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.SWOOSHの発表にみるNIKEとRTFKTの戦略

昨日、突然NIKEが公式からではなくメディアを通じてNike Virtual StudiosがWeb3進出のアナウンスを行いました。今回はそれらの記事や昨晩のRug Radio、関係者のツイートを基に情報をまとめていきたいと思います。

NIKEのWeb3プラットフォームで出来る事は?

スペースを聴いた限りではキーワードはずばり"Creation & Collection"のようです。Creationですが、従来は基本的にNIKEに所属するクリエイターがデザインしていたものを販売してきました。一方で.SWOOSH上ではコミュニティ内での協業やコンペなどを通じてあらゆるクリエイターにチャンスがやってくる事になりそうです。

そこで採用されたデザインはNIKEのデジタルグッズのNFTとして販売され、ロイヤリティ収入がクリエイターにも入ってきます。NIKEとコラボできるなんて夢のようですよね!またクリエイターでなくてもコミュニティ投票でシューズや靴紐の色などを決められるそうなので、Creationというのはクリエイターやコミュニティを巻き込んだ”共創”ということですね。

そしてCollectionの方ですが、既にRTFKTに限らずNFT界隈のコレクターの動向を見れば分かる通り、NFTはコレクターによるShow offカルチャーがあります。一方でNIKEを代表とするシューズもCollectionとしての文化が既に存在しているので、その両方の体験がマスをターゲットにスムーズに実施されるようなプラットフォームになりそうです。なるほど、これは壮大!

しかし、Vogue Business等の記事を最初に読んだ時、筆者の率直な感想は、"あれ?これは元々RTFKTに期待したものだったな"でした。皆さんはどうでしたか?

NIKEとRTFKTの間での差別化

ではRTFKTは今後NIKEグループの中でどういう位置づけになっていくのか?.SWOOSHとの差別化は何なのか?この辺りが気になっていきますよね。このあたりを探って行きましょう。

この点に関して、NIKE Virtual StudiosのトップのFarisさんは以下のように説明しています。

1つ目はRTFKTはラグジュアリーブランドの位置付けのままでNIKE側はマスをターゲットにするという事。.SWOOSH側は実際に価格帯は$50とかを考えているようです。これはNFTとしてみるならかなり安いですし、既存のシューズの価格帯を考えれば妥当ですね。

では、NIKEが今までおこなってきた高額なコラボ案件はどうなる?という疑問も湧きますが、まあ、自然に考えるとそこはRTFKTからではなくNIKEから出てくるのでしょうね。

2つ目は.SWOOSHは従来の流通網やコミュニティの教育係を行うということです。次の数百万人をWeb3に連れてこようとしているのだから重要な取り組みです。既にアメリカの主要都市の主要ショップでツアーが組まれているみたいですが、これは世界中のNIKEの支社を通して次第に各国で広がっていくでしょう。当然この人海戦術的な事はRTFKTではまず無理ですし、この話を聞いた時に世界的な企業の中でどこよりも真っ先にWeb3への適応を真面目に考えてるなと心の中で称賛しました。

今後のRTFKTの戦略は?

先月RTFKTがAnimusがアナウンスして以来、CloneX仲間とずっとRTFKTの戦略の方向性が変わってきた事をスペース上で議論してきました。それまではWeb3時代でのファッションブランド及びプラットフォームにフォーカスしてきたものと思ってましたが、Animusの登場によりゲーム分野への進出の可能性が濃厚になってきました。その意図が筆者にはピンと来てなかったのですが、今回の.SWOOSHの発表でお互いの線引が明確になったこともあり、少しヒントが見えた気がします。

重要な点はCloneがNIKEのアイテムを装着できるという点です。双方の関係を考えると、一見これは当たり前で自然な話です。今までもCloneはマネキンであってRTFKT発の様々なファッションアイテムをその身に纏えるという形で進んできました。

しかし今回のアナウンスから想像するに、そこから更に一歩踏み込んでNIKEを纏ったCloneがモデルとして活躍する使命が生まれたように感じます。

では、その舞台はどこでしょうか?本命がやはりゲームなのではないでしょうか。

ゲームとなると当然プレイヤー数が重要です。CloneXは全部で20000体、ウォレット数はその約半分しかありません。そこで将来のゲーム人口を増やすために出てきたのがRIMOWAとのコラボのMeta-Artisan Collectionであり、Animusなのでしょう。これらを通じてプレイヤーの拡大が命題という訳です。

但し、もちろんAnimusやWorkbotなどは人間の形はしていないので、これらの役割はプレイヤー人口の増加であって、NIKEの衣装を纏うことではないでしょう。あくまで重要なのはモデルとしてのCloneがその他大多数のプレイヤーや視聴者の目に留まるという事のはずです。今回の発表で、その点が裏付けされたように感じました。

ゲームに関するRTFKTの今後の展開としてはいくつか考えられます。OthersideなどのMMRO参入もあるでしょうし、eスポーツで人気のゲームとのコラボもあるかもしれません。独自にM2EやポケモンGOという可能性も根強く噂されています。個人的には開発に時間とお金がかかるゲーム開発をRTFKTが着手するようには思えないで、どのような形でゲームに入っていくのか注目しています。

.SWOOSHのロードマップ

まだ手探りのような印象を受けますが、今週11/18から最初のグループが登録できるようになるみたいですね。RTFKT側の説明ではCloneXホルダーもこのタイミングで出来るようなニュアンスですが、続報はあと数日待ちましょう。

そして最初の発売は来年1月と既にアナウンスが出ています。BlockchainはPolygonで、BitGoを使ったウォレット/支払いの仕組みを通じて現金やクレカで購入が出来る模様です。スマコンとマーケットプレイスはSydigateDAOと協力して作成しているとスペースでは言われてました。販売が1月である事を考えると、既に開発自体はだいぶ進んでいるとみていいでしょう。あともう少し!

おまけ

昨日とあるコミュニティ内のRTFKTメンバーの発言で11/24にフォージング関連のイベントがあるという話が出ていました。直感的に例のDNA毎のAF1のフォージングかと思ってましたが、Rug RadioでZaptioが卵のミントが今月中であるというαをいきなり暴露してましたので、ひょっとしたら同じ話かもしれません。仮想通貨界隈全体としては最悪な時期を迎えてますが、これだけホットなニュースを提供してくれるNIKE/RTFKTに目が話せないですね。今後がとても楽しみです!

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