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9月30日 Compensation Structure 報酬システム

おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言  で参りましょう。

昨日の続き、そして、今日 #9月30日  は #Compensation_Structure  はたらく誰もにとって重要な #報酬システム  について。

ドラッカーは 著書「マネジメント」のなかで、

報酬は #個人の業績を認めることと集団の安定をはかり維持することのバランスが常に取れるようなものにしなければならない

と記しています。それはまた、

 管理者にとって、報酬と報酬構造ほど強力な信号はまずないと言って良い。管理者にとってそれらの重要性は、金銭の経済的意味よりも遥に大きい。それらはトップ・マネジメントの価値観を教え、経営陣内における自分の値打ちを教えてくれる。それは、はっきりと目に見える形で集団内に行ける自分の地位や、階級や、自分がどう認められているかを教えてくれる。今日のように税率が高い場合には、上級管理者にとって少しばかり所得が増えても、概していうと、さほど意味を持たなくなる。結局、それだけ所得税が増えるに過ぎない。しかしたとえ少しばかりでも所得が増えることによって得られるステイタス・シンボルや衝撃感には、計り知れないものがある。

と記している。

つまり、報酬とは、金銭の多寡という意味合いだけでなく、トップマネジメントの価値観を教え、経営陣内における自分の値打ちを教えてくれる。それは、はっきりと目に見える形で集団内に行ける自分の地位や、階級や、自分がどう認められているかを教えている。

 すなわち、報酬=経営陣からのメッセージである、と言えるし、また、組織集団内における自分のポジションを決めてしまう。だからこそ、個人にとっては、他人の給与報酬額との比較が常に、重要な意味を持つことになり、そのため、組織内での喜怒哀楽が生まれ、場合によっては対立なども生まれてしまいます。

ドラッカーは「マネジメント」の「36章 業績中心の精神」(128〜129ページ)のなかでこう記している。

 組織の中の「士気が高い」ということは、「人々が仲良くやっている」ことではない。士気の良否は、同調(コンフォーマンス)によってではなく、業績(パフォーマンス)によって判定される。「人間関係」も、仕事をうまく果たしたという満足感に根差すものでなければ、実は、貧弱な人間関係なのである。貧弱で卑しい精神を生むだけなのである。また逆に、傑出した人物の強みと能力が、集団にとって脅威となり、また彼の業績が、他の人々の難儀や、欲求不満や、意欲喪失の原因になることほど、組織にとって由々しいことはない。

 さらに、当時の米国企業では、通常、年度の「投資収益率」で測定される業績に直接管理者の給与を関連させることが一見極めて「公正な報酬制度」とされていたようで、部署ごとで投資収益率を争っていた組織が多かったようです。

 しかし、「単年度の業績=投資収益率ないし経常利益を重視し過ぎると、事業管理者は、単年度業績を良くするために、費用が長期間かかる新規事業投資や新製品開発投資を減じ、「将来」を蔑ろにする方向へと誤り導かれることになる」と、ドラッカーは、将来性を軽視し、業績重視の成功報酬ボーナス制度を採用している企業に対して警告していました。

 確かに、一期ごと、あるいは、四半期ごと、さらには、毎月ごとといった短期の業績評価に囚われて過ぎてしまうと、新製品開発や新規事業開発といったイノベーション事業への投資や新人の採用が減じられた結果、企業組織の将来性・永続性が損なわれる恐れが顕在化してしまうからでしょう。

 この種の危険については、今日広く認識され始めている。例えばGE(ゼネラル・エレクトリック)では、数年前に、それまでの事業部別投資収益率に基づいた報酬制度を廃止している。その代わりに、「投資収益率」が、事業部の事業執行者たちの報酬決定において、いくつかの要因のうちの1つとして扱われるに過ぎない報酬制度を採用した。

 70年代に記されたこのドラッカーの「マネジメント」ですが、わが国の昨今の経団連を代表とする大企業は、「メンバーシップ型」から解雇規定を緩やかにする「ジョブ型」への移行となるよう世論形成が進んでいますね。

「外国人・ジェンダーなど様々な差別の撤廃と一定割合で外国人の採用推奨」「45歳定年制」と、開かれたはその一環と思われます。

これまでの日本型経営の長所、強さの原点、と言われてきた3つの長所「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」を手放した先に、明るい未来があることを祈ります。

ACTION POINT
#個としての仕事ぶりに報いるとともに全体への貢献に報いる報酬システムを設計してください

#個人の報酬と組織全体の継続性を維持するための報酬とのバランスを取りながら個人のパフォーマンスに報いる報酬制度を構築しよう

経営者は、仕事を生産性が上がるものにし、労働者に達成意欲を持たせることができるようにするためなんらかの解決策あるいは少なくとも調整策を見出さねばならない。経営者は、自らに要求されているものがなんであるかを理解せねばならない。(『マネジメント-課題・責任・実践』 昭和49年版 上巻「16、仕事、労働、労働者についてわかっていること」323ページより)

今日もやっていきましょう。

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