DidNapper翻訳あとがき

 ここまでご覧くださりありがとうございます。DIDNapper日本語化プロジェクトです。ここでは私が翻訳を通して学んだこと、感じたことなどをずっと書き連ねていくだけなのでたとえ見てくださらなくても結構です。

1.DidNapperのすごさ

 コンテンツ量がフリーゲームの域を超えてます。ツクールのフリーゲームというと青鬼、魔女の森などのホラゲーが有名でしょうか。ホラゲーじゃないと悠遠物語とかがあるでしょうか。
 これらの国産ツクール系フリーゲームはもちろん言うまでもなく名作です。フリーゲームの枠を超え、同人ツクールゲームとして有名なのは腐海に眠る王女のアバドーンでしょうか。(私はこのゲームを某RTAで知りました。)

 しかし、これらの作品と比べてみたとしてもこのゲームは良質で、特徴あるゲームシステムを備え絶対に見劣りすることはありません。さらにCG数を取っても優に10を超え、PrivateCellの差分は30以上。PrivateCellは翻訳に一カ月以上かかるほどボリュームがあります。(画像フォルダのサイズは65MB以上あります。)

 もちろん、メインチャプターの翻訳には半年以上の月日を費やしています。これだけのボリュームがある同人ゲームはそうそうありません。もちろん、毎日を翻訳に費やしたわけではないのですが9月に入ってからはほぼ毎日(私は土日にバイトがあるので土日はできない日のほうが多いのですが)平均3時間翻訳に費やしました。

 そしてDidNapperといえば先ほども言及しましたがやはりPrivateCellでしょう。捕まえれる子は全員女の子なので百合を存分に楽しめます。キスしたり、叩いたり、くすぐったり…衣装を変えることもでき、私たちを飽きさせない工夫が幾重にも散りばめられています。
 DidNapperにはたくさんの個性的なキャラクターがいます。その個性がなくならないように口調に変化をつける、一人称に癖を出すなどの原典にはない翻訳もたくさんやってます。「原典に忠実」よりも「日本語としてのわかりやすさ」をかなり重視しています。皆さんにはPrivateCellをはじめたくさんのイベントも楽しんでほしいです。

 話題が逸れてしまいましたね。DidNapperのすごさはプレイしてみればちゃんとわかるものですのでぜひぜひみなさんもプレイしていただきたい!

2.翻訳活動を振り返って~懺悔~

 さて、ここから私の自分語りをさせていただきたいです。 

 正直に申し上げます。私は4月下旬~6月の間、翻訳をほぼしてませんでした!Twitterを見ていただければわかるのですが、その間に何もツイートしていなかったのがその証拠です。7月に入りようやくChapter3に手をかけてたのはそのせいです。
 理由はいくつかあります。引っ越ししたてや環境の変化で大分忙しかったのもあります。
 しかし、一番の理由が「怠け」です。ゲームなどの娯楽漬けの毎日を過ごしていたため、翻訳する気にもなれませんでした。さらに、その時点で通しでクリアしてなかった(改めて考えると阿呆すぎる…)ので終わりが見えなかったのもあります。思ったよりも翻訳の量が多かったのもやる気の低下に拍車を掛けました。
 はぁ…。昔のことを思い出しても仕方ないのですが、我ながらお恥ずかしいです。

3.翻訳活動を振り返って~PCの故障~

 そんなふうにだらだらと過ごしていたら7月の頭にとある事件が起こりました。それがPCの故障です。

 バッグの中にノートパソコンを入れて雨の中を自転車で運転していたら浸水して壊れてしまいました。SSDがなんとか生きていたのでデータの抽出はできたのですが、この時点ではメインPCで作業はできないと考えており翻訳活動が物理的にできなくなっていました。

 この出来事を受けて私は当時こう考えてしまったのです。
「おお、これで翻訳できないもっともな理由ができたな」
…と。

 お恥ずかしい限りです。しかし、その時、たまたま自分のアカウントいいね欄を除いたのですが、
「翻訳活動頑張ってください」
「日本語版心待ちにしてます」
などの暖かいコメントが過去に来ていたのです。当時はこれをプレッシャーに感じていたのですが、翻訳ができない状況になって初めて私は翻訳活動を止めてしまっていたことに対する申し訳なさを感じるようになりました。
 そこから私は翻訳活動を改めて開始するのです。

4.過去を振り返って~メインPCでの作業開始~

 7月から本格的に翻訳活動を再開するのですが、新しいノートパソコンのキーボードがすごく使いづらいのです…さらにメインPCを普段は触っているのでDidNapperを翻訳するためだけにノートパソコンを立ち上げるということを繰り返していたのですごい非効率でした。

 なぜこんなことをしていたのかと言いますと、メインPCを購入した際にツクールXPを入れて翻訳の続きをしようとしたのですが、なぜかできなかったのです。

画像1

 こんな症状は見たことない上、ツクールXPは昔のソフトだったため質問しようにもできない状況でした。ノートパソコン(水没した奴)では問題が無かったため、仕方なくノートパソコンで編集を開始しました。

