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最近のこと

2020年ももう2月中旬。今週は子供3人全員インフルエンザという苦痛の日々を過ごしています。

忙しい毎日ですが2020年はインプット量を増やすという目標を掲げているので、最近は映画を見たり、電車では本を読んだり、仕事とは関係のないことにも時間を割くようにしています。

ということで最近見て面白かった映画を紹介というかただただ綴ります。

ボーダーライン


見ようと思ったきっかけは監督がヴィルヌーヴだからです。ヴィルヌーヴで絶対面白くないわけがない。

結果、最高でした

あらすじ

FBI捜査官ケイトはある誘拐事件の捜査で犯人の家に突入し、そこで無数の死体を発見します。その裏にはメキシコの麻薬カルテルの存在がありました。ケイトはこの麻薬カルテルの壊滅を任された特別捜査官マットと謎のコロンビア人アレハンドロと一緒に任務につくことになります。

そして舞台は麻薬カルテル同士の争いが絶えない国境沿いの街フアレス。人が殺されることが日常である壮絶な街。そこはケイトには想像もできない世界でした・・・

感想(ネタバレ)

面白いと言っていいのか分からないくらい残酷な映画ですが、僕は好きです。
最後まで緊張感がすごいです。見てる間、ずっと目が離せませんでした。そしてこの映画のすごいところは前半と後半で緊張を感じる理由が変わってくるんです。

前半はいつ殺されるか分からない緊張感。街は麻薬カルテルに支配されており警察ですら麻薬カルテルに買われている可能性があるため、周りの人間が全員敵に見えるような状況で任務を遂行する緊張感です。

後半は、謎のコロンビア人アレハンドロがカルテルの連中を皆殺しにしていく緊張感です。
いや、正義のヒーローが悪の集団をやっつけていくんだから緊張感よりむしろスカッとするやろって思うかもしれないけど、全然そんなことないんです。

なぜか自分の心の中に殺さんといてあげてくれ・・・って気持ちが芽生えてるんです・・・それには理由が2つあります。

1. エミリーのリアクションがこの街が非日常であることを物語っている
2. とは相対的にカルテル側の人たちの日常が小刻みに描かれている

まず、エミリーの存在が、時が経つにつれて意味をなしてきます。エミリーは簡単に人が殺しあう世界(しかも、母国からも目と鼻の先の国境付近)に直面し終始パニックになります。それはエミリーは人は殺してはいけないという当たり前の正義感を持っているからで、彼女の感覚は我々視聴者に近いです。そのエミリーの存在がフアレスという街がどれだけ非日常であるか思い知らせてくれます。

一方で終始カルテル側の人間の日常が小刻みに描かれています。カルテル側の主要メンバーが子供達と遊ぶシーンや家族で食事をするシーンがちょくちょく描かれています。彼らはそこで普通に暮らしており、この街では殺し合いは良いとか悪いとかではなく、それが日常なのだということを思い知らせてくれます。

この2つのおかげで、カルテル側の人たちを非日常を日常だと思っている哀れな人たちという感情がいつの間にか僕の心に芽生えており、それがアレハンドロがカルテルを殲滅するシーンを迎える頃にはすっかり情が湧いており、殺さないであげてほしいと思ってしまうのです。

ラストシーンもすごい良くて、ラストで僕は僕の日常に戻ってこれた気がします。

あと、音楽も重低音で緊張を助長してて良いです。

是非見てほしい作品です。


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