見出し画像

ダンジョン&ドラゴンズ5E用サブクラス案:南海の章

はじめに

初めまして、Kasumiと申します。普段から知り合いとシステムを問わずTRPGをやって回っている中で、思いついたデータなどがちまちまあるのをデータとして再出力する次第です。
今回はそれぞれ、バードのサブクラス『王声の楽派』、ローグのサブクラス『海賊の心得』、モンクのサブクラス『活人門』、ファイターのサブクラス『盾陣兵』を紹介します。

"「ダンジョンズ&ドラゴンズ5E用サブクラス案:南海の章」 はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."

https://company.wizards.com/ja/legal/fancontentpolicy

『王声の楽派』

混乱する群衆の前に現れた時、人々は誰も彼を気にもとめなかった。
その少年が鎧を纏い、王冠を被っていたとしても、どうでもよかったのだ。
彼らにとってはただ、自分のことで手一杯だったのだから。
それほどまでに、遠くより地へ迫る巨人の威容は絶望的なものであった。
だが、少年が一つ声を張り、手にした杖で床を鳴らした時。
彼らの混迷はぴしゃりと止んだのだ。
あたかも、王が反乱者を一喝の下に鎮めるように。
まもなく、少年の導きのもと群衆は誰一人踏み潰されず脱出を成し遂げた。

アウグスティア年代記「王なき時代の終わり」より

王声の楽派とは、世界の各地に存在した国々の王族の血を引く者達が密かに受け継いできた技術の楽派である。
彼らは楽器だけではなく、己の声そのものを武器とする。
王とは軍を率い、時には国そのものの命さえも背負う者。
故に彼らは自ら前線へと進み出、武器や旗を手に号令を上げる。
民や配下の模範であり続けることこそ、王声の楽派が無二の先導者としてのバードであり続けられる理由だからだ。

Lv3 王声の装い

彼ら王声のバードは自ら武装し、前線に赴くことこそを誉れとする。
3レベルで王声の楽派に入った時、君は新たに軍用武器と中装鎧、盾の習熟を得る。
また、バードの呪文発動の際、武器を呪文発動の焦点具として使うことができる。

Lv3 号令

君は同じく3レベルで、声援ダイスを対象が得た際に追加の効果を与えられるようになる。
効果は以下のうちより一つを宣言することになる。
攻撃の号令:対象は声援ダイスを保有する限りダメージロールに+2の修正を得る。
防御の号令:対象は声援ダイスを保有する限りACおよびセーヴィング・スローに+1修正を得る
予防の号令:対象は声援ダイスを保有する限り心術、変性術、および[毒][精神]属性のダメージを与える効果に対するセーヴィング・スローに+2修正を得る。
覇気の号令:対象は声援ダイスを受け取った時点でリアクションを使用することで、その値に等しい一時HPを獲得する。
庇護の号令:対象は声援ダイスを自身のボーナスアクションでロールすることで、その値に等しいHPを回復できる。

LV6 王来の凱歌

君が奏でる凱歌は、人々に限りない勇気と希望を齎す。
君が「心を守る歌」を使用した際、自身の習熟ボーナスを上限として自身のヒット・ダイスをロールしてもよい。
「心を守る歌」を聞くことのできる君が選んだクリーチャーは、そのロール結果に等しいHPを回復する。

Lv14 瞬く指図

君は卓越した軍師にも匹敵する慧眼を得た。
これにより君は、仲間をより早く行動させることができる。
君はリアクションを用いてクリーチャー1体を指定する。
声援ダイスを1つロールし、その出目に等しい数字を対象のイニシアチブに加算する。
この加算した数値はこのラウンド終了時に消失する。

『海賊の心得』

「だから俺は見たんだって!」
「あの切り込み隊長のウィルが、オーガの力自慢と渡り合いながらよ!」
「脇でおいらがブン殴ったオークのドタマを銃で吹っ飛ばしたんだって!」
酒場で騒ぐ海賊たちの話題の中心は、下っ端から切り込み隊長まで駆け上がった若い海賊の武勇伝だ。
当事者の青年はと言えば、まさか偶然だとばかりに肩をすくめていたが…。

