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老後に頼れる子供がいないという友人の矛盾

友人と義父母の関係

妻同士、夫同士が友人関係の、私の友人夫妻は子供がいない。不妊治療もしばらくしていたらしいが、結局は子供を持つことができずに今に至る、彼女はもうすぐ50才。少し前から、不眠でつらいという話を彼女から聞いていて、生理不順もしばらく続いていて、年齢的に更年期の症状だろうという自覚もある彼女。
夫同士は趣味のスポーツが同じでときどき一緒にプレーする仲だが、込み入ったプライベートな話題はあまりしない関係性らしい。
友人夫婦は(以降、妻をMさん、夫をHさんとします)、Hさんのご両親と徒歩で訪問できる距離に暮らしていて、Hさんの父は糖尿病の持病に加え、最近は物忘れがとても激しく(私は、それが自分の父親の認知症の始まりと似ていることから認知症なのではとMさんに話すものの、彼女はお義父さんには認知症はないと思っている)、インスリン注射もお義母さんがいなければできないし、食事の支度や家事一切なにもしない人だから一人で暮らせる状態ではないとのこと。
Hさんのお母さんは、まだ運転もするし、教会にでかけたり、お元気らしい
Mさんと義父母との関係は良好で、Mさん宅が留守になるときは犬を預かってもらったり、Mさんは時にはお義母さんに電車の駅まで車で送迎してもらったり、なにかとちょっとしたものを買ってもらったり買ってあげたり、また、不妊治療をしていたときは費用をサポートしてもらったりもしたらしいし、子供をあきらめたときにもそれを咎められたり嫌味を言われたりしたこともないそうだ。

夫婦と友人

親思いの夫に対する不満

Hさんは毎週ほどでもないが月に数回、弟のLさんと一緒に、ご両親とランチやディナーに出かけるそうで、Mさんはそれを好ましく思っていない。毎回ご両親の食事代をHさんかLさんが交代で負担しており、Mさんはそれも不服に感じているものの、Hさんが食事にでかけることを咎めたりすることはしない。誕生日やクリスマスなど特別なときはMさんも食事会に参加することはあるが、それでも基本は一緒には行かない。
Mさんは常々、また結婚する前から、夫であるHさんに、同居は絶対にしないと宣言しており、Hさんが、弟 Lさんが未婚で、車で30分くらいの距離の市内に住んでいるので、万が一のときは弟が、、、と思っているようだが、介護が必要になったらどうするのかを兄弟で相談したことはないようである、と、Mさんはそれについてもとても不満に思っている。
先日、Hさんのお母さんが急に倒れてしばらく入院することになった。Hさんのお母さんが入院している間も、Mさんはお義父さんを一時的に預かることも断固拒否して(HさんもMさんの気持ちをわかっていたからだろう、Mさんに一切なにか頼むことはなかったそうだが)、Hさんがご両親の家で寝泊まりしてお父さんの世話をした。Hさんのお母さんは数日入院はしたものの、回復してすぐに家に戻ることができ、いまは普通に暮らしていて、Hさんも自分の家に戻っている。
Mさんは、義父母が息子にとても依存しており、なにかと頼ってきて、しかも子供が親の面倒を見るのは当たり前だと思っているのがとても気に入らないうえ、夫であるHさんがそれを当然のこととして受け入れており、親孝行で甲斐甲斐しく親の頼み事を文句一つ言わず聞き入れていることに嫌悪感を抱いている。「義父母はなんでも息子に頼ってくるし、夫も親のためにと嫌な顔ひとつしない、キモチワル!」と言うのである。

夫は優しい、だけど子供がいない

傍目には、Hさんはとても穏やかで、情熱的な表現はしないもののMさんへの愛情にあふれていることはよくわかる。私から見たら、Mさんの友達への対応も、ともすればMさんはHさんに甘えすぎているのでは?と思うほどだし、折りに触れ彼女のよろこぶ贈り物も欠かさない。
子供ができないこともとうに受け入れており、妻と愛犬たちとの暮らしをとても愛しく思っているのだろうことが伝わってくる。
先日、Mさんともう一人の友人と3人で女子会をしたときのこと。
更年期の不眠の辛さを訴えるMさんの話しのなかに、50才でもう閉経なんて、子供を産める可能性がもう完全になくなって女じゃなくなる、という発言があり、彼女の話を一緒に聞いていたもう一人の友人と私はぎょっとした。Mさんはまだ、妊娠するかもしれない奇跡的な可能性を信じていたのだ、子供を持たない現実を受け入れきれていなかったのだ、と気付いた瞬間だった。
閉経したから女性でなくなるわけではない、閉経した後に代理母として娘のために孫を出産した女性はいるし、子供が産めない=女性でないという考えはどうかと思う、と二人して彼女を慰めた、のだが、そのときの私は、もう閉経している私に対する配慮の無さ?に呆然としていた。
(一緒に聞いていたもう一人の友人も、子供がいない夫婦である)

老後に頼れる子供がいない

Mさんと話していると時々、「私には老後に頼れる子供がいない、いいよね、息子さんがいて」と言われる時がある。
私は息子の話を彼女の前ではほとんどしない。子供がいない友人とは、子どもの話が話題に登ることもほぼないし、息子たちに関わる話題は、相手から聞かれたときに聞かれたことにだけ答えるようにしていて、必要もないのに自分から話題に出したり、話のなかに出てきても息子たちのエピソード部分を膨らませたりすることもない。無意識に気を遣っているのかもしれないが、それよりも、共通の話題でないことなので共感することも共感を得ることもないし、話が一方的になりやすいので自然と出てこない、という気がする。
女子会のときに、3人それぞれに高齢化した自分の親や義父母の話題になった。私が、夫の義母のことで、夫の義妹への関わり方や私に対する期待への不満を話題にすると、MさんはHさんと義父母の話しと絡めて、「私たちには老後に頼れる子供がいない、いいよね、息子さんがいて」とまた言ってきた。

更年期のせいなの?

Mさんにそう言われたとき私は「子供が全員、Hさんみたいに親孝行な親思いの子どもとは限らないし、それより、子供が自立して生活していけるようになるのか、万が一のときに自分が子供を支えられるか、そんな心配のほうが大きくて、子供に自分の老後の世話を頼めるから安心などと考えたこともない」と必ず言っている。
その時も私はそうMさんに言ったのだが、いつもと違ってMさんは絡んできたので、私は、介護しなければという思いで子供に負担をかけたくない、と言うと、それでも年老いて介護が必要な親を子どもたちは放っておけないでしょ、と詰め寄ってきた。
そもそも、Mさんの ”老後に頼れる子供がいない”発言が、Hさんのご両親孝行への不満に対して矛盾していることに悶々としていた私は、そのときは、その前のMさんの”閉経したら女性じゃない”発言への不快感も相まって、つい「だってもし、息子の結婚相手がMさんみたいに、親の面倒をみる息子をキモチワルっていう人だったら息子が板挟みになってしまう」と、本当につい、言ってしまった。我慢しきれずに、Mさんの自己矛盾を指摘してしまった。

ほかのことにはいつも懐深く、思いやりがあって面倒見がよいMさんなのに、、、これも更年期のせいなのだろうか?


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