モーツァルト:弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 K.173 | String Quartet No.13 in D Minor, K.173

00:00 I. Allegro ma molto moderato
05:46 II. Andantino grazioso
09:26 III. Menuetto
13:56 IV. Allegro

再生時間 17'' 16'

モーツァルトの弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 K.173は、1773年にウィーン滞在中に作曲された作品です。この時期、モーツァルトは17歳であり、彼の音楽的成長が顕著に表れ始めた時期にあたります。

### 作曲の背景
1773年、モーツァルトは父レオポルトと共にイタリアを旅し、多くの音楽的影響を受けました。特に、彼はイタリアのオペラと作曲家ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニから多くを学びました。しかし、ウィーン滞在中に作曲されたこの四重奏曲は、イタリア音楽よりもドイツ音楽の影響が色濃く出ています。特に、ハイドンの影響が見られ、彼の「太陽四重奏曲」シリーズ(作品20)が参考にされた可能性があります。

### 楽曲の構成と特徴
弦楽四重奏曲 K.173は、全4楽章から構成されています。

1. **第1楽章:アレグロ・マエストーソ(Allegro maestoso)**
- ニ短調で書かれた第1楽章は、力強い主題で始まり、劇的な雰囲気を持っています。形式はソナタ形式で、主題が緊張感を持ちながら展開されます。

2. **第2楽章:アンダンテ・グラツィオーソ(Andante grazioso)**
- ニ長調に転じる第2楽章は、穏やかで優美な性格を持ちます。この楽章では、イタリアのセレナーデに似たリリカルな要素が感じられます。

3. **第3楽章:メヌエット(Menuetto)**
- ニ短調で書かれたメヌエットは、やや厳格なリズムを持ちながらも、トリオ部分で優美さが感じられます。このトリオは平行調のヘ長調で書かれており、対比が際立ちます。

4. **第4楽章:フィナーレ:アレグロ(Finale: Allegro)**
- フィナーレは、リズミカルでエネルギッシュな楽章で、再びニ短調に戻ります。この楽章はロンド形式で、主題が反復される中で多様な変奏が加えられます。

### 楽曲の意義
この四重奏曲は、モーツァルトが弦楽四重奏曲というジャンルにおいて成熟した作曲技法を示した初期の作品の一つです。特に、短調の作品であるため、その表現力の豊かさが際立ちます。また、モーツァルトが後に書くことになる「ハイドン・セット」や「プロイセン四重奏曲」にも通じる要素が見られ、彼の成長の一端をうかがうことができます。

モーツァルトの弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 K.173は、彼の初期の四重奏曲の中でも特に注目されるべき作品であり、若いモーツァルトの才能と創造力が凝縮された一曲です。

バリリ弦楽四重奏団(Barylli Quartet)は、ウィーンを拠点とした著名な弦楽四重奏団で、1950年代を中心に活躍しました。1955年2月に録音されたモーツァルトの弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 K.173は、彼らの演奏の中でも特に高く評価されています。

### バリリ弦楽四重奏団のメンバー
1955年の録音時におけるバリリ弦楽四重奏団のメンバーは次の通りです。

- **オットー・バリリ (Otto Barylli) - 第1ヴァイオリン**
- バリリ弦楽四重奏団の創設者であり、リーダーであるオットー・バリリは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めたヴァイオリニストです。彼はウィーンの音楽シーンで非常に影響力があり、バリリ四重奏団の独特の音楽性を形作る上で重要な役割を果たしました。

- **ヴァルター・ビバーマン (Walter Barylli) - 第2ヴァイオリン**
- オットー・バリリの弟であるヴァルター・ビバーマンは、バリリ弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者として活躍しました。彼もまたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に所属し、兄とともに四重奏団の音楽的バランスを支えました。

- **ルドルフ・シュトリング (Rudolf Streng) - ヴィオラ**
- ルドルフ・シュトリングは、バリリ弦楽四重奏団のヴィオラ奏者であり、彼の深い音色と確かな技術は、四重奏団全体の調和を保つために不可欠でした。シュトリングもまたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーでした。

- **リヒャルト・クロイサント (Richard Kroisandt) - チェロ**
- チェロ奏者リヒャルト・クロイサントは、バリリ弦楽四重奏団の低音部を担当し、その力強い演奏で四重奏団の基盤を支えました。彼もウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の一員であり、クラシック音楽の伝統を引き継ぐ重要な役割を果たしました。

### 録音の意義と評価
1955年2月のモーツァルトの弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 K.173の録音は、ウィーンの伝統的な音楽解釈と演奏技術を反映したものとして高く評価されています。バリリ弦楽四重奏団は、ウィーン古典派の楽曲を特に得意としており、モーツァルトやハイドンの四重奏曲をレパートリーの中心に据えていました。

この録音は、各楽器が独立した美しい音色を持ちながらも、全体として一体感のある響きを実現しており、バリリ弦楽四重奏団の卓越したアンサンブル能力が際立っています。また、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーで構成されたこの四重奏団ならではの、伝統的で豊かな音楽性が感じられる演奏となっています。

バリリ弦楽四重奏団の演奏は、モーツァルトの作品に対する深い理解と、彼の音楽を尊重しつつも独自の解釈を加えたものであり、モーツァルトの弦楽四重奏曲 第13番 ニ短調 K.173に新たな命を吹き込んだと言えるでしょう。この録音は、モーツァルトの四重奏曲を愛するすべての人々にとって、聴くべき名演の一つです。

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