直後、彼らへの復讐になだれ込んで来た海賊達の群れが迫れば、もうそれは偶然だと謙遜することは難しくなった。

「海賊の営み:陸でも彼らは厄介者」より

海賊の心得は、彼らが揺れる船の上や水場など、足場が不確かな場所での戦いや乱戦、特に敵味方が入り乱れ、銃弾や剣があちこちを飛び交う状況での戦いの中で積み上げられた技術である。
彼らは自身の手柄を決して見逃さず、時には味方さえも利用して獲物を穿つ。
そしてその後の酒の席では必ずこう告げるのだ。
「全ては味方のおかげ。自分はおこぼれをもらっただけ」と。

このクラスの特徴の中には、対象にセーヴィング・スローを行わせる効果が含まれている。
その際のセーヴィング・スロー目標値は、[8+君の習熟ボーナス+君の【敏捷度】修正値]となる。

Lv3 海賊の心得

君は海賊の必須の能力として登攀と水中それぞれの移動速度20ft(6m)を得る。
また、乗り物(船)の技能習熟と、もしDMが採用しているならば銃器の習熟を得る。

Lv3 追撃の名手

君は乱戦の中で油断なく立ち回り、他者の隙を穿つコツを学んだ。
仲間だけに任せるというのも悪いというものだ。
君はリアクションを用いて、近接攻撃か遠隔攻撃ができる。
ただしこれで攻撃できるのは、以下の条件を満たしている対象のみである。
1)まだこのラウンド中、君に対して近接攻撃をしていないクリーチャー
2)このラウンド中、味方クリーチャーからの攻撃の対象となったクリーチャー
このリアクションによる攻撃は、君以外の味方のクリーチャーがターンを終えたタイミングでのみ使用できる。
この際に命中した攻撃が条件を満たしているならば、急所攻撃によるダメージ増加も発生する。

Lv9 乱戦のトリックスター

君は相手の急所を貫く際、より深いダメージを与える技術を得た。
君が急所攻撃によるダメージを発生させた際、ダメージを受けたクリーチャーは【耐久力】セーヴィング・スローを行う。
これに失敗した対象は、盲目状態となる。
またこの際、目標値とセーヴィング・スローの結果の間に5以上の差があった場合、代わりに対象を拘束状態にする。

Lv13 鷹の目の機転

君は乱戦の中で、より確実に獲物に狙いをつけられるようになる。
君がアクション以外を用いてクリーチャーを攻撃する際、対象のACを-2して計算し、ダメージロールの[1]の目を全て[2]として計算させる。

Lv17 海賊式剣闘術

君の俊敏な動作はもはや絶技のものとなった。
特に乱戦の中では、誰かの攻撃の直後を縫うことなど容易い。
君は戦闘中、特別なリアクションを1ラウンド中に3度まで行うことができる。
また、君の急所攻撃は1ターン中に2度まで発動するようになる。
ただし、リアクションによる攻撃は1ラウンド中に同じクリーチャーに2度行うことはできない。

『活人門』

「あの時は驚きました。私の父には古傷がありまして、それが街の階段を踏み外して落ちた時に開いてしまったんです」
「みるみるうちに父の顔色が悪くなる中で、私もどうすればいいかと分からなかった時……あの人が来たんです」
「あの人が、傷口に手を触れて……ギュッと力を込めると、みるみるうちに父の顔色が良くなりました」
「あの人、変わったマントを身に着けていましたがどこの国の生まれの方なのでしょう……」

