ。
君は自分のターン中、アクションを用いて相手に特殊な近接攻撃である『流水投げ』を行える。
これは素手打撃と同様の命中基準値を使用する近接攻撃である。
命中した場合、対象に1d8+【敏捷度】修正値のダメージを与え伏せ状態にする。
また、対象のサイズが中型より1段階大きくなるごとにダメージダイスも1つずつ増えていく。
ただし大型のクリーチャーまでしか伏せ状態にすることはできない。
レベル6になると、超大型のクリーチャーも伏せ状態にすることが可能となる。

Lv6 返しの理合

君は敵の攻撃をいなし、更に相手の力を利用して投げ飛ばす技術を学んだ。
渾身の打撃を、そのまま相手と地面の間に炸裂させるのだ。
君が『流しの理合』によってACを上昇させた直後に近接攻撃を回避した場合、
攻撃者を君から半径5ft(1.5m)以内の任意の地点に再配置することが可能となる。
この際、対象へ(XdY+攻撃者の近接攻撃のダメージロール)に等しい[打撃]ダメージを与え、伏せ状態にする。
Xは君の習熟ボーナス、Yは君の武術ダイスに等しい。
レベル3で習熟ボーナスが2、武術ダイスが1d4ならば、2d4となる。

Lv11 ずらしの理合

君は近くの仲間に対しての攻撃に、素早く割り込むことで攻撃をいなすことができる。
君から半径5ft(1.5m)以内の味方のクリーチャーが近接攻撃の対象になった際に、リアクションを使用するか、気ポイントを2点消費することで、本来のリアクションとは異なる特別なリアクションを得て以下の効果を適用できる。
攻撃対象となった味方のクリーチャーのかわりに君が近接攻撃の対象となり、
改めて命中判定の達成値とACの比べ合いを行う。
この際、既にリアクションによってこの攻撃対象を変更する効果を使用しているならば、気ポイントを2点消費することで『流しの理合』をリアクションを消費せずに発動することができる。
また、上記の「特別なリアクション」によって『ずらしの理合』を使用していたならば、更にもう1ポイント、計3点の気ポイントの消費で『流しの理合』を発動することができる。

Lv17 躱しの理合

君の身のこなしはもはや流れる水のごとく、掴んだと思ってもすぐに抜け出せる程にしなやかで素早い。
そしてそれは、不用意な攻撃者達に君が囚われなくなることを意味する。
君は拘束状態、つかまれた状態、麻痺状態に対して完全耐性を得て、移動速度が減少しなくなる。
また、君のACおよび、習熟しているセーヴ基準値に+3する。

最後に

これらサブクラスのデータは一般的な良識の範疇で改変および自由な使用を許可します。
また、これらのデータの考案に協力してくださったシカナさん、Lizerdfolkさんにここで改めてお礼を申し上げます。

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