Ⅲ.習近平新時代中国特色社会主義思想・学生読本・初中 p.2 【1-1-0】

一.几代中国人的美好夙愿

一、何代にもわたる中国人の美しい宿願

原文1-0-1:
2012年11月29日,习近平总书记在国家博物馆参观《复兴之路》展览时说:“现在大家都在讨论中国梦,我以为,实现中华民族伟大复兴,就是中华民族近代以来最伟大的梦想。”

意訳1-0-1:
 
2012年11月29日、習近平総書記は国家博物館で「復興の道」展を参観した際に、「今、皆さんはチャイナドリーム(中国夢)について話し合っていますが、私が思うに、「中華民族の偉大なる復興」を実現することこそ、中華民族が近代以来抱いてきた最も偉大な夢です」と語りました。

注釈1-0-1:
中国国家博物馆(中国国家博物館):北京市の天安門広場東側に位置する世界最大級の総合博物館。 →「国家博物館・复兴之路」サイト 
《复兴之路》(『復興の道』):中国国家博物館の常設展示。概要は、「アヘン戦争(1840年)以降、半植民地で半封建社会という状況に陥った中国人民が屈辱と苦難の中から立ち上がり、民族復興を実現するために行った様々な取り組みを振り返る。特に中国共産党が全民族を指導して民族の独立・人民の解放・富国強兵・人民の幸福を追求してきた、その輝かしい歴史を示す。また、この展示では、人民がなぜマルクス主義・中国共産党・社会主義路線・改革開放を選択したかを示し、人民がなぜ「中国的特色のある社会主義」という偉大な旗印を高く掲げ、その路線と理論体系を堅持し続けなければならないかを示す」(《复兴之路》基本陈列通过回顾1840年鸦片战争以来,陷入半殖民地半封建社会深渊的中国各阶层人民在屈辱苦难中奋起抗争,为实现民族复兴进行的种种探索,特别是中国共产党领导全国各族人民争取民族独立人民解放、国家富强人民幸福的光辉历程,充分展示历史和人民怎样选择了马克思主义、选择了中国共产党、选择了社会主义道路、选择了改革开放,充分展示了历史和人民为什么必须始终坚持高举中国特色社会主义伟大旗帜不动摇,坚持中国特色社会主义道路不动摇,坚持中国特色社会主义理论体系不动摇。)    →CCTV节目官网《复兴之路》


原文1-0-2:
一时间,“中国梦”成为人们议论的焦点话题,有网站专门征集“我的中国梦”,应者云集:“我希望父母过上幸福的晚年生活,儿女考上大学、找到满意的工作。”“愿百姓安居乐业,人人都能过上小康生活”……人们“放飞”一个个梦想。

意訳1-0-2:
 
にわかに、「チャイナドリーム(中国夢)」は、人々の関心を集める議論のテーマとなり、あるウェブサイトは特に「私のチャイナドリーム(中国夢)」という投稿を募集するとし、多くの人々が雲霞のごとく集まり、「私は、両親が幸せな老後生活を過ごし、子供が大学に入って、満足のいく仕事を見つけられることを願います」、「人民が安居楽業(今の環境に満足して心安らかに暮らし、自分の仕事に楽しんで励めること)に暮らし、人々が「小康生活」を送れることを望みます」などなど……、人々は一人一人夢を「打ち上げ」ました。

注釈1-0-2:
专门(専門):副詞用法。専ら、わざわざ
征集(徴集):(文章・口頭で広く呼びかけて資料・計画案・作品・遺品・写真・意見・署名などを)募ること、募集すること。
应者(応者):応募者
云集(雲集):(比喩的に,好感を持つ事態に用い;多くの人が各地より)雲のように集まる。
安居乐业(安居楽業):社会的地位や住いなど、環境に不満がなく、自分の仕事を楽しんでできる状況にあること。また、良い政治が行われ、国民の生活が安定していること。
小康生活:贅沢はできないものの、衣食など生活必需品は充分に足りている暮らし。
放飞(放飛):(ロケットなどを)打ち上げる

補説:小康社会
 「小康社会」とは、鄧小平(1904-1999)が提唱した社会目標で、飢えたり凍えたりする〔絶対的〕貧困層が存在しない社会を意味する。出典は『礼記・礼運』。1979年12月6日北京にて、鄧小平は日本の太平正芳首相との対談のなかで、中国の当座の目標は「小康之家」だと述べた。

 中国人は易伝や陰陽五行説や朱子学の精緻な理論体系に認められるように、合理化というか、種々の発言から帰納法的に統一理論を構築するのが好きで得意なので、この発言も中国共産党によってたちまち理論化され、「第一の100年間」(中国共産党結成の1921年から2021年までの100年間)の目標は「小康社会の建設」だと理論付けられ〔、あたかも最初からそう決まっていたかのごとく説明されるようになっ〕た。
 ちなみに「第二の100年間」(中華人民共和国建国の1949年から2049年までの100年間)の目標は「社会主義現代化強国」の建設であり、1935年(1921年と1949年の中間点)に「基本実現社会主義現代化」を達成するとしている。

 中国は社会主義国家ということで、毛沢東時代は「均等同歩」(みんな同じペースで豊かになっていく)を掲げ、経済発展は遅々として進まなかった。そこで毛沢東の後を継いだ鄧小平は1985年に「先富論」( 豊かになれる者から先に豊かになり、落伍した者を援助すればいい)を提唱して深圳に経済特区を設置して「改革開放」を推進すると同時に、「小康社会」(全ての人民に充分な衣食が行き渡っている社会)の実現を目標に掲げた。その後、中国は急激な経済発展を遂げ、2021年7月1日「庆祝中国共产党成立100周年大会」上で習近平により「中国全土に小康社会を建設し終えた」(在中华大地上全面建成了小康社会」が高らかに宣言された。

 次なる目標として習近平が提唱しているのが、「共同富裕」(富の共有)である。「先富論」によって、中国は社会主義を標榜しながら、資本主義である日本よりも「貧富の格差」が拡大してしまったので、これを是正しよう……ということで、コロナ禍の最中、IT産業や不動産業への規制強化と国内インフラ建設の推進を実施し、格差解消を急激に進めようとしている。

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