シューベルト：交響曲 第4番 ハ短調 D417「悲劇的」
07:51 II. Andante
18:41 III. Menuetto: Allegro vivace - Trio
21:45 IV. Allegro
ジョン・バルビローリ指揮
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
1939年1月21日録音
フランツ・シューベルトの交響曲第4番ハ短調 D417「悲劇的」（Tragic）は、彼の初期の作品の一つであり、1820年に完成されました。この交響曲は、シューベルトがまだ若干23歳の時に作曲されたものであり、彼の音楽的成長を示す重要な作品です。
### 背景と歴史
1. **作曲時期**:
- シューベルトはこの交響曲を1820年に作曲しました。この時期は、彼が多くの室内楽や歌曲を手掛けていた時期でもあり、交響曲の作曲は彼にとって新たな挑戦でした。
2. **「悲劇的」というタイトル**:
- この交響曲には「悲劇的」というタイトルが付けられていますが、このタイトルはシューベルト自身によるものです。しかし、具体的な理由や意味は明示されておらず、楽曲の内容や感情的な表現に基づいていると考えられます。
3. **楽曲の影響**:
- シューベルトの交響曲第4番は、彼の敬愛するベートーヴェンやモーツァルトの影響を受けています。特に、ベートーヴェンの劇的な表現や構造的な要素が取り入れられています。
### 構成と楽曲分析
交響曲第4番は、伝統的な4楽章構成を持ち、それぞれの楽章は以下のようになっています。
1. **第1楽章：Adagio molto - Allegro vivace**
- この楽章は、ゆっくりとした導入部から始まり、急速で力強い主部に移行します。冒頭のAdagio moltoは、劇的で不安感を煽るような和声進行が特徴です。その後のAllegro vivaceでは、主題がエネルギッシュに展開され、対位法的な処理も見られます。
2. **第2楽章：Andante**
- 第2楽章は、穏やかで美しいメロディが特徴です。抒情的な旋律が流れ、和やかな雰囲気を醸し出します。ここでは、シューベルトの歌曲作曲家としての才能が発揮されています。
3. **第3楽章：Menuetto: Allegro vivace**
- この楽章は、伝統的なメヌエットの形式を持ちますが、非常に生き生きとしたリズムと勢いがあります。中間部のトリオは対照的に穏やかで、全体の構造に多様性を与えています。
4. **第4楽章：Allegro**
- フィナーレは、激しくダイナミックな楽章です。劇的な主題が次々と展開され、曲全体を締めくくります。シューベルトの若々しいエネルギーと創造力が感じられます。
### 音楽的意義
シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」は、彼の交響曲の中でも特に劇的な作品として知られています。ベートーヴェンの影響を受けつつも、シューベルト自身の個性が強く反映されており、彼の初期の交響曲作曲の試みとして重要な位置を占めています。この交響曲は、後のシューベルトの交響曲作品へとつながる重要なステップであり、彼の音楽的探求と成長を示しています。
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