とある冒険者の宿に寄せられた人探しの依頼

活人門は、モンクの流派の中でも類稀な人体への研究と、氣による人体の治療活性化を目的とした門派である。
彼らは元は、武術によって人々の諍いを未然に防ぐこと、そして起きてしまった諍いによる傷を癒やして回ることを目的とする集団である。
現代で活人門は大きく分けて二つの派閥に分かれており、武術を極めることで争いの発生を抑止することを掲げる派閥と、争いの原因となる病や怪我をなくすことで人々の遺恨を消し去ろうとする派閥が、共に競い合うように活動を続けている。

Lv3 活人拳

君は活人門の基礎と言える、氣を用いた治療術を学んだ。
君は<医術>に習熟する。
また、ボーナスアクションで氣ポイントを1点消費することで、隣接したクリーチャーのHPを武術ダイス+判断力に等しいだけ回復させる。
またこの際、氣ポイントをさらにもう1点消費することで、レッサー・レストレーションと同等の効果を発生させる。
レベル11以降は、この際に氣ポイントを最大で3点まで消費することができるようになり、その数に等しい武術ダイスの個数に回復量も変更される。

Lv3 壊炎拳

君は活人門の武術としての基礎である、氣を熱に転換して拳に乗せる技術を体得する。
君が素手でクリーチャーに攻撃を命中させると、1氣ポイントを消費することでそのダメージに武術ダイスの1ロール+耐久力修正値に等しい[火]ダメージを与えることができる。
この効果は1ターン中一度のみ使用可能である。
またレベル11以降は、これは連打による素手攻撃については氣ポイントを消費せずそれぞれのダメージロールで発生させられるようになる。

Lv6 氣の循環

君は体内の氣を循環させることで、自身を蝕む毒や病気に対して耐性を得た。
君は毒・病気によるダメージに抵抗を持ち、それらの効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。
また、君が「活人拳」によりHPを回復させた対象も、以後1分間の間同様の耐性を得ることができる。

Lv11  氣の波濤

君は溢れる氣を用いて、遠方の者までもを同時治療や攻撃することができるようになった。
君が「活人拳」を使用する際、追加で氣ポイントを3点消費することで、
対象となるクリーチャーを君から半径30ft(9m)以内の、任意の数の対象へと変更できる。
また、君が「連打」による攻撃を行う際、対象となるクリーチャーの直線上30ft(9m)以内に他のクリーチャーがいる場合、そのうち1体も連打による攻撃の対象として同時に取ることができるようになる。

Lv17 活路の孔撃

君は人体への深い理解の末に、他者を活かすも壊すも自在の領域へとたどり着いた。
君は素手攻撃を命中させた際、氣ポイントを最大で3点まで消費することができる。
直後のダメージに消費したポイントに等しい数の武術ダイスをダメージロールに加えることができる。
この攻撃で減少したHPは、対象のクリーチャーが大休憩を経るまで回復しない。
この効果は1ラウンドに1度までしか使用できない。
また君は、「活人拳」で他者を回復させた際、氣ポイントを追加で2点消費することで、対象となったクリーチャーに「護身」「疾風足」のどちらか君が選択して付与し、また次にアクションで行う判定に対して一度だけ武術ダイスをひとつロールしその達成値を上乗せする権利を与える。

『盾陣兵』

「なに?右翼の軽歩兵隊が崩れた?」
伝令の兵士の告げる言葉に、大盾と槍を携え、象徴的な兜を身に着けた隊長は僅かに目を細めた。
左翼に展開した自分達の隊めがけ、敵が突っ込んでくることは想像に難くない。
ならば――
「全員に告げろ」「このまま敵の矢の雨に突入し、本陣を叩く」
「己の盾を信じろ。それとお前らの隣の兄弟もな」
「あとは……パーフォロスの加護も!」
それからしばらくあと。
右翼の軽装歩兵を切り崩した敵の騎兵部隊が知るのは、重装歩兵の群れが本陣を踏み潰したという知らせであった。

