Ⅲ.習近平新時代中国特色社会主義思想・学生読本・初中 p.8-10【1-2-1】

01 社会主义现代化建设是一场接力跑

「社会主義の現代化」の建設は、リレー。

注釈:
①社会主义现代化(社会主義現代化):
「社会主義の現代化」なのか、「社会主義的な現代化」なのか、未詳。ひとまず「4つの現代化」という標語があるので、前者で訳しておく。
 恐らく社会主義体制を維持しつつ「現代化」、すなわち先進国(G7)なみに社会の構成員全てに先端技術の恩恵が行き渡っている状態を指す。あるいは社会の全構成員が先進国並みの豊かさを享受できている社会主義国家か。
 周知のように20世紀の社会主義国家建設という壮大な実験は、ソ連崩壊(と文化大革命に起因する中国の停滞)に象徴されるように、盛大な失敗に終わった。現在先進国に分類される国家はどこも資本主義(もしくは自由主義経済)を採用してきているので、資本主義こそが正解だったかに思えるが、欧米の現状を見る限り、資本主義にもまた行き詰まりが見えている。
 そこで中国は「資本主義の落とし穴」を事前に回避すべく、敢えて社会主義体制を維持したまま、かつ社会の進歩発展を目指す道を選んだ。(平たく言えば、中国のモデルはかつて「世界で唯一成功した社会主義国家」と揶揄された日本ではないのか。)
②接力跑:リレー。ここでは親から子へ、子から孫へと世代を越えて取り組むことを意味する。

1-2-1a:建成社会主义现代化强国,实现中华民族伟大复兴, 是鸦片战争以来中国人民最伟大的梦想,是中华民族的最高利益和根本利益。中国共产党领导人民进行的一切奋斗,归根到底都是为了实现这一伟大目标。

意訳:「社会主義の現代化」を果たした〔軍事〕強国を建設し、「中華民族の偉大なる復興」を実現することは、中国人民にとってアヘン戦争以来の最も偉大な夢であり、中華民族の「最高利益」であり、「根本的利益」でもあります。中国共産党が人民を指導して進めているあらゆる闘い(奮闘)は、結局のところ、この偉大な目標(中華民族の偉大なる復興)を実現するためのものです。

注釈
①利益:
微妙なニュアンスが日本語の「利益」と違っているように思う。「利点」か?待考。
②归根到底:結局のところ、とどのつまり


図版A:1954年8月,第一届全国人民代表大会第一次会议提出要实现工业、农业、交通运输业和国防"四个现代化"的任务。

意訳:1954年9月、第一回全国人民代表大会第一次会議で工業・農業・交通運輸業と国防の「四つの現代化」というミッションが提出された。

注釈:
全国人民代表大会:国家の最高権力機関で立法機関である議会。一院制。「全人代」のこと。議員は全国の共産党員の中から、共産党員の投票で選抜される。

1-2-1b:现代化的漫漫长路,好比一场接力跑,需要一棒接一棒, 前赴后继,不断努力。在不同发展时期,我们党总能因时而变,确立一个个新目标,激励人们团结一致、携手奋进。早在新中国成立前夕,党就确立了由落后的农业国变成先进的工业国的历史任务。新中国成立后,逐步确立了实现工业现代化、农业现代化、国防现代化、科学技术现代化的奋斗目标,激发了亿万人民建设社会主义的热情。改革开放后,我们党提出“三步走”的战略部署,引领中国人民实现了由贫困到温饱,再由温饱到小康的历史性跨越,迎来了现代化的光明前景。

