幼少期からのスポーツ専門化を考える。

ドイツでのコオーディネーショントレーニングの勉強から、子供の頃のスポーツへの参加について更に考えるようになりました。結論は子供たちが遊べる環境が限られていること。やはりこれに尽きるのかなと。幼少期からのスポーツ参加は賛成です。ただ、単一のスポーツに偏ることは反対です。年齢が上がったときに、あまりにできる動作が限定される。実際に指導していて、ものすごく感じました。

これは、あくまでも僕の経験則です。なので、参考程度に読んでもらえるといいかなと思います。もう10年以上、トレーニング指導の仕事をしています。その中でも、高校世代、スポーツだと野球チームに関わることが多かったです。

野球の場合、ほとんどの子供たちは小学校の頃からスポーツ少年団やリトルリーグで野球を始める。そのまま、中学校の部活かシニア/ボーイズリーグなどで野球を続け、高校野球の舞台に上がってきます。したがって、どの子も”野球っぽい”動作はできます。そりゃそうですよね、昔からやってきた動きですから。ただ、トレーニングで、いろいろな課題を出すと、できない動きが多々あります。例えば、単純に”走る”という動作がぎこちない。”跳ぶ”という動作のバリエーションを提示したときにできない。”柔軟性”が全くない。などなど。スポーツの専門動作の前に習得しているはずの基本動作が疎かになっているケースがよく見受けられます。

僕は、他競技や体育の授業でやるようなマット運動などをアップでやったりします。そうすると、普通にできると思うことが、できない選手が結構います。それが専門としている競技ではないから、上手くなくてもいいんですが、それにしても・・・・・・と僕が思ってしまう。できる動作しかしていないので、できない動作は一切やらない。体育の授業が嫌いという選手も普通にいました。。。。。それってどうなの・・・・と思ってしまいます。

基本動作(走る、跳ぶ、投げる、捕る、蹴るなど)がきちんと習得できているのであれば、義務教育の体育で行う全種目は普通にできると思います。実際、郡部の学校の生徒は、この辺が普通にできる。幼少期から、外遊びをする環境が都市部の生徒よりあるからだと思います。

僕自身も、田舎の出身だったので、小学校、中学校まで体育の授業で全く何もできないというのを見ることがありませんでした。ただ、高校で都市部の学校に進学したときに、クラスの3分の1が体育の授業で苦労している。もちろん、得意不得意は人それぞれですが、ただ、中学までの状況が普通だったので、結構、驚いた記憶があります。

早くからスポーツに取り組むのはいいことです。でも、トータルの運動能力を上げるのであれば、幼少期に基本能力をきちんと習得すること。そのために、運動教室などに通わせるのもいいかもしれません。でも、本当は、自然発生的に子供たちが外で遊べる環境があるのが一番いいんだろうなと思ってます。とはいえ、うちの子供達が外に遊びに行く時はいろいろ心配してしまいます。環境が昔と違う。田舎とは違う。その通りです。安全に子供たちが遊べる場所。提供できないかな。。。。


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