サン=サーンス:ハバネラ 作品83

ヴァイリン:ジャック・ティボー
ピアノ:タッソ・ヤノプーロ
1933年7月1日録音

### 作曲者について
カミーユ・サン=サーンス(Camille Saint-Saëns, 1835-1921)はフランスの作曲家、ピアニスト、オルガニスト、指揮者として知られる人物です。彼は非常に多作であり、多岐にわたるジャンルで活躍しました。代表作としては「動物の謝肉祭」「オルガン交響曲」「サムソンとデリラ」などがあります。サン=サーンスは、フランス音楽の発展に大きく寄与し、その作品は今日でも広く演奏されています。

### ハバネラ Op.83について
**ハバネラ(Havanaise)Op.83**は、1887年に作曲されたヴァイオリンとピアノ(またはオーケストラ)のための作品です。この楽曲は、スペインの舞曲「ハバネラ」にインスパイアされており、その特徴的なリズムが全体を通じて感じられます。ハバネラはキューバに起源を持ち、19世紀にスペインに伝わった後、スペイン音楽に取り入れられました。

### 楽曲の構造
「ハバネラ Op.83」は単一楽章で構成されており、その形式は自由で多様です。主に以下のような要素から成り立っています:

1. **序奏(Introduction):** 楽曲はゆったりとした、魅惑的な序奏で始まります。この部分は、ヴァイオリンが甘美なメロディを奏で、ピアノ(またはオーケストラ)がそれを支えます。

2. **主要部(Main Section):** 序奏に続いて、ハバネラのリズムが現れます。ここでは、特有のシンコペーションとリズムが際立ち、ダンスの雰囲気が強調されます。ヴァイオリンは華麗な技巧を披露し、情熱的な旋律を奏でます。

3. **中間部(Middle Section):** 中間部では、テンポが変わり、より穏やかで抒情的なメロディが登場します。これにより、楽曲にコントラストと深みが加わります。

4. **再現部(Recapitulation):** 再びハバネラのリズムが戻り、主要部のテーマが再現されます。ヴァイオリンはさらに華やかなパッセージを演奏し、クライマックスへと向かいます。

5. **コーダ(Coda):** 最後に、速いテンポで締めくくられるコーダが現れます。ここでは、ヴァイオリンの技巧が最大限に発揮され、華々しいフィナーレとなります。

### 楽曲の背景
この作品は、ヴァイオリニストであるラファエル・ディアズ・アルバラシン(Raphaël Diaz Albertini)に捧げられました。サン=サーンスは、この作品を通じて、彼の卓越した技巧と表現力を引き出そうとしました。また、当時のフランスにおいて、スペインの舞曲は非常に人気があり、このような異国情緒あふれる作品は聴衆にも好まれました。

### 演奏の特徴
「ハバネラ Op.83」を演奏する際には、ヴァイオリンのリズム感と表現力が重要です。シンコペーションのリズムを正確に捉えつつも、情熱的かつ自由な表現が求められます。また、ピアノ(またはオーケストラ)との調和も重要で、両者が一体となってダンスの雰囲気を醸し出すことが求められます。

この作品は、サン=サーンスの他のヴァイオリン作品と並んで、ヴァイオリン・レパートリーの重要な一部となっています。彼の特徴的な旋律美とリズム感が楽しめる「ハバネラ Op.83」は、今日でも多くのヴァイオリニストに愛され、演奏されています。

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サン=サーンス 再生リスト
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#サン =サーンス #ハバネラ #作品83

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