意訳:「現代化」の長い道のりは、ちょうどリレーのようなもので、次々とバトンをつないでいき、前の者が後の者に続きながら、不断の努力を続ける必要があります。異なる発展段階において、我らが〔中国共産〕党は常に時代に応じて変化することができ、一つまた一つと新しい目標を確立して、人々を鼓舞して一致団結して、手を携えて猛進(奮進)するよう励ましてきました。
 新中国が建国される前夜にはすでに、党は遅れた農業国から先進的な工業国へ変わるという歴史的ミッションを立ち上げました。
 新中国が成立した後は、工業の現代化・農業の現代化・国防の現代化・科学技術の現代化を実現するという奮闘目標を順次打ち立て、億万の人民に社会主義を建設する情熱を巻き起こしました。
 「改革開放」後は、我らが党は「三段階計画」(三歩走)という戦略の手筈を整え、中国人民を率いて貧困から衣食の心配がない状態へ(温飽)、衣食に心配がない状態(温飽)から少しゆとりある社会(小康社会)に導き、「現代化」の明るい前途を迎えました。

注釈:
①部署
:手配する、手筈を整える
总能(総能):いつも~できる
三步走:三段階戦略。詳細は以下。
温饱(温飽):衣食の心配がない状態。飢えたり凍えたりする心配がいらない。暖かくお腹いっぱい。
小康:部分的にゆとりのある社会。中


资料卡片

党的十三明确指出,我国经济建设的战略部署大体分"三步走"。
第一步:从1981年到1990年,国民生产总值翻一番,解决人民的温饱问题。
第二部:从1991年到20世纪末,国民生产总值再增长一倍,人民生活达到小康水平。
第三步:到21世纪中叶,人均国民生产总值达到中等发达国家水平,人民生活比较富裕,基本实现现代化。

意訳:党の《13大報告》では、我が国の経済建設の戦略的展開が大きく「三段階」に分かれると明確に示されています。
第1段階:1981年から1990年まで、国民総生産を倍増させ、人々の「飢えたり凍えたりしなくていい」(温飽)という問題を解決すること。
第2段階:1991年から20世紀末まで、国民総生産を再び倍増させ、人々の生活水準を「衣食に不自由しない」(小康)レベルに引き上げること。
第3段階:21世紀半ばまでに、一人当たりの国民総生産が中等程度の先進国水準に達し、人々の生活が比較的豊かになり、現代化を基本的に実現すること。


1-2-2c:在前两步目标实现的基础上,新时代经济和社会发展的战略安排是,到建党一百年时,全面建成小康社会;到新中国成立一百年时,全面建成社会主义现代化强国。党的十九大报告提岀:“从十九大到二十大,是‘两个一百年’ 奋斗目标的历史交汇期。我们既要全面建成小康社会、实现第一个百年奋斗目标,又要乘势而上开启全面建设社会主义现代化国家新征程,向第二个百年奋斗目标进军。

意訳:前の「2段階」の目標を実現したという基礎の上で、新時代の経済発展および社会発展の戦略は、中国共産党の結成100年までに「小康社会」を全面的に構築すること、新中国成立100年までに「社会主義の現代化」を果たした強国を全面的に構築することです。〔2017年に出された〕《十九大報告》は、「十九大(第19次大会)から二十大(第20次大会)までが『二つの100年』の奮闘目標の歴史的な交差期である。我々はすでに「小康社会」を全面的に構築し、「第一の100年」の奮闘目標を達成したが、さらに勢いに乗って「社会主義の現代化」を成し遂げた国家の建設という新たな遠征の道のりを全面的に開通させ、「第二の100年」の奮闘目標に向かって前進しなければならない」と提議しています。

注釈:
①十九大报告(十九大報告):
中国共产党第十九次全国代表大会報告(2017年10月18日)。
②第十九大:中国共産党第十九回全国代表大会(2017年10月18~24日)
③第二十大:中国共産党第二十回全国代表大会(2022年10月16~22日)、《二十大报告》(二十大報告)

1-2-2d:2017年10月18日至24日,中国共产党第十九次全国代表大会在北京召开。

意訳:2017年10月18日から24日にかけて、中国共産党第十九次全国代表大会が北京で開かれた。

補論:小康社会
(1)貧困社会:世界銀行が定める貧困ライン以下
(2) 温飽社会:衣食が足りている状態、誰も飢えたり凍えたりしなくてよい社会。 世界銀行が定める低収入国、
(3)小康社会:いくらかゆとりのある状態。 世界銀行が定める中低収入国。

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