20240817 坂本慎太郎の音楽

読んで印象的だった部分と感想など。

何か言いたいことがあって曲にして伝えようと思って考え始めると、そこから飛躍できない。「何でこんなこと言っちゃったのか自分でも分からない」みたいなフレーズがはまって、そこから発想して作ると面白くなるパターンがある。

-お気に入りの曲は。
 どうってことない、さりげない印象の仕上がりになればいいと思っていて、その意味では「マヌケだね」(3作目アルバム「できれば愛を」収録)という曲。簡単に作ってあるような歌詞なんだけど、力の抜けた感じと切実な感じのバランス、おかしみと悲しみのさじ加減と言いますか、好みの感じがありまして、自分では気に入っている。

-近年は「夏休みの最初の日の朝」のような音楽を目指しているそうですね。
 夏休みの最初の日の朝というのは「今日から学校に行かなくていいんだ」という瞬間の気持ちのこと。例えば病気が治ったとか、借金がなくなったとか、ずっと心配だったことを考えなくてもよくなったときの晴れやかな気持ち。ストーリーではなくて、晴れやかになった瞬間だけを切り抜いたような、そこを引き伸ばしたような音楽ってできないかなというところから始まっています。
 自分が好きな音楽は全部そういうのに近い。明るいといってもただ明るい曲は聴いていて暗くなっちゃうんですけど、素朴な感じと切なさ、はかなさを含んだ明るい感じ、ほの明るさみたいなのが好みだったりします。

-アルバム最後の曲「恋の行方」も思い入れがありますか。
 自分が普段、探している曲というか、レコードを買うときにああいう曲があったら絶対買うという感じの曲。具体的に言うとミドルテンポで、バラードじゃなくて、リズムが結構はっきりしていてゆるく乗れる感じがありつつ、悲しみを内包した笑いみたいなイメージ。一番好きな感じの曲です。

中でも特に印象的だったのは、
「力の抜けた感じと切実な感じのバランス、おかしみと悲しみのさじ加減」

「ストーリーではなくて、晴れやかになった瞬間だけを切り抜いたような、そこを引き伸ばしたような音楽ってできないかな」

「明るいといってもただ明るい曲は聴いていて暗くなっちゃうんですけど、素朴な感じと切なさ、はかなさを含んだ明るい感じ、ほの明るさみたいなのが好みだったりします」

「レコードを買うときにああいう曲があったら絶対買うという感じの曲。具体的に言うとミドルテンポで、バラードじゃなくて、リズムが結構はっきりしていてゆるく乗れる感じがありつつ、悲しみを内包した笑いみたいなイメージ」
など。

なるほど、こういうことを考えながら音楽を作ってるのだとわかったし、そういう聞き方の引き出しもできるし、坂本慎太郎の音楽を感じる際の良いガイドラインにもなると思った。

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