 さてノートパソコンが水没し新たなパソコンで翻訳を進めていたある日、私はもう一度メインPCで翻訳を試すことにしたのです。理由ははっきりと覚えてないのですが、「なんかの間違いで動作しないかな」といったぐらいの心持ちで試してみたはずです。


そしたら動いてしまったんですね(笑)

なぜ動いたんだろう…

そこからの翻訳活動は本当に楽しかったです。

4.過去を振り返って~Private Hell~

 Chapter7が10月8日、Chapter8が10月10日、Chapter9が10月12日、Chapter10が10月15日に終わり、この辺りの翻訳スピードは目を瞠るものがありましたね。モチベーションが最高潮に達していた時期だったのですごい楽しく翻訳をしていたことを覚えています。
 そこから10月終わりまでサイドチャプターやサイドクエスト類の翻訳をしていました。そこそこ長かったですね。
 そして10月も終わろうとしたころにこんなツイートをしました。

これは比喩ではありません。本当に一番辛いです。理由は二つあります。

・単純に量が多い
・単調すぎてつまらない

PrivateCellは大きく10種類のアクションができます。その1アクションごとにおよそ30個ほどの会話シーンがあります。
単純に1個当たり2文としましょう。そうすると1アクション60文。つまり一人当たり600文を翻訳しなくてはなりません。それが18人います。初期のころは終わりがみえず、モチベーションが急激に低下しましたね。
 もう少しすると翻訳配信なるものを始めるのですが、あれは翻訳作業の苦痛度を下げるためにやってます。単調すぎるため、他の人と交流しつつやれば…という考えですね。個人的に効果はあったと考えています。配信来てくれた人、本当にありがとうございます!

 ちなみに、PrivateCellの多くは有志の皆様に翻訳していただいています。私がやったのは口調の訂正、文章校正、また一部翻訳の修正です。先ほどのツイートの「翻訳が辛い」というのは語弊がありますが、PrivateCellの原文を見て確認作業をしたことを一応伝えておきます。

4.過去を振り返って~リリース直前~

 これは本当に一週間前とかの話になります。Private Cellには手を焼きましたが、なんとか終えて残りの細かい部分の翻訳に入ったのですが…

通しのテストプレイで未翻訳箇所が60か所以上見つかりました…w

急いでその翻訳をしたり、他にもマップなどの画像の日本語化などもありかなり忙しかったです。ご存じの通り、DidNapperでは予備の縄が道端で入手できるのですが、どこにあるかまとめたサイトは当然なく見つけては翻訳という形で進めていたので当然翻訳漏れが頻出してしまいました。

 最後の方になり、ようやくrpgdebugxpを使うという発想にいたり、これで多くの翻訳が完成したことを知らせておきます。このツールの製作者様には頭が上がりません…

5.最後に DidNapper日本語化プロジェクトより

 本当にこの10か月間もの間お付き合いしてくださってありがとうございました!フォロワーの皆様がいなかったら決して達成できなかったことだと思っています。それに、私が支援していた様々なDIDクリエイターの方々に対して私がこうやってそういった皆様に翻訳という形で還元できることができ、非常に嬉しく思っています。

リリース10日後にはDidNapper2が発売されます。このタイミングで日本語版をリリースできたことにとても私は満足しています。

ここまで見てくださり本当にありがとうございました。

そしてDidNapper日本語化プロジェクトを支援していただき、重ねて感謝を申し上げます。

本当にありがとうございました!

・今後の予定

 今後、DidNapper2の翻訳をするかどうかは決めかねています。私もこの数か月間はDidNapper以外のことをほとんどしてないので溜まったゲームや将来のための勉学の時間を少し作りたいなと思っていますが、DidNapper2も名作であることには変わりはなく、むしろDidNapperの日本での知名度獲得には日本語訳が必要不可欠なのでしょう。

 しかし、保留とさせてください。DidNapper2は1よりもコンテンツ量が多いとされています。(Ken氏から聞きました。)正直なところそんな量をもう一度やるとなると心理的ハードルをどうしても感じてしまいます…

 また、私は翻訳がメインの職業でもありません。英語が特段得意という訳でもありません。渡航経験がないわけではないのですが、それは大分若い時で、あの時の経験が翻訳に活きているという訳でもないのです。

 そのため、DN2が発売され完全クリアを果たすまで、保留とさせてください。いずれ結論を出し、Twitter上で共有します。それまでお待ちください。

・おまけ(中の人のリアル透け注意)

 日本語化プロジェクトが立ち上がった当時の2/4のツイート時点では実は…受験期でした!さらに言うと試験前日でした…つまり、その時点ではまだ翻訳できるような状態では全くなく、むしろやってる場合じゃなかったのです。
 自慢出来ない自慢で申し訳ないです。ちなみに合格しました。やったぜ。初めてDiscordに登録したのもその日です。私のDiscordデビューはDID Gamesからです。


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