Ⅲ.習近平新時代中国特色社会主義思想・学生読本・初中  p.30-31【3-1-2】④

2-6:美丽是社会主义现代化国家生态文明建设的要求。建设生态文明是中华民族永续发展的千年大计。进入新时代,人民对干净的水、清新的空气、优美的环境等要求越来越高。我们要实现人与自然和谐共生,像保护眼睛一样保护生态环境,建设美丽中国。

意訳:意訳:美しさとは、「社会主義が現代化された国家」のエコロジー文化(生態文明)建設に求められるものです。エコロジー文化の建設は、中華民族が永続的に発展するための千年の大計です。新時代に入って、人民の清浄な水・新鮮な空気・美しい環境などに対する要求はどんどん高くなっています。私たちはヒトと自然の調和と共生を実現し、自分の眼を守るように生態環境を守り、美しい中国を作らなくてはなりません。

①生态文明(生態文明):エコ文化。「持続可能な社会」(SDGs)は、中国でも目標とされている。中国といえば環境汚染という印象は未だ根強いものがあるが、体感で言えば、2019年ごろから急速に改善した。
 このころ中国政府は「小康社会」(ゆとりある社会)を実現したと宣言して「美好生活」(より良い生活)の段階へ進み、それまでの「量的な豊かさ」の追求を卒業して、「質的な豊かさ」を目指すようになった。その後、コロナ禍が始まって往来が途絶えてしまったためわかりにくいが、中国人観光客の観光目的もかつての「爆買い」(量)から「体験」(質)へと変わっている。
 中国人観光客だからとなめてかからず、日本人観光客(眼と舌が肥えており、要求する水準が高い)を相手する時と同じ気持ちで高いサービスを提供できる観光地しか生き残れないだろう。
②文明:ここでいう「文明」のニュアンスは、「文明開化」「文明人」の「文明」である。科学技術の高さではなく、科学技術の使い所というか、発展させる方向性に関する人々の意識の高さ。すなわち人々が目先の経済発展よりも環境保全に重きを置く、というか、置けるだけの余裕がすでにある社会であることを指す。現在(2020年代初頭)の中国社会は、90年代初頭の日本社会とよく似ている。

2-7:经济建设、政治建设、文化建设、社会建设和生态文明建设“五位一体”总体布局是个有机整体,相互联系、相互促进。只有坚持“五位一体”建设全面推进、协调发展,才能实现社会主义现代化,把我国建设成为富强民主文明和谐美丽的社会主义现代化强国。

意訳:経済の建設・政治の建設・文化の建設・社会の建設・エコ文化(生態文明)の建設という「五位一体」の総体的布陣は全体として一つの有機体であり、相互に関連しあい、相互に促進しあいます。ただ「五位一体」の建設の全面的な推進と協調・発展を堅持するだけで、「社会主義の現代化」が実現できて、我が国の建設を「富強」(富国強兵)・「民主」(民本主義)・「文明」・「和諧」(協調)・「美麗」(美しい自然)という「社会主義が現代化された強国」にすることができるのです。

①五位一体:中国共産党が掲げる”骨太方針”。1978年に鄧小平が「改革開放」を掲げたころは経済・政治・文化の三位一体だったが、2007年に胡錦濤が十七回全人代(十七大)で「④社会」を加えて四位一体とし、2012年の十八回全人代(十八大)で「⑤エコロジー文化」(生態文明)が加えられて五位一体となった。それまで経済最優先で高度成長を推進してきた中国が、今後は格差解消や環境保全にシフトしていくことを宣言するもの。
富强・民主文明和谐美丽(富强・民主・文明・和諧・美麗):前の四つ(富强・民主・文明・和諧)は、習近平が2012年の十八回全人代(十八大)の後で提唱した24個の「社会主義核心価値観」のうち、国家が目標とすべき価値観(というか「価値を置くべき理念」。)そこに「美麗」(自然環境の美しさ)という語句を繋げたもの。
  国家が目指すべき価値観:富強民主文明和諧
  
社会が大切にすべき価値観:自由平等公正法治
  
個人が守るべき価値観:愛国敬業誠信友善

余談:言っていることはたいへんけっこうなのだが、これを国家が規定して、人民に教育する(押し付ける)という仕組みそのものが、問題なんじゃいということが、どうしても通じない。

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