テーロス年代記より「火の平野の死闘」

盾陣兵は、その名のごとく盾を用いた防御的な戦闘に熟達した兵士を示す名だ。
彼らは必ずと言っていいほど大きな盾を携え、あらゆる敵の攻撃を盾にて受け止めんとする。
だが彼らの強さの真価は防御力ではない。
位置取りによって己の防御力を最大限に活かす連携能力なのだ。
そして重装備の歩兵ばかりが想像されるが、中には盾を頼りとする軽装の遊撃手もこの技術を会得していることがある。

このクラスの特徴の中には、対象にセーヴィング・スローを行わせる効果が含まれている。
セーヴィング・スローの目標値は[8+君の習熟ボーナス+君の【筋力】or【耐久力】修正値]となる。

Lv3 盾陣の誓い

盾陣兵となるということは、盾を用いて闘うという誓いを立てることだ。
君自身を守るためだけではない。君が手の届く範囲の仲間を守るために。
君が盾陣兵となった時、君は取得する戦闘スタイルを以下のどれかに変更せねばならなくなる。
・片手武器戦闘
・防御
・護衛
また、盾を装備している限り追加で君のACは+1され、全てのセーヴィング・スローに+1の修正を得る。
また、レベル7以降、君は自身の近接攻撃のダメージロールに、装備している盾のAC修正に等しい数値の修正を得る。

Lv3 挑発

君はアクションを消費することで、自身の視界が通る範囲の30ft(9m)以内のクリーチャーの注意を引くことができる。
君の習熟ボーナスに等しい数のクリーチャーは【判断力】セーヴィング・スローを行う。
失敗した場合、次の君のターンの終了時まで、君以外の目標への攻撃ロールには不利を受ける。
また、レベル7以降、この挑発を行う度、[1d10]の追加HPを得る。
既に追加HPがある場合は得られない。

Lv7 属性防御

君は単なる物理攻撃だけでなく、ドラゴンのブレスや魔法までもをたやすく捌けるようになる。
君はボーナスアクションで以下のどれかの属性一つを宣言する。
[酸][電撃][火][雷鳴][冷気][毒]
君は宣言した属性について、次の君のターン終了時まで抵抗を得る。
また、君から5ft(1.5m)以内で君が合意するクリーチャーも、この効果を受けることができる。

Lv10 盾兵の突撃

君は分厚い盾を手にしながらも、素早い突撃を可能とする。
これは攻めのための技術であると同時に、仲間のもとに素早くたどり着くための技術だ。
君はアクションを用いて、自身の移動速度に等しい距離を移動することができる。
この際、進路上にいる敵対クリーチャーがいる場合は、対象のいるエリアを通り抜けながら近接攻撃を行える。
この際の移動する君に対しての機会攻撃は不利を受ける。
ただし君より2段階以上サイズが大きいクリーチャーが進路上にいた場合、その5ft(1.5m)以前の地点で停止する。
君はこれを1度しか使用できず、小休憩か大休憩を経ることで使用回数は回復する。

Lv15 決死の守り

君は時には仲間が受ける致命的な一撃の間に割り込み、その傷を引き受けることができるようになる。
戦闘中、君から5ft(1.5m)以内で君が合意するクリーチャーがダメージを受けた際、君はリアクションを用いることで、そのダメージの半分を代わりに引き受けることができる。
君はこれを1度しか使用できず、小休憩か大休憩を経ることで使用回数は回復する。

Lv18 攻防一体

君は優れた守りの名手であると同時に、軍団に匹敵する反撃の達人ともなる。
戦闘中の君は、君自身を除く全てのクリーチャーのターンごとに1回ずつ、特別なリアクションを行える。
これはラウンド中に君に対して攻撃を行った対象に対して近接攻撃を行うことにのみ使用できる。
この特別なリアクションと本来のリアクションを同じターン中に行うことはできず、この特別なリアクションによる近接攻撃は1ラウンド中に同じクリーチャーに2度行うことはできない。

最後に

これらサブクラスのデータは一般的な良識の範疇で改変および自由な使用を許可します。
また、これらのデータの考案に協力してくださったシカナさんにここで改めてお礼を申し上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?